Kiは不変ですが、標的の濃度が変化すれば、当然、必要な阻害剤の量は変わります。しかし「血中濃度を保つ」という考えのもと、それでも足りないような非常に多い標的というのは実際問題として多くないと思います。
仮に多ければそれを元に確実に阻害剤が結合するだけの濃度を保てばいいわけで、やはり観点の違う実験が必要になるという話です。
ちなみに、基質と競合阻害する阻害剤の場合は、Kiが定数でも、基質が多ければ阻害は当然弱まります。ですので、標的の濃度、絶対量が分かっても必要な阻害剤濃度が想定よりも高くなることがあり、薬剤としては好まれません。
Kiに意味はあります。仮に標的の濃度が信じられない程低い場合、それだけ薬剤の量が減っていい訳では無く、Kiの10倍程度の濃度は必要になります。平衡定数の式からエクセルで十分ですのでシミュレーションしてみればよく分かりますよ。 |
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