培養細胞の場合、取れる蛋白質量は細胞数から予想されるよりも少ないです。希釈されすぎてるだけかもしれないので抽出用bufferの液量を今よりも必要最小限まで減らすだけでも解決するかもしれません。
抽出bufferの組成が、目指す蛋白質を可溶化するのに適さないのかもしれません。当該分子のウェスタンをしている複数の文献を調査して、どのような方法で行っているか確認ください。
ことなる組成の複数のbufferで段階的に抽出すると、特定の画分で相対的な存在量が高まりでうまく検出出来ることがあります。
実験例:界面活性剤なしの低張のbufferでホモジナイズ→遠心→上清回収(分画1)→沈殿を非イオン性界面活性剤入りbufferによくけんだくして氷上で10分置く→遠心→上清回収(分画2)→沈殿をSDS-sample bufferなどイオン性界面活性剤入りbufferでよくけんだく→遠心→上清回収(分画3).
希釈されすぎないように可溶化液の液量は必要最小限にすること。必要に応じてインヒビター類は入れておく。
膜蛋白質の中には、SDS-PAGEに際して行う還元時の加熱処理で不溶化してしまうものが10個に1個くらいあります。いったん不溶化すると、wellの下部分でひっかかりゲルに入りませんので、結果として検出できません。いちど加熱無しでためしてみることも検討ください(還元剤添加後、室温で1~3時間ていど放置)。
DAB系の発色だとそれなりの量がない蛋白質だと検出感度的に厳しいとおもいますので、現在、Western blottingの標準的な検出方法となっている化学発光法(ケミルミネッセンス)による検出に変えてみることをすすめます。→Kit販売されてます。Westernやってるラボなら買って持ってますので貸してくれるとおもいます。DAB系でも薄いながらも何かかろうじて見えるならば、たぶん、その5〜10倍くらいのシグナル強度が得られるとおもいます。基本的にCCDカメラのついた専用の検出機器が必要ですが、暗室、X線フィルム感光用のカセット、ケミルミ対応可能なX線フィルム、写真現像液、写真定着液(これら2つの液は大きめの写真屋さんでも売ってる)買えばそれで代用できます。 |
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