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大腸菌の形質転換やその後の複製で変異が入る確率
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No.8473-TOPIC - 2019/12/05 (木) 17:20:19 -
KK
いつもお世話になっています。
大腸菌の組換えについて、皆様のご経験を伺わせて頂きたく、質問いたしました。
大腸菌を用いて発現プラスミドを構築する際、PCRで増やした断片は、PCRで変異が入る可能性があると考えて、プラスミドを取った後にはシーケンスで配列を確認していました。
一方、プラスミド由来の断片(プレップしたプラスミドを制限酵素でカットした断片)には変異が入ることはそれほどないと考え、プラスミドの全長をシーケンスはせずに、できたプラスミドを1カットしてサイズだけ確認していました。
ところが最近構築したプラスミドで、プラスミドに由来する箇所に点変異の入ったクローンが多数取れてしまいました。
それも、同じプレートから生えてきているクローンなのに、変異が入った箇所もクローンごとに異なり、変異が入る率も、10クローンとって8は入っているという印象です。
プラスミドの全長をシーケンスしていないのですが、1000 bpくらい読んで、1か2の変異が入っている感じです。
PCRでさえ、最近はポリメラーゼの正確性が高いので、こんな率で変異が入るイメージはないのに、ましてや制限酵素で切り出した断片を組込んでいるのに、と驚いています。
配列を見た限り、特定の塩基に偏っているとか、特殊な構造を取るとは思えない、普通の配列でした。
勉強不足で知らなかっただけで、トランスフォームや、その後の複製の段階で点変異が入ることはよくあることなのでしょうか?
皆様のご経験をお聞かせ頂ければと存じます。
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納得いたしました
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No.8473-8 - 2019/12/10 (火) 17:25:36 -
KK
おおさん、ちきさん、引き続きありがとうございます。
おおさんが提示してくださった論文に、市販のGibson assemblyの酵素はnon-proofreadingだからsingle-nucleotide polymorphismが多いと記載がありました。
納得です。
SLiCEも変異の経験がおありなのですね。
SliCEは原理は不明な点もあるけれどred recombination likeな方法だと聞きました。
polymeraseで埋めていくGibsonよりは変異の可能性が低いかもしれませんね。
ご意見をお聴きする中で、スレッドのタイトルである、形質転換より後に変異が入る、というのは頻度は低く、少なくとも本件に関しては誤った認識であるという結論に至ることができましたので、解決とさせて頂きます。
どうもありがとうございました。
(無題)
削除/引用
No.8473-7 - 2019/12/06 (金) 19:11:32 - ちき
In-fusionで変異が入り易いことがある、という話は先日出ていましたね。自分は専らSLiCEですが、一度だけ、ひろったクローン全部に変異があった経験があります(といっても2つ中2つですが)。それもクローニングサイトから100bpぐらいの位置だったような。
(無題)
削除/引用
No.8473-6 - 2019/12/06 (金) 18:02:36 - SYBR master
>[Re:5] KKさんは書きました :
> 後出しで申し訳ないのですが、ligationはNEBのGibson Assemblyを使用しているので、それが原因かもしれないと考えはじめました。
Gibson Assemblyで変異が入りやすいことがsynthetic biology関連の論文で報告されていたと、読んだ論文探したのですが、たぶん、これかな。
doi.org/10.1021/sb4001992 | ACS Synth. Biol. 2014, 3, 97−106
大腸菌の株
削除/引用
No.8473-5 - 2019/12/06 (金) 12:21:12 -
KK
おおさん、ちきさん、ありがとうございます。
大腸菌の株はDH5αで、TAKARAから購入しました。
方法はヒートショックです。
ゲルからバンドを切り出すときは、染色やUV照射はしていません。
参照レーンだけにUVをあてながら、水平に切り出しています。
C>Tという傾向も特にみられません。
改めて見てみると、場所は違えどA>Cの変異がほとんどだと気づきました。
シークエンスは、波形がきれいだったので裏からは読んでいません。
裏から読む必要がありそうですね。
確率について論文のご提示ありがとうございます。
読んでみます。
お二人の文意から、通常の実験条件でtransformation後に変異が起こるとは、ご経験としてはあまり考えていらっしゃらないということですよね。
