Bio Technical フォーラム

  • バイオ関連の実験をする上での、試薬、機器、プロトコールなどの情報交換の場です。
  • 新しいテーマで話を始める場合、質問をする場合は「新しいトピックを作る」から書き込みをしてください。
  • 質問に対して解答できる方は是非、書き込んで下さい。
  • このフォーラムにふさわしくないと管理人が判断した投稿は予告なく削除します。

新しいトピックを作る | トピック一覧 | 研究留学ネットに戻る

ひとつ前のフォーラム(readのみ)

このスレッドをはてなブックマークに追加このスレッドをはてなブックマークに追加

酵母のガラクトース誘導 トピック削除
No.8106-TOPIC - 2019/07/25 (木) 11:48:40 - わわわ
こんにちは。いつもお世話になっております。

酵母(S.cerevisiae)の培養について詳しい方に教えたいただいことがあります。以下、実験系の説明です。

pYes2 vectorのGAL1プロモーターの制御下にストレス耐性遺伝子を導入し、酵母を形質転換しました。GAL1プロモーター制御下のストレス耐性遺伝子の効果により、酵母の生育がどれほど向上するかを観察することが目的です。

SC-Ura(C源はグルコース)のプレートに生えたコロニーをSC-Ura(C源はグルコース)に植菌し、24時間30℃で前培養しました。
この時点で、OD₆₀₀は9.0くらいでした。
その菌体を遠心してPBSバッファーでWashし、OD₆₀₀が0.4となるように調整してSC-Ura(C源はガラクトース)で本培養しました。
ですが、本培養してからはODがほとんど上がりません。24時間たっても値はあまり変わりませんでした。

C源がグルコースの時の前培養のときは元気に生育していたので、原因がよくわかりません。ガラクトース誘導培地に植え替えたとたんに生育が悪くなります。
似たようなことを経験した方がいましたら、アドバイスしていただきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
- このトピックにメッセージを投稿する -



10件 ( 1 〜 10 )  前 | 次  1/ 1. /1


皆さま、本当にありがとうございました! 解決済み 削除/引用
No.8106-10 - 2019/08/19 (月) 14:02:28 - わわわ
こんにちは。
ご報告が遅くなってすみません。ガラクトースでの酵母培養がうまくいかないという問題が解決しました。
アドバイスをしてくださった皆様、本当にありがとうございます。私一人では実験が進まなかったので、とても助かりました。ストレス耐性遺伝子の発現誘導による生育差がでたgrowth曲線を得ることができました。


同じような実験をする方がいるかもしれないので、以下に私が試した方法を整理して記載します。


@プレートからコロニーをピックアップし、SC-Ura(2%ラフィノース)で振盪培養する(30℃、overnight)

ASC-Ura(2%ラフィノース)にOD値が5〜6程のタイミングで何度か植え継ぐ。
(この操作により、なるべく多くの酵母菌を、生存している且つ対数増殖期である状態に安定させることが目的。細胞の生存率はメチレンブルー染色して顕微鏡観察するとわかる。)

B対数増殖期の状態の菌液を、SC-Ura(2%ガラクトース)にOD値が0.4となるように植え継ぐ。
(前培養のC源にラフィノースを用いているならば、ここでWashする必要はない。pYes2販売元のHPより、本培養の推奨条件はSC-Ura(2%ガラクトース、1%ラフィノース)と記載されているから。)

C源を切り替えてからはODが上がるのに少々時間がかかりますが、丸一日振盪していれば徐々に上がってくるはずです。
3日以上たってもODが上がらない場合は、全培養からトラブルシューティングした方が良いです。前培養の段階で、大多数の菌が死んでいる可能性があります。
きちんとタンパク誘導を確かめるならば、ウェスタンやノーザンをやっている論文が多いです。そこに関しては、自分の実験系や研究室の状況により判断して良いのではと思います。

(無題) 削除/引用
No.8106-9 - 2019/07/26 (金) 17:58:53 - わわわ

>弘法様

そうなんですね…!てっきりSCが最適培地なものだと思っておりました。

やはり、遠心と洗浄は大きなストレスになるのですね。ご指摘いただいた通り、次は遠心と洗浄をしない培養手順で試してみようと思います。
詳しくアドバイスしていただき、本当にありがとうございます!

来週また試しますので、こちらでご報告させていただこうと思います。

(無題) 削除/引用
No.8106-8 - 2019/07/26 (金) 16:00:13 - 弘法
SC培地の組成は実はバランスが良いものではないらしく、SCで定常期まで培養すると生存率の低下が無視できないそうです。その点を改良した新しい合成培地も工夫されています。

それから、培地組成の交換はやはり大きなストレスになるので、できることなら遠心してPBSで洗浄したりするのではなく、前培養のグルコース培地から、本培養のラフィノース培地に植え継いで、誘導はその培養にそのままガラクトースを加えた方が再現性良く良いスタートが切れると思います。

(無題) 削除/引用
No.8106-7 - 2019/07/26 (金) 11:51:13 - わわわ
>おお様
ご指摘いただき、ありがとうございます!
ガラクトース溶液は念のため作り直してみようと思います。
酵母の規格に合わないという可能性を考えると、ちょっと怖いですね…。私では思いつかなかったことです。とても勉強になります。


>弘法 様
たしかに、前培養でOD値が9を超えてるのは高すぎですよね。ご指摘いただいて、初めて気が付きました。
細胞が元気である対数増殖期の状態で本培養に移すべきでした。OD値が5〜6くらいでしょうか。
前培養も、グルコースではなくラフィノースを炭素源として試してみようと思います。
色々と教えていただき、ありがとうございます!

