Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

マンマルの細胞で作った分泌型のライガンドが機能しない トピック削除
No.8537-TOPIC - 2020/01/03 (金) 02:14:04 - レセプターとライガンド
とあるレセプターとそのライガンドについて研究しています。ライガンドは細胞外に分泌されるものです。

このライガンドはリコンビナントのものが売られており、これを今まで使ってきました。このリコンビナントのライガンドをレセプターを発現している細胞に添加すると、レセプターのリン酸化(Cell Lysateに対するWBで確認)が起こり、またレセプターとライガンドの結合も確認できます(セルライセートをレセプターに対する抗体で免疫沈降して、ライガンドに対する抗体でWBして確認。抗体と同種のIgGでIPしたネガティブコントロールではバンドは見られず)。

最近、このライガンドをマンマルの細胞で作成することに挑戦しています。まず、ライガンドの発現ベクターをHEK293細胞にトランスフェクションし、3日後に培養上清を回収してみました。実験のコントロールとして、空ベクターを発現させたものも準備しました。

得られた培養上清に対するWBをライガンドに対する抗体で行い、確かにライガンドが培養上清中に発現していることを確認済みです。また、ELISAキット(二種類)を使ってライガンドの濃度も計測しています。

このライガンド入り培養上清を細胞にふりかけてみたのですが、売られているリコンビナントでは見られたレセプターとの結合、レセプターのリン酸化が見られませんでした。複数回繰り返してみましたが駄目でした。

自分が使っているHEK293細胞の培養上清中に結合、リン酸化を阻害する何かがあるのかと疑って、空ベクターを発現させた培養上清と売られているリコンビナントの両方を同時にふりかけたこともありますが、阻害などされず、結合もリン酸化も見られました。

発現ベクターのシークエンスは複数回CDS部分を読んで確認しており、絶対に間違いはありません。また、このライガンドのマウスとヒトの2つのバージョンを作って実験しているのですが、どちらでも結合、リン酸化はみられませんでした(レセプターを発現している、振りかけた細胞はどちらでもヒトのモノですが、マウスライガンドがヒトレセプターにも結合しリン酸化を誘導することは知られている)。

マンマルの細胞で作ったライガンドが機能的にワークしていない場合、どんな理由が考えられるでしょうか?途方にくれています。同じような経験をされた上で問題を解決された方おられませんか?


自分が使っている、売られているリコンビナントはHEK293ではない別の細胞で作られたものとデータシートにありますが、別カンパニーではHEK293細胞で作成したものも売られており、(自分で実験したわけでは無いが)レセプターとの結合が確認されているとのこと。元々このライガンドが発見された時の論文でもHEK293細胞に発現ベクターをトランスフェクションして3日後に回収した培養上清を細胞にふりかけてレセプターとの結合、リン酸化を見ていました。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



11件 ( 1 〜 11 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.8537-11 - 2020/01/04 (土) 22:10:03 - おお
分泌するもの、膜蛋白や小胞、ゴルジなどに行くものは強い強制発現ではうまく行かない事が多々あるようです。

ベクターのプロモーターを変えるとか、一過性じゃなくStable cell lineをつくりうまく分泌できるものを得る手はあるかもしれません。まあ、取ってからだめだったという事もありえる結果なので、薬剤選択しながら他の模索もやったほうがいいでしょうけど。

血清に大量の拮抗するものがある可能性があるなら、血清抜きで回収したサンプルの活性は見ておいたほうがいいのかもしれない。

(無題) 削除/引用
No.8537-10 - 2020/01/04 (土) 11:41:23 - レセプターとライガンド
おおさん、核染色さん、引き続きありがとうございます。

>現象としてはとても面白いと思います。もちろんそういうことではないかもしれませんが...。
私も現象としては面白い(このシグナルを抑える新規の系の発見?はさすがに夢見過ぎか……)と思うのですが、おそらく予測されてる通り、本来の目的はライガンドの変異体を作って細胞に付加してどうなるかを見るというものなので、自分の作った系ではWild typeのライガンドでもレセプターにくっつかないでは話にならないので困っております。

取り敢えずは回収する時間を変えてみる、それと近くのラボの人にお願いして別の細胞に発現させてみる、使ってるリコンビナントを扱ってるカンパニーに駄目元で話を聞いてみる、等から試してみようと思います。もしなにか他に思いつかれたりしましたらよろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.8537-9 - 2020/01/03 (金) 10:23:47 - 核染色
現象としてはとても面白いと思います。もちろんそういうことではないかもしれませんが...。
ただ、私が疑問に思うことはほとんど示されており、大変優秀な方だなと私ですら思いますので、ひょっとしたらほんとに市販のものと何か決定的に異なるものがあるのかもしれませんね。
それ自体がテーマになるとも思います。

