・遺伝子導入に成功しても、十分な発現が得られないことがある
細胞の性質ですね。浮遊系細胞の起源が免疫系細胞が多く、これらの細胞では一般的な発現ベクターに汎用されるCMVエンハンサーの効果がほとんどない〜小さいからでしょう。
・遺伝子導入がしにくい
遺伝子導入を阻むステップはいくつかありますので、明確な答えは未だないと思います。浮遊系細胞は、細胞内(lysosome?)Nuclease活性が高いのではないかとか、遺伝子挿入試薬 /DNA複合体の取り込み率(phagocytosis?)が低いとか言われています。接着系細胞でも複合体を入れた後遠心すると導入効率が上がりますので複合体との接触時間・接触量の問題かもしれません。
使用細胞は何でしょうか。CHO-S細胞や293-F細胞ではPEI-MAXを用いた高密度遺伝子導入法で70%以上の遺伝子導入効率(GFP陽性率)が得られています。
もしかしたらお使いの細胞にも応用できるかも。
具体的には、ITSを添加した無血清培地に4(〜8)x10^6 cell/mLに懸濁後、pDNA・ PEI-MAXを順番に投入(複合体をあらかじめ形成させない)・30分〜1hr 37℃で回転しながら保温培養(CO2補給なし)、遠心して上清を除去して(省いても良いが、やや生存率が下がる)、増殖培地で希釈・培養します。pDNA量はリポフェクションの2倍量(細胞数あたり)、pDNA:PEI-MAX重量比は1:3~4あたりが適量です。 |
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