教科書的には3'末端が1塩基でも存在するとPCRはかからないというのが一般的ですが、実際には3'に多少の末端がついていてもPCRはかかることはあります。
これが、primer合成時の残存エラーのせいなのか走りませんが、現実的にはあります。
1つはこれをさけるためにはできるだけ3'の特異的な部分のを長くしてミスプライムしないようにすることは大きく効果的です。現実的には数100bpsのPCRプロダクトをプライマーとして使ってPCRをかけることも可能なので、40-50bps程度のプライマーは全く問題なく、長くなればなるほど、おそらく初期の段階では3’側のプライミングによってPCRがかかることになると思うのでエラーは起きにくくなると思います。
iPCR(という呼び方が正しいかしりませんが)は、数十bpのhomology末端が大腸菌の修復機構によって修復されることで成立する(と思われます)から、修復末端付近に共通配列があるとそれを抜かしてしまってる可能性は十分あります。複数のクローンをってそれが優位にでるということは、少なくともそういう修復が優位に行われているのでしょう。
個人的にやるなら、primerを長めのものに作り直して、1kbの部分が末端になるようにずらして作製します。ちなみに、この方法の欠点はprimer同士のセルフハイブリダイゼーションが起きやすいことが決定的になるので、トリックとして3'の部分をfoward reverseで5-10塩基ぐらいずらしてやったほうが成功しやすいです。変異を入れる場所はできるだけホモロジーのある部分で前後のノリを十分に取ったほうがいいです。Taの温度は50度はさすがに低すぎるので、55℃ぐらいにはした方がいいです。鋳型は10-50 ng程度で15cyclesも回せば通常は十分でしょう。 |
|