細胞中、あるいはライセート中にあるタンパク質は雑多なタンパク質の混合物でタンパク質の濃度もすごく高いです。一方、精製したタンパク質は微量で、それが溶媒に溶けているわけです。
系の中に多種類、大量のタンパク質があれば、様々な攻撃(酸化、水分子などの攻撃)もたくさんのタンパク質に分散されるし、ものによっては酸化されやすいとかなどの性質で他のタンパク質の保護に役立っているものもあるかもしれない(その分、分解酵素などの夾雑も多いですが、それも標的が分散されるし、第一、それを見越して阻害剤を使っている)。
一方、精製したタンパク質は孤立無援、丸裸で攻撃を一身に受けてしまう。
保存容器の管壁界面での相互作用も一身に受けるので、吸着によるロスが大きく出ますし、あるいは界面という特殊な相でおこる分解ほかの化学反応が進んでしまうかもしれない。
だからBSAなどのタキャリアータンパク質を過剰に入れておくもんです。 |
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