私も分泌タンパク質を調製していますが、COS7の培養上清から回収しています。

(無題) 削除/引用
No.8537-8 - 2020/01/03 (金) 06:09:28 - おお
>トリプシンまたはPKでPartial Digestion
血清が入った状態ならトリプシンよりPKを使うのが妥当。

(無題) 削除/引用
No.8537-7 - 2020/01/03 (金) 04:47:26 - おお
>なにか抑制するような蛋白が結合した状態で分泌された。

これに関しては硫安分画などで解決するかもしれません。

>細胞のキャパ以上の発現により糖鎖修飾やフォールディングなどが完結してなかった。

これに関しては(とくにフォールディングについて)、マイルドなトリプシンまたはPKでPartial Digestionをして分解パターンを活性のあるものと比較してみればわかる場合がある。

(無題) 削除/引用
No.8537-6 - 2020/01/03 (金) 04:06:47 - おお
>Non-ReducedコンディションでのWBは行ったことがあり、

べつにジスルフィド結合がなくても結合する様式があるわけだし、複雑なプロセッシングが関与しない限りジスルフィド結合がないほうが可能性として高いのでは?

(無題) 削除/引用
No.8537-5 - 2020/01/03 (金) 03:54:09 - レセプターとライガンド
>なにか抑制するような蛋白が結合した状態で分泌された。

そういう可能性もありえますか…。よくある例で、私が研究しているライガンドもダイマーを作るものです。Non-ReducedコンディションでのWBは行ったことがあり、その場合市販のリコンビナントと同じ高さのバンドが得られますが、100KDa超のバンドなので、その”抑制するような蛋白”が小さいものだったら判別はつかないです。また、Native PAGEは試したことが無いです。

(無題) 削除/引用
No.8537-4 - 2020/01/03 (金) 03:43:35 - レセプターとライガンド
核染色さん、おおさん、ありがとうございます

配列は全く同一です。タグは有り無し両方作りましたが、市販の物はタグがついています。タグとの間のスペーサーに関して、カンパニーに連絡してどうなってるか聞いて同じ(スペーサー無し)にしました。

続きとして書いてる途中だったのですが、培養上清に関していうと、FBS10%、1%、ゼロの3つの状態で作成しました。これをELISAにかけると、FBS10%のものはゼロに比べて10−15%程度高い濃度が結果として出ます。FBS由来のタンパク質に由来しているかもしれないし、単に細胞のタンパク作成能が高いからかもしれませんが、まあ10−15%程度の違いだからあまり深く考えずにいました。1%とゼロだとELISAの結果はほぼ同じですが、3日目となるとゼロでは細胞が半分程度死んでいます。60%コンフル程度でトランスフェクションして、FBSゼロが約50%、FBS1% が85−95%程度、FBS10%でOver Confluentというコンフルエンシーになっています。3日目まで待たず、2日目で回収しても良いのかもしれません。

>市販の組換えタンパク質を既知の量をHEK293培地に加え、それでもきちんとELISAで測定できるでしょうか?
これはまだ試したことがありません。やってみようと思います。
空ベクターを発現させた培養上清では、FBSが10%でもNDでした。

>同じような実験ですが、既知の量の市販のものとトピ主さんが調製されたものを隣同士でSDSPAGEし、抗体で検出した際に、同じ強さのバンドを認めることを確認されていますか?
これは確認しました。似たような強さのバンドになります。かなり強くシグナルが出るので、サッチっていて同じに見えるだけで、実際には半分以下、といったことはあるかと思い、一度半分量、10分の1量を流して比べたことがありますが、似たような強さのシグナルでした。

ライガンドを細胞に振りかける際、よく使われる濃度がX ng/mLですが、5X、10Xをふりかけても結合が見られることは報告されていて、自分でHEK293で作ったライガンドをこの量(X,5X,10X)に調整してやってもみましたが、結合は見られませんでした。市販のリコンビナントではどの量でも結合が確認できました。

>培養上清は何日目のものでしょうか?
3日目です

>目的の組換えタンパク質の分解や、トランスフェクション時に細胞が死んでいたりしませんか?
分解に関しては、市販のリコンビナントをWBのポジティブコントロールとして使っていますが、似たようなサイズのバンドが見られます。トランスフェクション時には細胞は死んでいませんが、FBSゼロではやはり3日目に細胞は死んでいました(ので、FBS1、10%でもトライし始めました)。

