昔から両論ある、でも行き着くところは好みの問題なんですけれど。。。
一応、後染めのメリットを言っておくと、
染色に時間や手間がかかるといっても、よほど濃度の濃いゲルでなければ、バンドを確認するだけなら10分程度、定量的に染色飽和するまで20-30分位、EtBr希釈液の中に放置しておくだけなんですけれどね。振盪やdestainingはいりません。一分、一秒を争うような実験スケジュールで動いている人には、それでも惜しいかもしれませんが。
ゲル作製から電気泳動まで、EtBr freeなので素手でも作業ができます。
染色液は長期間使い回しができます。切り出しやブロッティングのときは新しい染色液を使い、これを通常のの染色用にお下がりしています。EtBrの曝露を最小限にできます。
バンドのサイズだけでなく、濃さも重要な情報で、一枚のゲルの中でEtBr濃度が低かったり高かったりするのは、その情報をダメにします。
バンドが見た目で予想されるより濃かったりすれば、それはバンドが複数重なっているんだろうとかわかりますし、定量をバンドの濃さの比色することもあります。
ポストゲノム時代から仕事を始めた人と、私のように、興味の遺伝子は自らクローニングし構造や塩基配列を決定して行かなければならなかった時代にトレーニングを受けた人間とで思想が違うのかもしれませんが、、、
今では、ほとんどの人が、既知の遺伝子配列をもとに仕事をしていてどんなバンドが出るかわかった上で電気泳動をすることがほとんどでしょう。でも、未知の配列、たとえば初めて単離したクローンを扱うとしたら、小さなバンドでも見落としては問題だし、二本重なっているバンドを見抜けなければ大失態です。私みたいのは、そういうことが身に染み付いているんでしょうね。 |
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