再度ボイルはしていません。加熱する理由は
いろいろあるのだとおもいますが、私がむかし本で読んだところでは、SDSが蛋白質にくっついて完全変性させるまでに室温だとあるいていど時間がかかるので、その時間を短縮させるために熱を加えるとかいてありました。なので、いったんSDSで変性させてしまえば、SDSを除去しないかぎり(そもそもこれ自体が結構難しい)、もとにもどらないとおもうので、再ボイルをする意義はないようにおもいます。あと一部のS-S bond加熱しないと切断されにくいものがあります。
ただ還元については、還元剤が酸化とかでへたってくると、再酸化がおこります。実際、SDS-sampleを凍結融解くりかえしてなんどもつかっていると、泳動パタンがだんだんブロードになってきたことあります。それに還元剤を追加したらもとに戻ったので還元剤の作用が低下してきたためとおもいました。通常のSDS-PAGEでは還元後、アルキル化しないのでSH基とS-Sの間は可逆的ですから、還元能が減弱してくれば再度酸化されます。サンプルはSDS-sample bufferに可溶化し、かつ還元剤なしで保存しておき、必要な時に必要量を分取して、泳動まえに還元処理するのがよいとおもいます。
DTTは強力で作用も早いが不安定で長持ちしない、betaMEはDTTより温和で作用も緩慢だが(なので加熱してその反応を促進するひつようがある)、安定で長持ちするとならいました。 |
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