今回もon columnで切断しても溶出できないのでしょうか?
PAGEを見ても、ここまで汚いw、精製後のグルタチオンセファロースを見たことが無いので、目的のタンパク質はそれが保持している疎水性部分や、抽出時における変性に伴って他のタンパク質を巻き込んで凝集し、そのときセファロースも巻き込んで吸着しているものと思われます。
1. 精製の順番を入れ替えて、GSTからまず精製しましょう。そこで凝集を押さえることができればその後にHis-Tagも同じ方法で凝集を押さえれるかもしれません。
2. 凝集を押さえるために界面活性剤を試す(濃度、種類)のが一般的ですが、特に活性などを残したいのであれば、両性か非イオンの特にアルキルグルコシド系の高価な界面活性剤を試すことになると思います。しかし、種類も多く条件設定が膨大になり、面倒だしお金も掛かるのでお勧めしません。
3. 界面活性剤の他には、a)アルギニン, b) non-detergent sulfobetaine (NDSB), c)トレハロースが有効なことがあると報告されています。これらは比較的安価であるにもかかわらず、濃度の変更だけで効果がでますが、どれが効くかは残念ですが試してみるしか有りません。
4. アルギニンは個人的には上手くいったためしがないのでおいておくとして、初手としてはNDSBをお勧めします。NDSBも5種類くらい有りますが、Merckから一般的によく使われている3種類NDSB-195, -201, -256の3種類がセットになっている物があります。使い方はMerckのHPに日本語冊子のpdfが有りますのでそれを参考にすると良いかと思います。
5. トレハロースですが、効果についてはNDSB同様にタンパク質変性の抑制効果があり、実際にタンパク質やエクソームの保存等に利用されています。試すだけなら食品添加物の「トレハ」でも純度はほぼ同じで安価\1,000/kg位だったきと思います。
6. NDSBもトレハロースも、とりあえずf.c. 0.5 Mで試してみてください。NDSBもトレハロースも0.5 M程度までならDNaseの活性を阻害しませんので、状況から考えて抽出バッファーに最初から入れておく方が良いと思います。また、NDSBもトレハロースも、アフィニティーカラムへ目的タンパク質の吸着阻害はこれまで経験していませんので、そのままカラムにアプライできます。wash bufferにも入れておいた方が無難です。
以上、ご参考になれば |
|