半年まえから電子顕微鏡に関わる仕事をしています。
お聞きしたいことは試料作成の際よく使われるrOTO 法についていです。オスミウムによって、膜のコントラストの増強するということは理解できるのですが、化学的作用機序について詳細を教えていただければと思います。
よくあるプロトコルや試料作製の本をみると、オスミウムは不飽和脂肪酸の二重結合部(−C=C-)とエステル結合し、それにより膜に固定され、膜のコントラストが上がると書かれているのですが、ある論文を読んだところ、環状オスミン酸エステルは不安定であることから、すぐにイオン化され、酸化レベルVIの水溶性Os化合物である[OsO2(OH)4] 2-を生成し、不安定なOsVI化合物はOsO2になり、OsO2は非極性であるため、親油性である可能性が高く、膜に溶解することから膜内Osの堆積が促進される。と記載されていました。なるほどと思ったのですが、その後にTCH処理、されに再度オスミウム処理をした場合はどのような反応が起こっているのでしょうか。TCHは還元化オスミウムと酸化オスミウムのブリッジ的な役割をしていると言われていますが、ブリッジした後、オスミウムはどのような形で膜に蓄積しているのか......?
もう一つ、rOTO法の後に行うウランや鉛を使用したen blocも色々調べると結局何を染めているのかはっきりとした答えが導き出せません。
もし、お詳しい方がいらっしゃったら、これらの一連の化学反応などについておしえていただけると嬉しいです。 |
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