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相互作用タンパク質の同定でプルダウン法についての質問です。 トピック削除
No.8502-TOPIC - 2019/12/17 (火) 02:28:10 - PD
ある興味あるタンパク質があります。
これに相互作用するタンパク質を同定したいのですが、これまでにそういった実験は行ってきませんでした。

同じようなことをされてる論文を検索し、いくつかのやり方があり、ご意見を聞かせていただけたら幸いです。

まず、細胞のライセートを元手に、

1. 抗体とプロテインA/Gビーズで興味あるタンパク質をプルダウンし、洗浄後にSDSサンプルバッファーで溶出(この場合、溶出液に免疫沈降に使用した抗体が含まれてしまいます)

2. 抗体をNHS-activated agaroseに架橋し、そのビーズを用いてプルダウンし、洗浄後にSDSサンプルバッファーで溶出(この場合、免疫沈降に使用した抗体は含まれないでしょうが、それでも非特異的にビーズに結合したものが含まれれてしまいます)

3. 抗体とプロテインA/Gビーズ(もしくはNHS-activated agaroseに架橋させ)で興味あるタンパク質をプルダウンし、その後、その抗体が認識するペプチドで競合溶出する。(この場合だと、溶出液に抗体が含まれることも、ビーズに非特異的に吸着したものも含まれてこない一方、競合ペプチドは大量に含まれます。)


質量分析で同定したいと思っています。
この免疫沈降法で行う場合、3が最もしっくりきます。
いい論文も3でトライしているのを見ました。

みなさんはどうお考えでしょうか?
 
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(無題) 削除/引用
No.8502-5 - 2019/12/17 (火) 11:22:40 - PD
asanさん、大変詳しくありがとうございます!
15 cm dish 1枚が基本とのことで、そのような具体的な数字を出していただけて、あまり気構えることなく入念に実験を組めそうです。

ご相談させていただいて、よかった・・・です。
ありがとうございます!!

(無題) 削除/引用
No.8502-4 - 2019/12/17 (火) 10:28:52 - asan

>asanさんが上記の実験をノックイン細胞にて行う場合、15cmディッシュを10枚やそれ以上用いられるのでしょうか?その場合、細胞の可溶化や免疫沈降のスケールはいかほどでやられていますか?

私が見た論文では、10cmディッシュを30枚からプルダウンしたと書かれてありました。


ノックイン細胞はあんまり詳しく無いですが、wholeのlysateを用いてタグで釣るなら15 cm1枚程度が基本だと思います。 条件検討するなら、一度銀染色してみて全面である程度バンドがみえるなら(ネガコンとの細かい差はとりあえず気にしなくていい。どうせみてもわからないから)十分なんかしらはみえるともいます。

ノックインの場合は、baitの発現量が問題になる場合もあるので、それなら正直ノックアウト細胞を作ってそこにWTを量をコントロールして戻した方が楽だったりします。

10cm 30枚というかそれこそmg単位のペレットから用意するのは多分核や特定のオルガネラタンパク質を分画するケースなら必要になります。

もちろん、マススペックの違いとか、方法論にもよると思いますが通常のnano LCでorbitrapやTOFMSで同定するなら今時そんなにいらないと思います。

(無題) 削除/引用
No.8502-3 - 2019/12/17 (火) 05:44:48 - PD
asanさん、
大変丁寧なそして経験に基づいたコメントをくださり、ありがとうございました。

大量のコンタミはMSにダメージを与えることにもなりかねないことを知り、とてもびっくりしました。


”個人的な経験も含めて一番楽かつ確実なのは、HAやFLAGtagをかませた過剰発現またはノックイン細胞株を作ってしまって、M2ビーズやHAtagのビーズ(シグマーなどで売ってる)でキャプチャー、”

asanさんが上記の実験をノックイン細胞にて行う場合、15cmディッシュを10枚やそれ以上用いられるのでしょうか?その場合、細胞の可溶化や免疫沈降のスケールはいかほどでやられていますか?

