生物活性分子の標的タンパク質との結合部位の解明についての論文を読みました。著者らは、安定同位体標識をしてマススペクトルで解析していました。
具体的には、ナプロキセン、セレコキシブ、インドメタシン(非ステロイド抗炎症薬)のビオチン及び安定同位体標識プローブ(弱酸でビオチン部位を除ける仕掛けを施している)を合成して、細胞に投与し、光アフィニティーラベル化を行い、アビジン樹脂で精製した後に、標的タンパク質をトリプシンで消化してペプチドにしています。そして、ビオチンとアビジン部位から、ギ酸により安定同位体とペプチド部位を切り離しています。最後にLC/MS/MSを行ってデータベース検索をしています。
その結果ヒストン(DNA)タンパク質のH2AとH2Bが標的であることなどが分かったそうです。おそらく安定同位体標識が必要だから著者らは行ったのだと思いますが、安定同位体標識が標的タンパク質の同定に必要な理由が分かりません。詳しい方いらっしゃれば、教えていただけないでしょうか。
余談ですが、昨今COX2が製薬業界で注目されているそうです。
シクロオキシゲナーゼ(COX)のうち、COX1は正常細胞にも存在していますが、
大腸癌細胞でCOX2が高発現しているとの報告があり、COX-2を選択的に阻害する薬剤によるがん治療薬の臨床応用が期待されています。 |
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