標的mRNAのサイズはいかほどでしょうか。
今ではかなり改良されてきていますが、逆転写酵素はそれほど伸長性が良くなく、鋳型の二次構造に弱い。oligo dTでプライミングして完全長、あるいほそれに近いレベルのcDNAを得るのは時として難しいことがあります。5’末端側が欠損するのは良くあること。足りないところをランダムプライマーでの逆転写したcDNAから5‘ RACEで取得して、つなぎ合わせるなんてこともよくやられます。最近じゃ、完全長cDNAを選択的に得る方法もいくつかあります。
あといくつか疑問点としては、
・実験の目的として、UTRを含めた全長は必要なのか?
・5’ UTRであるという情報の出元やそのエビデンスは? 系統の違いによる配列の多型、標的組織の違いによるスプライスの多様性などがある可能性は排除できるのか?
どうしても完全な5’ UTRも欲しいというなら、先に述べたような方法で、配列情報に依存しないで自前で取得するのがいいかも。それは参考にした配列情報とは違うバリアントかもしれない。 |
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