>クロスリンクしないとプロテアーゼ、基質間のキネティカルな相互作用は見られない
それは一概にそうは言えないと思います。たぶん物によっては結合をみているプロテアーゼもあるのではないかと。
基質のポリペプチドとの結合ののち切断というステップにはいり、切断されたペプチドと酵素の結合は弱くリリースされ新しい基質がアクセスできるというのが他の方の指摘にもある生化学的な一般論です。
ですが酵素的に不活性な変異体や切断耐性の基質を使っているので、切断のステップに入らず切られたペプチドとのアフィニティーより強い状態で比較的安定に存在するという推測は成り立ちます。このようなアプローチでインターラクションを見るのもまあまあみかけます。
細胞からのIPはいろいろなことがうまくいかない要因と考えられるのでつかないときの解決方法は多様でキリがないかもしれません。ただクロスリンクIPは結合ー解離の動的状態をフリーズすることができるので、クロスリンクしたときに結合しているものはIPの間に解離することがないというメリットがあります。IPは厳しい条件でできますし、場合によっては一度変性してからという手もとれますから、抗体のアクセスも通常のIPよりしやすい可能性もあります(通常のIPでは抗体がコンプレックス形成に関わるところにアクセスするなどの理由で複合体が取れないといった考察も可能なので)。
XのRNAiではYの切断が抑制とありますが、もっと直接的にXがYを切断しているという根拠をだせば確かに物理的なコンタクトがあるとも言えるでしょう。
腰を据えてやるならドメインダイセクションなど見てみる手はありますがちょっとLong shotすぎますね。 |
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