タンパク質の多くは無色ですので、そのままでは目で見えません。CBB(ゲルの染色には通常、CBB-R250が使われますがCBB-G250を使用する場合もあります)という色素はタンパク質と結合して、これを青色に染めて目で見えるようにします。ゲルのタンパク質の検出法としては昔からあるおそらくもっともスタンダードな方法でかつ、費用もかからず実験操作上も簡単なので汎用されています。検出限界はおよそ10ng前後と言われています。ゲル1レーンに流したタンパク質抽出液の中で、これを越える存在量を持つタンパク質は理論的には青く染まって目で見ることができます。この色素は一応、良好な定量性を持って結合するので、バンドの濃さは量を反映していると推定できます。もちろんタンパク質の性質は個々に異なるので、中には染まりやすいもの、染まりにくいものもありますので、例外もありますが、大体はそんな感じです。
精製等していない、組織や細胞の抽出物を1次元のSDS-PAGEしたゲルのCBB染色の場合、同じ分子量位置に(多いものだと数十個<の)複数のタンパク質が重なっているのが普通なので、必ずしもバンド1本=特定のタンパク質1個とはなりません。
検出感度以下のものは染まりませんので、CBBで染まってるものだけが全てではありません。むしろ検出限界以下の微量タンパク質の種類の方がはるかにたくさんあるのが普通です。
なお最近は検出感度を高める工夫のされたCBB染色液もいろいろ市販されています。中には銀染色(CBB染色よりも高感度でより微量のタンパク質が検出できる方法)に近い感度のものも、MSの分析に適したもの、などいろいろあるようです。 |
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