MTAで共著にしてくれ、という話なら利用してその結果論文がでたなら共著にするべきですが、利用すらしてないというかそれを用いたデータすらないのに共著にするというのはギフトアーサーに近いので普通はその共同研究に関する結果ではうまくいかなかったという話になって終わるでしょう。
共同研究でマテリアル等を供与されてお蔵入りする実験なんて腐るほどあるので、実際にそもそも忙しくてやるのをやめたという話を含めてそういうことだったと思われるだけの話だと思います。もちろん、分与をお願いする場合は簡単な研究目的とどういう研究に使うかを提示した上でお願いすると思うので、その研究以外の目的で勝手に場合はものによってはルール違反になると思います。もらうだけもらって、理由もなしに同じ実験を別のベクター(自作)等でやった場合はグレーではありますが、供与元が見たらいい気分にはならない可能性はありますので、普通は配慮したりするかと思います。
引用に関して言えば、そのベクターを全く用いなくて研究方針が変わったというならともかく、ある程度検討したけど思ったような結果が出なかった(ネガティブデータ)ので結果的にデータを完全に省いたという場合はルール的には微妙ではあります。ただ、わざわざ送ってくれたので感謝してるというならその気になればマテメソでもなんでも少し強引にその論文を引用することは可能かとは思います。有益なネガティブデータならサプリに入れてもいいぐらいですしね。
全く同じ用途のベクターを複数の場所に依頼して、都合のいいものだけを利用しようというのはやり方としては完全に間違いとは言いませんが、そもそも共著を求められるようなレベルのもので複数のラボを選別するのを前提で共同研究(=共著)を依頼するというのはやや紳士協定的なものに欠けるような気はします。
極論言えば、複数のラボが同じジェノタイプのマウスを同時期に作成したのに、お互いに共著にするからと、両方もらってどっちかを使って片方のみと一緒に論文を書くようなもんです。 |
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