transgenicはもちろんtransgene、導入遺伝子から来ていて、「transgeneを持ったもの」という形容詞だな。宿主のゲノムに加えて外来の遺伝子を人為的に持たされたものだな。コピー数云々は手技の原理上たまたまそうなるというだけで本質的でない。
ノックアウト、ノックインというのは今じゃ学術用語のような扱いをされているようだが、もともとjargonというか俗語、業界内の隠語の類だということを意識して欲しい。もともとは狙った遺伝子を破壊するgene targeting 遺伝子標的法を、遺伝子を動けなくすることからknock-outカジュアルに表現されるようになった。単に動けなくするだけでなくレポーターなど外来の遺伝子を標的遺伝子に入れ込むのを、out の対してinだっちゅうことで、シャレでknock-inと表現され始めた。ちなみに人為的RNAiをknock-downと言い始めたのもシャレ。
手技にかかわらず、遺伝子を破壊するのをKnock-out、同時に外来遺伝子を入れ込むのをKnock-inというなら、CRISPRを使おうが、確率的な相同組換えを使おうが、knock-out/inでしょう。だけどそういったjargon一言で表現するより、実際に何をどうしてどうなったかをきちんと記載するのが誠実だと思います。
まあ伝統的に業界の人たちは、シャレが効いてるのがカッコいいと思う風潮があるようですけどね。Southernさんが発明したSouthern blot、そこからシャレで命名されたNorthern blot (RNA blot)、Western blot (immuno blot)、一時、South-westernやNorth-western、Southerncrossなんてのもあった。そんな例、まだまだあるはず。 |
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