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なぜか転移酵素のKm、Vmaxが負の値を取る トピック削除
No.859-TOPIC - 2012/08/23 (木) 18:20:45 - mizukix20
酵素反応に詳しい方、同様の経験をお持ちの方、ご教授お願いします。

転移酵素反応における各基質に対して速度論的解析を行っているのですが、受容体基質、供与体基質ともにKm、Vmaxが負の値で算出されてしまい困っております。

大まかな条件は以下の通りです。

・酵素はsulfotransferaseの一種で、ホモログでは反応機構はピンポンバイバイ反応

・SDS-PAG上でシングルバンドまで精製したものを使用

・両基質とも一定濃度以上で反応を行うと基質阻害を起こすことが示唆されているため、
 基質は阻害の起こらない低濃度で反応を試行し、
 以下の測定法で基質大過剰条件化での値を推定している

・測定方法
 受容体基質濃度を固定し供与体基質濃度を振ったLBプロットを作製
 いくつかの受容体基質濃度でこれを行う(図1とする)
 供与体基質濃度についても同様のLBプロットを作製(図2とする)
 ピンポンバイバイ反応では平行線が得られる
 得られた各平行線のy切片はもう一方の図の基質大過剰時のLBプロットに対応するため、
 図1で得られたy切片の値を図2に再プロットする
 同様に図2で得られたy切片を図1に再プロットする
 再プロットから得られた直線から各基質におけるKm、Vmaxを求める

以上の手法で測定しているのですが、何度行っても再プロットから求めたy切片が負の値を取り、従ってKm、Vmaxが負の値となってしまいます。

どうにか正常なKm、Vmaxを求めたいのでどなたか解決法をご存知の方がいらっしゃればよろしくお願い致します。
 
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(無題) 削除/引用
No.859-11 - 2012/09/05 (水) 12:20:32 - mizukix20
>qq様

その通り、かなり辟易しております。
ここがある程度きちんとまとまらないと論文を書けないので…

>1/Y切片(Vmaxのようなもの@S2)をS2に対して直接プロットすると、飽和曲線が得られる
>Vmaxが負になると言うことは、この飽和曲線が途中で下に降下して、高濃度のS2では活性がなくなる
飽和曲線を作製してみたところプロットが途中で降下しました。
降下が始まるプロットの基質濃度から基質阻害が起きているのかな?

(無題) 削除/引用
No.859-10 - 2012/09/05 (水) 11:25:53 - qq
>とにかく単にデータの取り方が悪い、ということが第一に考えられますのでよりベターな測定法を考えたいと思います。
何か、お疲れな感じですね。でも、そんなはずはないね。データがプアだと、最初のところで平行線群は得られませんよ。あなたのデータはそこそこキレイなはずです。
1/Y切片(Vmaxのようなもの@S2)をS2に対して直接プロットすると、飽和曲線が得られるはずですね。
Vmaxが負になると言うことは、この飽和曲線が途中で下に降下して、高濃度のS2では活性がなくなると言うことになりますが、そうなのですか?

(無題) 削除/引用
No.859-9 - 2012/09/05 (水) 10:05:27 - mizukix20
>皆様
先ほどヘインズでプロットしなおしました。
しかし残念ながらまたしても負のKm、Vmaxが算出されてしまいました。

ここで「データの精度自体があまり良くない」ということが示唆されました。
というのは二基質のうちX軸に受容体基質濃度の逆数を取ったときのヘインズプロットでは
全体的に直線性が弱かったためです。
もう一方の供与体基質濃度をX軸に取った方ではそれなりの直線性が得られたのですが…。
とにかく単にデータの取り方が悪い、ということが第一に考えられますのでよりベターな
測定法を考えたいと思います。

何とも単純なミスで皆様の手を煩わせてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
加えて基質低濃度域での解析においていくつかの知見を与えてくださった皆様、
本当にありがとうございます。
非線形解析については、これから利用することがあるかもしれませんので勉強させていただきます。

>859-3様
資料の紹介ありがとうございます。参考にさせていただきます。

ヒル係数は見かけ上1のようです。

平行線になるかどうか、というご指摘ですが専門書から参考にしておりますので間違いないと思います。また文献上でもいくつか同様の内容が見られましたので勘違いということは無いかと。


>qq様
わざわざ調べていただき、恐縮です。

実際一般的な式はそれで正しく、Km、Vmaxの導出も間違いないと思います。
私が読んだ専門書にはX切片からのアプローチは書かれておらず、
Y切片 = (Km1/S1+1)/Vmax
Y切片 = (Km2/S2+1)/Vmax
の2つのプロットからKm1、Km2、Vmaxを求めておりました。

解決と呼べるかどうかわかりませんが上記のようにもっと初歩的な部分で考えなければならなかったようです。

(無題) 削除/引用
No.859-8 - 2012/09/03 (月) 12:46:33 - qq
いいかげんなこと言ったもんだから、こっちも勉強しちゃった。
一般的なpingpong22の式はこんな感じらしいです。
v = Vmax*S1*S2/(Km2*S1 + Km1*S2 + S1*S2)
1/v = 1/Vmax*(Km1/S1 + Km2/S2 + 1)
なるほど、平行になるのですね。
結局、もう一つの基質濃度が仮想的最大の時のKmやVmaxなので、どう転んでも値が負の数になるとは思えませんよね。
Km、Vmaxが負になるのは、secondary plotを間違えているからかなぁ?

