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kinase inhibitorを用いたリン酸化の経時変化の評価 トピック削除
No.8768-TOPIC - 2020/04/13 (月) 20:37:09 - 無名
平素より勉強させていただいております。
同様のトピックが見当たらなかったため、初めてですが作成させていただきます。

現在、とある細胞にReceptor tyrosine kinaseの阻害剤処理を行った際のリン酸化の経時変化を評価しようとしております。
対象とするたんぱく質はreceptor kinaseおよび下流のERKです。
処理時間は1, 3, 6, 12, 24時間を想定しております。

細胞を6 well plate(または40 mm dish)に播種し2日後に処理を開始するのですが
@0時間ですべてのwell (dish)の培地交換とともにinhibitor処理を行い、所定の時間経過後(1〜24時間後)にそれぞれsamplingを行う
Asamplingのタイミングが揃うように、添加するタイミングをずらし、24時間後にすべてのwellのsamplingを行う
の2通りのサンプリングが考えられるかと思います。

質問は、@、Aのサンプリング方法のいずれが正しい(妥当)のかという点です。

@の場合、処理のタイミングが同じのため、細胞の状態としてはwell間に差がないと考えておりました。
しかしながら、Aの方法でやるのが正しいという話も聞きます。

ご教示いただければ幸いです。
 
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(無題) 解決済み 削除/引用
No.8768-7 - 2020/04/24 (金) 23:45:10 - 無名
皆様

ご丁寧にご回答いただきありがとうございます。
昨今のコロナ禍の影響もあり、御礼が遅くなりましたこと、大変失礼いたしました。
周りの@派とA派の意見をそれぞれ聞いてみますと、少なくとも今回の実験デザインではやはり明確にどちらが『正しい』かというのはないように思えました。

流しの研究者さんの仰るようにAの方が手数的には楽になりますね。

Mさんが御指摘くださいましたが、Aの根拠として、@の場合最終pointのサンプルと23時間の差が生じることを挙げている方もこれまで何名かいました。

おおさんの仰るようなstarvationは今回不要な状況ですが、確かに23時間差は影響しそうですね。非常に大きい大変良い気付きの機会となりました。

asanさんがタンパク質量の違いという点に関しては、基本的にどのようなサンプルでもBCAをしておりましたので、あまり考えたことがありませんでした。

実験が出来ない状況下で、皆様のご回答をもとに改めて考える大変良い機会となりました。
非常事態宣言下で大変な状況ではありますが、皆様のご健勝をお祈りいたします。

(無題) 削除/引用
No.8768-6 - 2020/04/14 (火) 17:20:25 - asan

ぶっちゃけどっちでも考え方次第です。

ただし、WBなどの比較的タンパク量が必要な実験の場合は、長時間培養すると初期に回収したサンプルと後期でのサンプルのタンパク量が大きくずれてめんどくさいので、刺激時の巻き数の違いでほぼ影響がないとみなせるような実験の場合はサンプリングを揃えた方が楽ではあります。

(無題) 削除/引用
No.8768-5 - 2020/04/14 (火) 07:54:15 - おお
あ、ひとつ思ったんだけど血清飢餓状態でやるなら血清飢餓でスタート時間23時間の違いはちょっと気になります。

(無題) 削除/引用
No.8768-4 - 2020/04/14 (火) 07:40:19 - M
正しいかどうかは断言できませんが、個人的にはAの方法を取る場合が多いです。ライセートにするタイミングを合わせた方が、シグナルへの影響をそろえる事ができると考えています。例えば、ライセートにした後の凍結時間の長さにより、シグナルが影響を受ける可能性がある場合(ERKはまず問題ないと思いますが、RTKの場合は物によってあり得るかも)などです。サンプルにして直接(凍結せずに)流したい場合などは、Aの方法しかないですね。

@の場合、薬剤添加までの培養時間はそろいますが、サンプル回収時点では23時間の差があり、well間で差がないとは言えない気もします。どうしても気になるのであれば、細胞を播種するタイミングからずらせば(24時間処理用の細胞は23時間先に播種する)、同じ培養時間の後に薬剤処理を開始し、サンプル回収時点を合わせる事も可能ですね。

