この原理については色々な解釈がありますが、証明されてないので厳密にはわかりません。
一つの考え方としてはオーバラップ領域を15塩基程度作るとligaseなしに二重鎖を溶液中で非常に効率よく作ることができるためこれによってocに近い状態が溶液中で形成されます。オーバラップしてないもう一方の部分はぐるりと回って余計な部分として残るのですが、それ以外の部分が相補的なので大腸菌内の修復酵素によって勝手に余計な部分が取り除かれるか、PCR反応内で5'のプライミングしている部分にぶつかることでそれ以上増えなくなるかは厳密にはわかりませんがそういうことが起きてると考えらます。
何れにせよquick changeのやり方で増やしたものを形質転換すると、通常のccのプラスミドをそのまま形質転換するのに比べてはるかに出てくるコロニーの数が少ないですから、大腸菌内でうまく修復できなかったものが実際にはたくさんある中で、かなり大量に入れているので結果的にそういうコロニーも出てくるということだと思います。
この辺の原理を無理やり使ってるのがgibson assemblyとかで、本家のmaster mix はligaseが入ってますがこれがなくても実際は(効率は落ちますが)目的物はできます。SLICE cloningなどのように、片方の末端にじゃまなものが部分的についていても入る時は入るようにある程度相補的なものがあれば余計なものは(効率は落ちますが)大腸菌の修復活性でどうにかできる、ということなんだと思います。 |
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