そのような、経験豊かな方々の感覚を知りたかったので、ありがたいです。
ちきさんのご指摘のように、ヘテロなものを入れている可能性が高いですね。
変異クローンの再transformをしてみたいと思いますが、指導している大学院生に実験させているので、すぐに結果をお知らせできないかもしれません。
後出しで申し訳ないのですが、ligationはNEBのGibson Assemblyを使用しているので、それが原因かもしれないと考えはじめました。
Gibson Assemblyは、PCR断片をつなぎ合わせるのが推奨なのだと思いますが、制限酵素で切り出した断片も使えるので、長くてPCRエラーが懸念される場合には切り出した断片を使っています。
これまではそのような現象は起きていなかったのですが、Gibson Assemblyでは5'端をexonucleaseで削り込むので、それが原因かもしれません。
末端から100bp以上離れている場所だったので、そこまで削ると思わなかったのですが、原理的には、いくらでも削るだろうと思います。
(無題)
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No.8473-4 - 2019/12/06 (金) 04:43:08 - おお
確率という話なら
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22404288
https://www.thermofisher.com/us/en/home/brands/thermo-scientific/molecular-biology/molecular-biology-learning-center/molecular-biology-resource-library/thermo-scientific-web-tools/pcr-fidelity-calculator.html
(無題)
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No.8473-3 - 2019/12/05 (木) 19:26:00 - ちき
普通に考えて、transformation後にmutationが入ったのではなく、切り出した段階でheterogeneousだった可能性のほうが高いと思います。あるいは、おおさんのおっしゃるように何らかのDNA damageか。
transformation後の短い培養時間でmutationが入る可能性を考えているなら、10クローン中2クローンの正しいプラスミドで再度形質転換して、クローンを調べればいいのでは。
UVの場合、C->TとかCC->TTなどのsignatureがあるはずですが、それはどうでしょうか?
(無題)
削除/引用
No.8473-2 - 2019/12/05 (木) 18:30:04 - おお
お使いの大腸菌株を教えてください。
エチブロでFragmentを検出して切り出しているなら、照射時間なども気になるところですが、、、
>1000 bpくらい読んで、1か2の変異が入っている感じ
大腸菌に入ってからそれぐらい変異が入るなら、取れたプラスミドの自身がヘテロで読めなくなっている事があるんじゃないかなと思ってしまいますが、、、
シーケンスは生のデーター(波形などのチェックとか)しましたか?裏から読んでも一致してますか?
大腸菌の形質転換やその後の複製で変異が入る確率
削除/引用
No.8473-1 - 2019/12/05 (木) 17:20:19 -
KK
いつもお世話になっています。
大腸菌の組換えについて、皆様のご経験を伺わせて頂きたく、質問いたしました。
大腸菌を用いて発現プラスミドを構築する際、PCRで増やした断片は、PCRで変異が入る可能性があると考えて、プラスミドを取った後にはシーケンスで配列を確認していました。
一方、プラスミド由来の断片(プレップしたプラスミドを制限酵素でカットした断片)には変異が入ることはそれほどないと考え、プラスミドの全長をシーケンスはせずに、できたプラスミドを1カットしてサイズだけ確認していました。
ところが最近構築したプラスミドで、プラスミドに由来する箇所に点変異の入ったクローンが多数取れてしまいました。
それも、同じプレートから生えてきているクローンなのに、変異が入った箇所もクローンごとに異なり、変異が入る率も、10クローンとって8は入っているという印象です。
プラスミドの全長をシーケンスしていないのですが、1000 bpくらい読んで、1か2の変異が入っている感じです。
PCRでさえ、最近はポリメラーゼの正確性が高いので、こんな率で変異が入るイメージはないのに、ましてや制限酵素で切り出した断片を組込んでいるのに、と驚いています。
配列を見た限り、特定の塩基に偏っているとか、特殊な構造を取るとは思えない、普通の配列でした。
勉強不足で知らなかっただけで、トランスフォームや、その後の複製の段階で点変異が入ることはよくあることなのでしょうか?
皆様のご経験をお聞かせ頂ければと存じます。
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