Immno affinity 精製の際は、還元剤(DTTなど)は酸化防止剤として0.1~1mMくらいの範囲の低濃度加える場合はありますが、通常は添加してないでおこなうことが多いとおもいます。とくに高濃度だと抗体自体のS-S結合にも作用してしまいますので。
どうしても分子内、分子間S-S結合を還元した状態で精製する必要があるならば、すこし面倒ですが、DTTで還元したあとでDTTより高濃度のヨードアセトアミド(IAA)などでアルキル化処理してSHが再酸化されないようにしたうえでDTTとIAAを除去したのち精製に供することになりますが、組織抽出液などクルードサンプルでしたら、工程が長いので、その間に好ましくない事が起こる可能性がありますのであまり適切でないかもしれないです。
結合蛋白質を同定したいならば、分子内S-Sを還元して当該蛋白質の高次構造に変化がおこったばあい、蛋白質間の相互作用が弱まってはずれてしまうこと恐れがあるので、とくに必要がないなら入れないあるいは分子構造に影響しないていどの低濃度にするほうがよいとおもいます。DTTは溶液中では酸化されやすいので、使用する溶液は当日調製をすすめます。
精製した後にMS解析の前処理として還元、アルキル化するのは普通ですし、すでに確立されたスタンダードの方法があります。しないとトリプシン分解やMS解析が上手く行かないことがありますので基本的にはします。 |
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