私が見た論文では、10cmディッシュを30枚からプルダウンしたと書かれてありました。

つまり、ディッシュの量や大きさ、細胞溶解バッファーの量、プルダウンの時間やスケールにつき、お時間ありましたら参考までに聞かせてくださると幸いです。


あと、ノックイン細胞とは違いますが、テトラサイクリン系で誘導される系を過剰発現系の代わりに使っている論文も見ました。やはり発現されたものが機能的である可能性が高いのでしょうか?

質問を重ねてしまい恐縮ですが、asanさんのコメントは大変勉強になりました。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.8502-2 - 2019/12/17 (火) 05:31:46 - asan


基本的には、この手の実験は依頼先がどういうリードアウトのサンプルを測定することに慣れてるかにもよるので、実験をする前にいくつかのオプションと先方の好みを伺ったほうがいいと思います。


個人的な経験も含めて一番楽かつ確実なのは、HAやFLAGtagをかませた過剰発現またはノックイン細胞株を作ってしまって、M2ビーズやHAtagのビーズ(シグマーなどで売ってる)でキャプチャー、ペプチド溶出(非特異的溶出+igGを避けえる)後、ネガコン、ポジコンを銀染色またはCBB染色して、全面を何個かのフラクションに分けて同定する方法。

銀染色をかませられるので、途中経過のコントロールが用意、エンドの抗体の良し悪しに影響されにくいし実証済みであるプロトコールなどの理由です。


あえて、エンドでやる場合は、ビーズに抗体をクロスリンクして酸で溶出後脱塩してシングルで解析するか、サンプルバッファーで溶出後銀染して、IgGの持ち込みの場所は除いて解析するかでしょう。いずれもやれないことはないが、よくわかってない人がやると、ビーズや界面活性剤の持ち込みのリスクもあるし、クロスリンクの甘さやSDS-pageの分離の限界から除いたつもりでも結構な量のIgGを持ち込む可能性もあるのでマススペックの管理者によっては嫌うかもしれません。


基本的に、質量分析機はIgGなどの同じものの大量のコンタミや、界面活性剤、ビーズなどの不溶性のゴミなどを持ち込むと感度低下やメンテになったりして面倒なので、その辺の扱いはちゃんと依頼先に確認してからサンプルを出した方がスムーズにいくと思います。

やり方は、どれも正攻法であるので、一概には言えないです。

相互作用タンパク質の同定でプルダウン法についての質問です。 削除/引用
No.8502-1 - 2019/12/17 (火) 02:28:10 - PD
ある興味あるタンパク質があります。
これに相互作用するタンパク質を同定したいのですが、これまでにそういった実験は行ってきませんでした。

同じようなことをされてる論文を検索し、いくつかのやり方があり、ご意見を聞かせていただけたら幸いです。

まず、細胞のライセートを元手に、

1. 抗体とプロテインA/Gビーズで興味あるタンパク質をプルダウンし、洗浄後にSDSサンプルバッファーで溶出(この場合、溶出液に免疫沈降に使用した抗体が含まれてしまいます)

2. 抗体をNHS-activated agaroseに架橋し、そのビーズを用いてプルダウンし、洗浄後にSDSサンプルバッファーで溶出(この場合、免疫沈降に使用した抗体は含まれないでしょうが、それでも非特異的にビーズに結合したものが含まれれてしまいます)

3. 抗体とプロテインA/Gビーズ(もしくはNHS-activated agaroseに架橋させ)で興味あるタンパク質をプルダウンし、その後、その抗体が認識するペプチドで競合溶出する。(この場合だと、溶出液に抗体が含まれることも、ビーズに非特異的に吸着したものも含まれてこない一方、競合ペプチドは大量に含まれます。)


質量分析で同定したいと思っています。
この免疫沈降法で行う場合、3が最もしっくりきます。
いい論文も3でトライしているのを見ました。

みなさんはどうお考えでしょうか?

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