>あまりに死細胞がいると、きちんとフォールディングを受けなかったものや、部分分解されてしまっているもの、翻訳ご就職が適切ではないものが上清中に現れているかもしれません。それらをELISAでも検出してしまっているかもしれませんね。
>細胞のキャパ以上の発現により糖鎖修飾やフォールディングなどが完結してなかった。

出来る限り収量を上げたくて、3日目まで待っていましたが、もしかしたら2日目(場合によっては1.5日?)に回収すれば、そういった不完全なタンパクを拾わずにすみ、結合が見られるかもしれないと思い始めました。

(無題) 削除/引用
No.8537-3 - 2020/01/03 (金) 02:57:34 - おお
細胞のキャパ以上の発現により糖鎖修飾やフォールディングなどが完結してなかった。
なにか抑制するような蛋白が結合した状態で分泌された。

(無題) 削除/引用
No.8537-2 - 2020/01/03 (金) 02:44:18 - 核染色
市販されている組換えタンパク質と、トピ主さんの配列はタグも含めてまったく同一のものでしょうか?

また培養上清なので濃度も低いのかなと思っていましたが、ELISAでも測定されてるんですね。
そのELISAはFBS由来のタンパク質には反応はしないのでしょうか?

市販の組換えタンパク質を既知の量をHEK293培地に加え、それでもきちんとELISAで測定できるでしょうか?同じような実験ですが、既知の量の市販のものとトピ主さんが調製されたものを隣同士でSDSPAGEし、抗体で検出した際に、同じ強さのバンドを認めることを確認されていますか?

培養上清は何日目のものでしょうか?
目的の組換えタンパク質の分解や、トランスフェクション時に細胞が死んでいたりしませんか?
あまりに死細胞がいると、きちんとフォールディングを受けなかったものや、部分分解されてしまっているもの、翻訳ご就職が適切ではないものが上清中に現れているかもしれません。それらをELISAでも検出してしまっているかもしれませんね。

マンマルの細胞で作った分泌型のライガンドが機能しない 削除/引用
No.8537-1 - 2020/01/03 (金) 02:14:04 - レセプターとライガンド
とあるレセプターとそのライガンドについて研究しています。ライガンドは細胞外に分泌されるものです。

このライガンドはリコンビナントのものが売られており、これを今まで使ってきました。このリコンビナントのライガンドをレセプターを発現している細胞に添加すると、レセプターのリン酸化(Cell Lysateに対するWBで確認)が起こり、またレセプターとライガンドの結合も確認できます(セルライセートをレセプターに対する抗体で免疫沈降して、ライガンドに対する抗体でWBして確認。抗体と同種のIgGでIPしたネガティブコントロールではバンドは見られず)。

最近、このライガンドをマンマルの細胞で作成することに挑戦しています。まず、ライガンドの発現ベクターをHEK293細胞にトランスフェクションし、3日後に培養上清を回収してみました。実験のコントロールとして、空ベクターを発現させたものも準備しました。

得られた培養上清に対するWBをライガンドに対する抗体で行い、確かにライガンドが培養上清中に発現していることを確認済みです。また、ELISAキット(二種類)を使ってライガンドの濃度も計測しています。

このライガンド入り培養上清を細胞にふりかけてみたのですが、売られているリコンビナントでは見られたレセプターとの結合、レセプターのリン酸化が見られませんでした。複数回繰り返してみましたが駄目でした。

自分が使っているHEK293細胞の培養上清中に結合、リン酸化を阻害する何かがあるのかと疑って、空ベクターを発現させた培養上清と売られているリコンビナントの両方を同時にふりかけたこともありますが、阻害などされず、結合もリン酸化も見られました。

発現ベクターのシークエンスは複数回CDS部分を読んで確認しており、絶対に間違いはありません。また、このライガンドのマウスとヒトの2つのバージョンを作って実験しているのですが、どちらでも結合、リン酸化はみられませんでした(レセプターを発現している、振りかけた細胞はどちらでもヒトのモノですが、マウスライガンドがヒトレセプターにも結合しリン酸化を誘導することは知られている)。

マンマルの細胞で作ったライガンドが機能的にワークしていない場合、どんな理由が考えられるでしょうか?途方にくれています。同じような経験をされた上で問題を解決された方おられませんか?


自分が使っている、売られているリコンビナントはHEK293ではない別の細胞で作られたものとデータシートにありますが、別カンパニーではHEK293細胞で作成したものも売られており、(自分で実験したわけでは無いが)レセプターとの結合が確認されているとのこと。元々このライガンドが発見された時の論文でもHEK293細胞に発現ベクターをトランスフェクションして3日後に回収した培養上清を細胞にふりかけてレセプターとの結合、リン酸化を見ていました。

11件 ( 1 〜 11 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。