薬物処理していないサンプルに限定して、お示しの3つの方法で処理した場合、その膜タンパク質のウエスタンでの検出はどうなりますか?
加熱還元の条件下では、想定されるサイズのバンドが見られますか?
加熱非還元の条件下では、そのバンドのサイズが変わりますか?
変わるのであれば分子間ジスルフィド結合によるホモあるいはヘテロ2量体(あるいは多量体)が形成される可能性を考えますが、そのような事が知られている膜タンパク質ですか? この場合、タンパク発現量の評価目的であれば、還元条件でウエスタンする方が良いと思いますが、2量体化への影響を見たいのであれば、非還元でのウエスタンが役立つかもしれません。
サイズは変わらないけど、バンドの強さが変わるのであれば、抗体が結合するエピトープが、還元あるいは非還元状態に依存して露出する可能性(例えば、分子内ジスルフィド結合によりエピトープがマスクされる場合は、非還元でバンドが弱くなる)を考えます。この場合は、バンドがより強く出る条件を選択すべきと思います。
もし還元、非還元でサイズやバンドの強さが変わるのであれば、加熱による影響を見るのに「非加熱、還元」の条件も加えたほうが良いかもしれません。無処理のサンプルでウエスタンの条件を設定してから、薬物処理サンプルとの比較を行うと、結果を理解しやすいかもしれません。
私も、7回膜貫通型受容体のウエスタンで泥沼にハマり、最終的にウエスタンを諦めた経験があります。加熱で凝集する場合はウエスタンに固執せず、他の方法も模索した方が良いかもしれません。 |
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