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invitrogenのカスタムオリゴのTm値について トピック削除
No.7056-TOPIC - 2018/07/06 (金) 12:58:34 - クラリス
invitrogen(現thermofisher)のカスタムオリゴでPCR用のプライマーを作ってるのですが、納品書に記されたTm値がprimer3をはじめとした他のプライマーチェックのwebサービスで計算した値と10℃近く違います。
39℃だとか40℃だとか平気で出してきます。
前提とするモデルや、バッファ組成によって計算方法のあるのは理解できますが、同じthermofisherのTm caliculaterとも大きく違うのは、ちょっと理解できません。
皆様はプライマーを発注する際のTm値は、どんな計算方法で出したものを参考にして最適化の検討をスタートさせますか?
 
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(無題) 削除/引用
No.7056-9 - 2018/07/12 (木) 06:53:12 - おお
まあそれはInvitrogen側のことなので関係者以外は正確な答えはできないでしょうけど。

InvitrogenはたしかIDTのプライマーを売っていたんじゃなかったでしょうか。IDTのプライマーをInvitrogenのホームページで注文できるようにHtmlを造ったときInvitrogenがIDTのプライマーのTm計算方法を確認しないまま(あるいは知っていたけどもより正確な方がいいだろうとかいう結論で)独自にTm算出法を設定したんじゃないかなと勝手に想像しています。

品質保証はたぶんそれぞれのプライマーでTmを実測しているわけではないと思いますので、Tm理論値計算は品質に何ら影響を与えているわけではないと思います。品質は多分Massなどで分子量測定をしたりて(あるいはPAGEで長さを確認するとか)、メーカーの基準を満たしていることを条件としているのではないでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.7056-8 - 2018/07/11 (水) 20:43:48 - クラリス
少し質問が言葉足らずでしたので補足します。
実は、ややこしいのですがinvitrogenは発注時は最近接塩基対で計算されて、納品書のほうは各塩基の数から計算しています。
なぜ発注と納品で違う計算方法、違う数字を出して品質保証の責任者印を押して寄越すのか、もしかしてちゃんと理由があってのことなのか、と気になってのことです。
そして、とても低いTm 値を出してくるのは、納品書のほうです。
各塩基の割合に係数をかけて、長さによる補正項をつけて計算してるのですが、長さによる補正項が-675/塩基数で、たぶん一般に使われる式よりも大きな補正がかかってるような印象です。

(無題) 削除/引用
No.7056-7 - 2018/07/06 (金) 22:11:47 - xyz
まぁ普通なら疑問に思いますよね。
お答えしましょう。

invitrogen(現thermofisher)のカスタムオリゴで算出されるTm値はBreslauerらの最近接塩基対パラメータによる予測値であり、例えば
ATGCATGCATGCATGCATGC、と入力すると
Tm: 89.1 (1M), 67.5 (50mM)、と出てきます。これは次のモデル及び状態を想定しています。

・プライマー濃度:50nM(変更不可)
・塩濃度:1Mまたは50mM
・DNA/DNA helix initiation factor:0kcal/mol
・配列がnon-selfcomplementaryの時のhelix initiation値:-10.8cal/degree
・既にPCR反応系に混合済み(希釈なし)

一方で、thermofisherのTm caliculaterで算出されるTm値も、PlatinumオプションではBreslauerらのパラメータに基づくものですが、同様に
ATGCATGCATGCATGCATGC、Concentration 0.05uM、と入力すると
Tm 67.8 °C、と出てきます。これは次のモデル及び状態を想定しています。

・プライマー濃度:50nM
・塩濃度:50mM
・DNA/DNA helix initiation factor:3.4kcal/mol
・配列がselfcomplementaryの時のhelix initiation値:-12.4cal/degree
・PCRの反応系50ulにプライマー1.25ulを混ぜた時(入力値からさらに40倍希釈)

>前提とするモデルや、バッファ組成によって計算方法のあるのは理解できますが、同じthermofisherのTm caliculaterとも大きく違うのは、ちょっと理解できません。

上記のように、同じthermofisherと言えども前提とするモデルが異なり、PCR反応液に混合済みなのか未混合なのかという点も異なります。
thermofisherのHPにはきちんとした説明はありませんが、ないなら自分でその計算過程を調べ、なにが実際に異なっているのかを把握することでTm値の計算方法への理解が深まります。

(無題) 削除/引用
No.7056-2 - 2018/07/06 (金) 15:40:37 - おお
計算方法のござについては
ttps://academic.oup.com/bioinformatics/article/21/6/711/199347


Nearest-neighbor method (NN)でSantaLuciaらのthermodynamic tableを使ったやつなどが出回っている方法論でかなり正確なようです。WebベースのCalculatorだとそれがはっきりわかるのは
ttps://www.promega.com/a/apps/biomath/?calc=tm
ttp://arep.med.harvard.edu/kzhang/cgi-bin/myOligoTm.cgi

また
ttps://openwetware.org/wiki/Primer_Tm_estimation_methods
ここの情報ではNCBI's Primer BLASTのデフォルトのセッティングはSantaLuciaらのthermodynamic tableを使っているようです。
ttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/tools/primer-blast/

わたしはあまり計算されたTmからきっちりアニーリング温度を決めるわけでないので(実験によるかもしれないが)、そんなに気にしていません。

invitrogenのカスタムオリゴのTm値について 削除/引用
No.7056-1 - 2018/07/06 (金) 12:58:34 - クラリス
invitrogen(現thermofisher)のカスタムオリゴでPCR用のプライマーを作ってるのですが、納品書に記されたTm値がprimer3をはじめとした他のプライマーチェックのwebサービスで計算した値と10℃近く違います。
39℃だとか40℃だとか平気で出してきます。
前提とするモデルや、バッファ組成によって計算方法のあるのは理解できますが、同じthermofisherのTm caliculaterとも大きく違うのは、ちょっと理解できません。
皆様はプライマーを発注する際のTm値は、どんな計算方法で出したものを参考にして最適化の検討をスタートさせますか?

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