当時は、免疫に作用する薬剤の信頼性が今ひとつだった一方、過剰な免疫反応による致死的副作用のリスクが他の免疫作用薬で 報告されていたと思うので、製薬企業さんが臨床開発参入に躊躇したとしても、やむを得ないところがあったと思います。
O社単独では臨床開発できないので、国内の製薬大手との共同開発の依頼に回ったものの、どこも協力してくれなかったとおっしゃっていたと思います。メダレックスが手を挙げてくれた事で、O社としては単独参入ではなくなり、結果として協力しやすくなったのではないでしょうか?
本庶先生のお気持ちも分からなくはないですが、今後、日本国内でアカデミーと製薬企業の協力体制を強化したいと考えるのであれば、会見でのコメントはネガテイブトーンが強すぎたような気がします。
一年以上かけても日本企業だけで開発協力できなかったのに対し、米国のベンチャーは話を聞いてすぐに手を挙げてくる、この状況が問題だと思います。O社に限った話ではないと思われ、ベンチャーも含めた国内製薬企業の体質と国際競争力について、本質的な議論を惹起する問題提起になるようなコメントだと良かったと思うのですが。 |
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