フェノールに限らず有機溶媒一般的にタンパク質を変性して不溶化します。
フェノール抽出が発明される20世紀中頃以前は、クロロフォルムで抽出していたそうです。クロロフォルムのように強く相分離して接触界面だけで作用するより、フェノールのように幾分、水と混じり乳化する溶媒の方が効率がいいんでしょうね。
タンパク質は生理的な条件では、親水性のドメインを立体構造の表面に、疎水性のドメインは親水性のドメインに囲まれて内側に配置されています。
しかし、有機溶媒中では親水性ドメインは表層から逃げ、逆に疎水性ドメインが外側にきます。これで、高次構造がこわれ変性します。疎水性が外側にきた変性タンパク質は親水性を下がり水層に不溶になって中間層をなすか、フェノール層へ(フェノール単体で抽出した場合。PCIだと変性したとはいってもタンパク質が有機層には入りにくい)。 |
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