何れにせよ、溶媒(vehicle)のみのコントロールで、培養時間による影響がどの程度出るか確認すると良いと思います。その結果で最終決定してはどうでしょう? RTKと言っても、変異が入っていてリガンドを必要としない場合、変異がなく血清内あるいは外部添加のリガンドが必要な場合、自己分泌リガンドによるシグナルに依存する場合、など状況によって培養時間の影響は異なると思います。薬剤処理開始時の細胞密度によっても影響を異なるでしょう。

一般に、RTK阻害剤の効果は1時間もあれば見れますが、24時間まで引っ張ると、阻害後の再定常状態への移行が見れる可能性があります。ERKの上流では、阻害後に予想外の定常状態への移行が見られる事もありますので、 24時間まで見るデザインには意味があると、個人的には思います。

(無題) 削除/引用
No.8768-3 - 2020/04/14 (火) 00:27:34 - 流しの研究者
>[Re:1] 無名さんは書きました :
> 現在、とある細胞にReceptor tyrosine kinaseの阻害剤処理を行った際のリン酸化の経時変化を評価しようとしております。
> 対象とするたんぱく質はreceptor kinaseおよび下流のERKです。
> 処理時間は1, 3, 6, 12, 24時間を想定しております。

よくやる実験ですね。なお私は、細胞内のシグナル伝達経路の阻害剤を入れてから長時間(24時間とか)経った反応は評価しないです。


> 細胞を6 well plate(または40 mm dish)に播種し2日後に処理を開始するのですが
> @0時間ですべてのwell (dish)の培地交換とともにinhibitor処理を行い、所定の時間経過後(1〜24時間後)にそれぞれsamplingを行う
> Asamplingのタイミングが揃うように、添加するタイミングをずらし、24時間後にすべてのwellのsamplingを行う
> の2通りのサンプリングが考えられるかと思います。
>
> 質問は、@、Aのサンプリング方法のいずれが正しい(妥当)のかという点です。

どちらも妥当です。そういう実験なので。処理時の細胞数が同じなので、より妥当なのは@ですが、Aでやることが多いですね。培養条件や細胞によりますが、率直に言って大きな差があるとは思えません。


> @の場合、処理のタイミングが同じのため、細胞の状態としてはwell間に差がないと考えておりました。
> しかしながら、Aの方法でやるのが正しいという話も聞きます。

Aが@より正しいとは思いませんが、現実的です。圧倒的に楽です。また、サンプル数が多くなって処理に時間がかかるために生じる弊害がある可能性がありますが、サンプル回収時の条件が全部同じという意味では、この点だけ見ると@より優れています。多くの人がAをやっているので(あくまで比較的短い処理時間の場合ですが)、そういう意味で「(選択として)正しい」という話を聞いたのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.8768-2 - 2020/04/13 (月) 23:45:24 - おお
Aの方法でやった実験は過去にありますが、、、24時間も経つと細胞の状態も結構違いませんか?ERKとか結構培地の成分の消費、細胞から分泌されるものの蓄積、なんかでも影響受けそうな気がしますし。
というのが個人的な印象です。

Inhibitor入れるときに培地交換したらいくらかましになるかもですが。

どっちの方法にしてもその所定の時間に作業するわけですから、作業の節約にはあまりならないわけだし@がいいんじゃないかな。

kinase inhibitorを用いたリン酸化の経時変化の評価 削除/引用
No.8768-1 - 2020/04/13 (月) 20:37:09 - 無名
平素より勉強させていただいております。
同様のトピックが見当たらなかったため、初めてですが作成させていただきます。

現在、とある細胞にReceptor tyrosine kinaseの阻害剤処理を行った際のリン酸化の経時変化を評価しようとしております。
対象とするたんぱく質はreceptor kinaseおよび下流のERKです。
処理時間は1, 3, 6, 12, 24時間を想定しております。

細胞を6 well plate(または40 mm dish)に播種し2日後に処理を開始するのですが
@0時間ですべてのwell (dish)の培地交換とともにinhibitor処理を行い、所定の時間経過後(1〜24時間後)にそれぞれsamplingを行う
Asamplingのタイミングが揃うように、添加するタイミングをずらし、24時間後にすべてのwellのsamplingを行う
の2通りのサンプリングが考えられるかと思います。

質問は、@、Aのサンプリング方法のいずれが正しい(妥当)のかという点です。

@の場合、処理のタイミングが同じのため、細胞の状態としてはwell間に差がないと考えておりました。
しかしながら、Aの方法でやるのが正しいという話も聞きます。

ご教示いただければ幸いです。

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