一般的な事かきます。こころあたりあれば検討ください。
10μgはミニゲルサイズなら標準的ですしアクチンが検出できてるならば技術的なミスではないとおもいます。western blottingをはじめとして、蛋白質の分析はケースバイケースのことも多く、また結果を左右する要因もいろいろ複雑で、うまくいくときもありますがそうでないときのほうが多いです。このへんの対処はかなり経験的なことでも変わってくるので、慣れていないと困惑する人は多いです。
ありあそうな原因を挙げます。
1. みたい蛋白質の抽出蛋白質試料中の相対的な存在量がもともとすくなくて、検出できないとか。ECLも抗体も万能ではなく検出限界があります。それを下回れば検出できません。
いきなり細胞から総蛋白質を抽出するのでなく、可溶化溶液を変えて何段階かで抽出してそれぞれの画分をしらべてみる。たとえば、界面活性剤なしの低張BUFFER抽出(上清回収、沈殿を次ステップへ)→非イオン性界面活性剤入りBUFFER(上清回収、沈殿を次ステップへ)→SDS-SAMPLE BUFFER(粘性高いとおもうので、超音波処理併用)みないな感じ。
2. 抗体がまずい。残念ですがたぶん一番よくあります。メーカーを変えて買い換えましょう。論文などでの使用実績の高いものがいいですね。高額だからよいとは限りません。20000円前後でもいいものは1年以上ふつうに使えてます。
抗体の問題はユーザー側がどう工夫しても解決できませんのできになるならばはやいほうがいいです。
合わせてpositive controlなどが手にはいればよいのですが。
3. 抗体の保管状態の問題。
凍結融解の反復や不適切な保管状態(希釈して保管、霜取り付きフリーザーやドアの手前に置くなどの予期せぬ凍結融解)は抗体を失活をまねきます。抗体はもともとは精製したものは室温で1晩くらいおいても影響ないような、1-2年はふつうに使えるようなわりと丈夫な蛋白質ですが、凍結融解には弱いです。それまで使えてたものが一旦失活がはじまると非常に急激におかしくなります)
4. 反応条件
とても少数ではありますが抗体によっては、特定の条件(還元不可とか)や添加物(CaCl2など)を必要とするものもあります。添付文書や論文を注意して確認ください。westernには使えない抗体もしばしばあります。めーかー添付文書の抗体情報を確認ください。
5.試料調製方法や保存の問題
みたいものが、試料中にないということもよくあります。いまの可溶化液の組成でみたい蛋白質が抽出できるのかどうか検討下さい。無差別にほぼ全蛋白質を抽出するような最終濃度で1〜2%のSDSを含むbufferで直接抽出してみる等も検討下さい。保存中の分解も注意し小分けするなどして凍結融解の反復は避けましょう。
6.疎水性蛋白質や強塩基性蛋白質
いずれも比較的レアケースではありますが、これらは、しばしばwestern bollingでの検出がむずかしいことがあります。
膜蛋白質等のうちとくに疎水性のつよいものは加熱処理でsds存在下であっても凝集不溶化するものがあります。きちんと溶けないことにはゲルに入りませんので泳動されません。こころあたりがあるならば、加熱処理なしでやってみてください。強塩基性蛋白質のなかにはうまく転写されにくいものがあります。そのようなものについてはCAPS bufferのような転写bufferがあります。
7. 高分子量蛋白質の場合、転写様式の問題。
いまセミドライ式つかってるならばwet式にしてみる。転写時間が長い事もありとくに高分子量領域が後者の方がいい感じでしっかり転写されてるようなきがします。 |
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