【追記】
もう一晩振盪してもODは上がりませんでした…。
念のため、酵母の菌液をメチレンブルーで染色して顕微鏡観察してみた結果、半分くらいの細胞が死んでいる様子が観察できました。
植え継ぎのタイミングが主要な原因だったのかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.8106-6 - 2019/07/25 (木) 15:22:19 - 弘法
OD600が9を越えているというのは、pre-cultureとしては生やしすぎなので、そこから急に培地を変えても生えだすまでには時間が掛かるかもしれませんね。もしかしたら、かなりの割合の細胞が死んでいるかもしれません。

また、おおさんがお書きになっているように、グルコースが少しでもあるとグルコース抑制のせいでGALプロモーターは強く抑制されます。そこで、よくやられるのは、C源をラフィノース(中立的C源)にしておいて、希望のODに達したらそこに濃いガラクトース溶液を終濃度2〜3%になるように加えるという方法です。

(無題) 削除/引用
No.8106-5 - 2019/07/25 (木) 15:06:08 - おお
>グルコース/ガラクトースの量比をふってみたら?
GAL1プロモーターにニュートラルなラフィノースをベースにガラクトースの濃度をふるという手もあるとおもいますけど。グルコースはGAL1プロモーターを抑制するので、ガラクトースを加えても余り効かないんじゃなかったっけ。間違えてたらごめんなさい。

培地の成分で糖を変えるだけで変になるとしたら、ガラクトース溶液がへんか、使っているガラクトースの試薬の規格が酵母に向いてないか。

(無題) 削除/引用
No.8106-4 - 2019/07/25 (木) 13:55:35 - わわわ

>おお様
コントロールとしては、pYes2の空ベクターを導入した株を使っています。
コントロールも同様に、ODがあがっていないです…。

>mon様
たいへん勉強になります。ご回答ありがとうございます。
たしかに、ストレス耐性遺伝子の過剰発現が生育を阻害することはあるようですね。
コントロール株が生育する培養条件でも形質転換株が生育しない場合、培地の炭素源の割合を何パターンかにふってみようと思います。

【追記】
先程考えついたのですが、エアレーションの問題である可能性があります。
前培養は、50mlファルコンチューブで5mlのスケール。蓋は緩めて斜めにして振盪していました。
本培養は、300mlフラスコに30mlのスケールで、シリコ栓で蓋をしていました。
シリコ栓ではなく、ゆるめたアルミ蓋を使い、より酸素が供給されるような状態にしてもう一晩様子を見てみようと思います。

(無題) 削除/引用
No.8106-3 - 2019/07/25 (木) 12:54:09 - mon
単に、ストレス耐性遺伝子の発現量が多すぎてが逆効果なのでは?
グルコース/ガラクトースの量比をふってみたら?
あるいは、別の炭素源(グリセリン?)が含まれる培地にガラクトースの濃度をふって添加するとか。

(無題) 削除/引用
No.8106-2 - 2019/07/25 (木) 12:33:45 - おお
コントロールは?

酵母のガラクトース誘導 削除/引用
No.8106-1 - 2019/07/25 (木) 11:48:40 - わわわ
こんにちは。いつもお世話になっております。

酵母(S.cerevisiae)の培養について詳しい方に教えたいただいことがあります。以下、実験系の説明です。

pYes2 vectorのGAL1プロモーターの制御下にストレス耐性遺伝子を導入し、酵母を形質転換しました。GAL1プロモーター制御下のストレス耐性遺伝子の効果により、酵母の生育がどれほど向上するかを観察することが目的です。

SC-Ura(C源はグルコース)のプレートに生えたコロニーをSC-Ura(C源はグルコース)に植菌し、24時間30℃で前培養しました。
この時点で、OD₆₀₀は9.0くらいでした。
その菌体を遠心してPBSバッファーでWashし、OD₆₀₀が0.4となるように調整してSC-Ura(C源はガラクトース)で本培養しました。
ですが、本培養してからはODがほとんど上がりません。24時間たっても値はあまり変わりませんでした。

C源がグルコースの時の前培養のときは元気に生育していたので、原因がよくわかりません。ガラクトース誘導培地に植え替えたとたんに生育が悪くなります。
似たようなことを経験した方がいましたら、アドバイスしていただきたいです。
どうぞよろしくお願いいたします。

10件 ( 1 〜 10 )  前 | 次  1/ 1. /1


パスワードを入力してチェックした記事を チェックした記事を

このトピックにメッセージを投稿する
名前 
メール   アドレス非公開
   タイトル 
本文      
設定  クッキーを保存(次回の入力の手間を省けます)
上に上げない(トピックの一覧で一番上に移動させません)
解決(問題が解決した際にチェックしてください)
暗証  半角英数字8-12文字の暗証番号を入れると、あとで削除、修正ができます。
送信 

〔使い方〕
  • 「アドレス非公開」をチェックすれば、自分のメールアドレスを公開しないで他の方からメールを受け取れます。
  • 問題が解決した際には、解決ボタンをチェックして解決した旨のコメントをつけてください。これは、初めにトピックを作った人と管理人のみが可能です。
  • 半角カタカナ、機種依存文字(全角ローマ数字、○の中の数字等)は文字化けの原因となりますので使わないでください。