よくmicroRNA発現ベクターを作製しますが、sense鎖(passenger鎖)の中ほどの配列をいじってstemの途中にbulgeが入るようにデザインしています。
dsRNAの発現はインターフェロン応答の活性化により非特異的な翻訳抑制等を引き起こす可能性がありますが、bulgeの導入によりこの影響を少なくすることが出来ると読んだことがあり、以来このデザインで実験を行っています。
(Bauer et al.,Gene Therapy volume 16, pages 142–147 (2009)
通常は上記の論文のFig. 3aのmiB3のように、hs miR-30のstemに倣ってsense鎖の3’側より8-9番目辺りに「TC」を挿入するデザインを採用しています。
こうすることにより、stemが程よくtightでなくなるのか、配列確認でのトラブルは経験しなくなりました。
あと、antisense鎖(guide鎖)との配列の違いも大きくなり、RISCにguide鎖が選択的に取り込まれ、off-targetの低減にも寄与しているのではないかと期待しています(こちらはエビデンスはなく、妄想に過ぎないかも知れませんが)。
とにかくこうして発現させたmiRNAは、少なくとも標的に対してはしっかり効いています。
ご参考まで。 |
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