ノックインなどでガン遺伝子を発現し、数週から数ヶ月かけて内在性の腫瘍が誘導されるようなモデルならば、予防効果を見る場合は早期投与(明らかな腫瘍が見られる前に投与)になりますし、治療効果を見る場合はエンドポイントから逆算して投与時期を決定する事になるかと思います。マウスへの負荷を考えると、腫瘍が大きくなってエンドポイントに近い状況で投与開始するわけにはいかないので、早めに始める事になると思います。内在性の腫瘍の場合、体積計算は困難な場合が多く、画像評価も頻回に行うわけにもいかないので、腫瘍体積で標準化するのは難しいと思います。
ガン細胞株を皮下に注入するようなモデルの場合は、内在性のモデルと比べて増殖速度が速いので、大きくなる前に治療を開始しないと、治療効果が明らかになる前にエンドポイントに到達してしまうと思います。例えば、治療効果を見るのに1週から2週は必要な場合、腫瘍がかなり小さい時点で治療開始しないと、評価できないと思います。腫瘍自体の解析はエンドポイントのサンプルでできるので、大きな腫瘍でやる事になる場合が多いのではないでしょうか? 治療プロトコールを標準化する場合、注入細胞数を固定した上で、治療開始時期をそろえる形で合わせるのが普通のような気がします。 |
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