1/v = 1/Vmax*(Km1/S1 + Km2/S2 + 1)
X = 1/S1, Y=1/v、とおくと
Y = 1/Vmax*(Km1*X + Km2/S2 +1)
Y切片 = (Km2/S2+1)/Vmax
X切片 = -(1 + Km2/S2)/Km1
これを適当にプロット(1/S2 vs Y切片, 1/S2 vs X切片)すると、Km1とVmaxが出るはずですね。1/S2 vs X切片からは、Km2も出てしまいます。
S2についても同様です。
もう解決してんじゃない?

(無題) 削除/引用
No.859-6 - 2012/09/01 (土) 12:48:56 - 859-3
 ピンポンではありませんが、この辺が手軽に入手できる資料かと思います。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/133/6/133_6_313/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/131/3/131_3_195/_pdf
非線形解析はエクセルでは(簡単には)できないのでご注意を。

 個人的な印象ですが、低濃度域しか使用できない場合は非線形解析でのVmaxの推定が怪しくなるのでヘインズを使用しています。また、ヒル係数が1でなさそうなときは線形解析はできないので、非線形解析しかないと思います。

 しかし、qq氏のいけんと同じですが、本当に平行線になるのでしょうか?
(疑っているわけではなくて、単純な疑問として)
平行線になるというのは2基質1生成物の単純な反応と勘違いしてるわけではなくて、専門書か何かに載っていたということでしょうか? その点はよく確認しておいた方が良いように思います。

(無題) 削除/引用
No.859-5 - 2012/08/31 (金) 15:31:48 - mizukix20
>皆様
まずは早速回答をいただけていたのにお返事遅くなってしまい申し訳ございません。

>qq様
図1、2ともそれなりにきれいな平行線を引くことができております。
立式は試みた経験がありませんので、これから試してみようと思います。

>^様、test様
そういえばLBプロットにはそんな弱点がありましたね。すっかり忘れてしまっていました。
まずはヘインズ試させていただきます。
ところで非線形解析についてなのですが、当方経験がありません。
よろしければ具体的な手法、もしくは論文、書籍やサイトなど教えていただけると幸いです。

(無題) 削除/引用
No.859-4 - 2012/08/25 (土) 04:54:34 - test
^様に賛成です。低濃度域だけの測定では、信頼性の高い値の算出は難しいように感じます。
平行線が得られたところでホモログと同じくピンポン反応を行っていると言う、
だけでは満足できないのであれば、やはり、^様が書いておられるように、どうにかして非線形解析をしてみるのがいいと思います。

(無題) 削除/引用
No.859-3 - 2012/08/24 (金) 12:49:06 - ^
当方転移酵素やピンポンの経験はありません。
個人的に気になるのは、低濃度域の誤差を拾いやすいLBプロットを低濃度域しか使用できない系に当てはめるのが適切なのか?と思います。 私なら非線形解析でvmaxを算出する。Km付近にも満たない低濃度域しか使用できないようならヘインズは使えないのでしょうか??

(無題) 削除/引用
No.859-2 - 2012/08/23 (木) 21:08:33 - qq
図1は、どんな形のプロットになって、図2はどんな形のプロットになったのですか?
元になる測定データは、そこそこ綺麗な値が出ているのですか?それとも、かなり弱いのですか?
もう忘れ果ててしまいましたが、
ping-pong bi-biって、
基質1をA、基質2をBとして、それぞれのKmをKa、Kbとすると、
Vmax/(Kb/B*(k0*(Ka/A + 1) + 1) + 1)
こんな式で良いのかねえ?
(でも、この式だと平行線にならないので違うんでしょうね)
ややこしい速度論は、ご自身で本気で式を立ててみられるのがよろしいです。
と言うのが私のsuggestionです。

なぜか転移酵素のKm、Vmaxが負の値を取る 削除/引用
No.859-1 - 2012/08/23 (木) 18:20:45 - mizukix20
酵素反応に詳しい方、同様の経験をお持ちの方、ご教授お願いします。

転移酵素反応における各基質に対して速度論的解析を行っているのですが、受容体基質、供与体基質ともにKm、Vmaxが負の値で算出されてしまい困っております。

大まかな条件は以下の通りです。

・酵素はsulfotransferaseの一種で、ホモログでは反応機構はピンポンバイバイ反応

・SDS-PAG上でシングルバンドまで精製したものを使用

・両基質とも一定濃度以上で反応を行うと基質阻害を起こすことが示唆されているため、
 基質は阻害の起こらない低濃度で反応を試行し、
 以下の測定法で基質大過剰条件化での値を推定している

・測定方法
 受容体基質濃度を固定し供与体基質濃度を振ったLBプロットを作製
 いくつかの受容体基質濃度でこれを行う(図1とする)
 供与体基質濃度についても同様のLBプロットを作製(図2とする)
 ピンポンバイバイ反応では平行線が得られる
 得られた各平行線のy切片はもう一方の図の基質大過剰時のLBプロットに対応するため、
 図1で得られたy切片の値を図2に再プロットする
 同様に図2で得られたy切片を図1に再プロットする
 再プロットから得られた直線から各基質におけるKm、Vmaxを求める

以上の手法で測定しているのですが、何度行っても再プロットから求めたy切片が負の値を取り、従ってKm、Vmaxが負の値となってしまいます。

どうにか正常なKm、Vmaxを求めたいのでどなたか解決法をご存知の方がいらっしゃればよろしくお願い致します。

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