尿細管上皮は原尿中に漏れ出た血漿蛋白質などいろんなものを再吸収します。とくに糖化修飾アルブミンなどの異常なものを選択的に取り込む受容体もあるようですので、そうしたものが上皮細胞内に蓄積することがあるかもしれません。これらは、自家蛍光の原因になるような化学構造をもつ修飾体を有する場合ことがあるので、これらが自家蛍光の原因になる場合はあるとおもいます。ラットでは系統によっては比較的若いうちから、しばしば腎臓に異常がみられることがあるのでそうしたことも含めて検討されることを勧めます。
特に蛍光でみなくてはならない特別な理由がないならば、DABとかの発色法で検出すれば、自家蛍光の問題は回避できるとおもいます。いまは良いkitも市販されており、良質の抗体を用いて適切な染色がおこなわれれば、蛍光とくらべて決してみおとりしないきれいな画像が得られますし、ヘマトキシリンによる対比染色することで位置情報も蛍光よりもわかりやすいですし、プレパラートで永久標本が作れます。蛍光と違う主な点として、免疫染色後にヘマトキシリン染色→水洗で脱色→エタノールで脱水→キシレンで透徹→封入→撮影の工程がありますので注意してください。具体的な事は成書を参照ください。 |
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