蛋白の変性と調製している間の変化など少し整理して考える必要があると思います。
個人的にはTCAで処理するのもサンプルバッファーで処理するのもそんなに蛋白の分解やリン酸化の変化に差があるとは感覚的に思えないです。SDSは強力なタンパク変性剤である程度の量存在するだけでかなりの蛋白が不活性になるでしょう。もちろん即座に加熱することでよりその効果を高める事ができるでしょう。どうしてもSDSをつかったLysisでも蛋白分解、脱リン酸化が気になるならProtease inhibitors とPhosphatase inhibitorsを加えておくといいです。私は変性状態で蛋白を回収するときはHot lysis buffer(1%SDS、Tris HCl pH 8)を使い必要なら上記のInhibitorsを加えてます。これであればSample bufferと違って蛋白定量が容易ですので。
またSDSやTCAを使わなくとも、Protease inhibitors inhibitorsを使っていればそんなに心配でもないと思います(勝手な感覚ですが)。一番心配なのは刺激に対する反応が早い場合で、PBSで洗っている間にある程度進行してしまうのではないかとかそういうことだと思います。冷やしたPBSも温度的な刺激になる可能性もありますし。室温のPBSでも培養していた状態から変化するのは間違えないし(よく酸素濃度の変化でHif1などの検出に再現性が取れなくなるとか聞きます)。
TCAはそういう点では優れた方法ですが個人的にはTCAで得られた沈殿を再溶解するときにばらつきが生じることが多く(例えばあまりうまく溶かせてないときはアクチンが均一でもほかが溶けてないとか)、使いにくいなという感覚はあります。まあうまくワークしている人もいるようなのでやって様子を見てみてみればいいかとおもいます。 |
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