今の論文発表のあり方は過渡期のような気がします。よく思うのですが、論文公表は他の研究者に研究結果を知ってもらうためのものなので、本来は、今では論文を公表するために出版社に出版しなくても、ネットにあげればいいはずです。ただHPだと見てくれないし記録に書けないなら、BioRxivのようなpreprint serverに出せばいいし。それを他の研究者が読んで参考になればNatureに出すのと同じことだろうし。ペレルマンを出すまでもなく、文系では、昔から本を出版するほうが論文を出すのよりも価値が高いとされているわけですし。
査読は2−3名の研究者がやるので、利害関係やバイアスがつきまとい、知り合いかどうかが大きな要素になり、それでreviewerの選択を必死でやります。知り合いには厳しいこと言いにくいので。特にCNSのような商業誌ではそういう傾向が強く、確かに中堅どころの学会誌のほうがその辺はフェアかもしれません。それよりも、さっさとネットに出して、皆でデータについてどうのこうの議論するようにした方がフェアな気もします。評価する側はそれでは困りますが。CNSなどがあるかないかで見た方が簡単なので。
ただ、HPで論文を公開しても、研究費はもらえませんし業績にもカウントされず職探しにも役立たないし、また今のところは研究成果の発見としてクレジットされません。ではBioRxivではどうかというのが、今、様子見という気がします。ここでクレジットがつくようになれば、査読という制度は出版社と共に崩壊するかもしれません。今は極端な意見かもしれませんが、10年後も今と同じような状況とは思えません。要は、中身、というのはまったく同感です。 |
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