ほかの方も書いているように、何はともあれ温度計・CO2計で測定してすべてのインキュベーターをノーマライズすること。
ただし、温度計・CO2計の方の校正も信頼の置ける方法で取ってあることも必要。市販の科学測定用の温度計でも、表示は0.1℃刻みでも、多くのものは絶対値の誤差は±1℃とあったりする。実際、温度計を複数本用意して測ってみるとそれくらいの誤差があることがわかる。私が絶対値が信頼できる温度計としておすすめなのは体温計。複数メーカーのものを5本くらいもっているが、37℃付近の温度を等しく出してくる。しかし、体温計はオートオフ機能があるのでCO2インキュベーターないに入れてもすぐに切れてしまう。そこで、まずはウォーターバスを使って手持ちの温度計の誤差を把握して、それをもとにCO2インキュベーター内の温度を測定するのがよい。この時、プローブと液晶が別のものを使ってコードを中から出して測るのはお勧めしない。内ドアの隙間があると、内部のファンの撹拌具合が変わる可能性がある。温度表示液晶も内部にある状態で、ぱっと覗くのがいい。
CO2計の方はもっとややこしい。CO2計の校正はメーカーに出して行う。しかし、私のラボで新規CO2インキュベーターを購入した際、CO2インキュベーター会社が持ってきたCO2計とラボで持っていたCO2計で値が結構ずれた。どちらも年に1回のCO2計メーカーによる校正をしているものであるのに…。結局、古いCO2インキュベーターとの整合性からラボのCO2計測定値を基に新CO2インキュベーターのCO2表示校正を行ったが、絶対値として正しい値になっているかは不明のままになっている。
ともかくも、CO2インキュベーター設置時の温度表示・CO2濃度表示のメーカーによる校正は、大なり小なり異なっていると思った方がいい。また
経時変化もあるだろう。どれも細胞が死んだりするほどずれていることはないのでそのままでもいいという方針もあるだろうが、各CO2インキュベーターをノーマライズしたほうが思わぬアーティファクトを生まないためにもいいのは確かだ。 |
|