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組織での酸化ストレスの評価法 トピック削除
No.6879-TOPIC - 2018/04/30 (月) 02:58:40 - 悩める大学院生
いつも参考にさせていただいております。
長文で申し訳ございません。

現在大学院で心臓に関する研究を行っているのですが、抗酸化作用を持つとされているタンパク質を標的にしている関係で、心臓組織での酸化ストレスを評価しなければなりません。

同じ研究室で酸化ストレスに詳しい人がおらず、論文などを参考にいくつかの方法を試してみましたが、なかなかしっくりくる(再現性やポジコン(心筋虚血/再灌流障害モデルの組織を使用)がキチンと陽性になるか、などの観点)ものがなく、正直途方に暮れております。個人的には、酸化ストレスが亢進することで組織中に酸化物が有意に蓄積している状態を評価できれば一番しっくりくるのですが・・・

以下に小生が試した方法と感触や疑問点を列挙いたしますので、それぞれに関するTipsやその他の客観的に評価できる有望な方法などを教えていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

@DHE染色
OCT凍結切片(心臓切片をPBSで洗浄後OCTコンパウンドに沈め、エタノール+ドライアイスで凍結)をcryostatで切り出し(12μmスライス)、10μM DHEで染色(37℃、25分)後に蛍光顕微鏡で観察。

今のところ、この方法に一番見込みがありそうだと感じているのですが、OCT凍結切片を作製してから観察までは時間を置かずに(同日中に)行った方がよろしいのでしょうか?また、Cryostatによる切り出し自体がROSを誘導するので、切り出し前にDHEで染めるというプロトコールも見かけたのですが、実際の影響はどれ位なのでしょうか?

AAmplex red
心臓組織からリン酸バッファー+1mM EGTA+protease inhibitorsを用いてlysateを作製(ホモジナイズ+ソニケーション)し、タンパク濃度を揃えた後に、Amplex red kitを用いて測定。

この方法だと、時間経過とともにサンプルの蛍光測定値が上昇(定量の過酸化水素を用いたスタンダードの蛍光測定値は時間経過によらずほぼ一定)していくことから、元々サンプルに含まれていた過酸化水素+incubation中に生成された過酸化水素、を評価しているものと思われ、測定値が過酸化水素を生成するための酵素反応に依存しているのではないかと危惧しております。ポジコンとして準備した心筋虚血/再灌流障害モデルのサンプルがコントロールよりも低い測定値(再灌流障害によって酵素反応が低下?)となってしまいました。組織のLysateを用いるのであれば、deproteinizationは必要でしょうか?

時折論文で見かける、組織から抽出したLysateではなく、組織自体をAmplex redを含んだリンゲル液などに漬けてincubationする方法(測定値を組織重量で補正)ですが、測定値が同一サンプルで全く重量に比例せず(リンゲル液に接触している表面積に依存?)、正確な評価方法ではない印象を持ちました。ただ、同じ重量(10rなど)に揃えたサンプルを用いたときは、負荷(ROSが増えるとされている)を加えたサンプルで測定値が高い傾向にあり、ある程度信用できるかもしれないと思っています。

B4-HNE(4-hydoxy-2-nonenal)
Abcamから抗体を購入してWBをやっております。WBではいくつかのバンドが認められるのですが、どの4-HNE修飾タンパク質のバンドに注目して評価すればよろしいのでしょうか?負荷あり・なしで比較してみるとある高さのバンドに明らかな差がありそうだったのですが、そのバンドは4-HNE抗体でのWBで比較的良く示されている60kDa付近のバンドではありませんでした。
 
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(無題) 削除/引用
No.6879-5 - 2018/05/01 (火) 19:06:40 - wsでxcfrgtvbhyj



4-HNEでシグナルが出ていて、controlと差異がありそうならば、4-HNEを指標とするのが現状ではbetterな選択とおもいます。60KDaのバンドが染まる染まらないは、たまたまある条件下での酸化ストレスでその組織にそういう蛋白質が標的になりやすかったか、あるいはそういう標的蛋白質がもともと発現量の多い蛋白質として存在していたからとかそういうことであって、あなたの実験の比較対象としてはそれ自体にあまり科学的な意味はありません。比較的マイルドな酸化ストレスでは特定の蛋白質が標的になり、限られた数の蛋白質(4-HNE修飾を受けやすい蛋白質の可能性があり、こういったものは近年proteomics研究の対象にもなっています)が検出されますが、明らかな組織傷害や細胞死がおこるような激しい酸化ストレスでは修飾を受けやすいものだけでなく多くの蛋白質が修飾されることも多いです。なのでこの場合は多数のシグナルあるいはレーン全体がスメアーに染まったようなパタンになることもあります。
定常状態(control)でも一定のROSは生じていて、低いレベルではあっても4-HNEも生成しているでしょうから、たとえば半減期の長い蛋白質などは、4-HNE修飾蛋白質として検出されることはあってもおかしくはないです。

4-HNE修飾蛋白質のimmunoblotingの場合、通常のwestern blottingとは違い、特定の分子量のものが染まるたぐいのものとはちがうので、特定のバンドのシグナル強度で比較するのは適切でないようにおもいます。
Immunoblottingが終わってから、メンブレンを蛋白質染色(色素としてCBB-R250、ポンソー、アミドブラックなどがあよくつかわれるる。具体的には成書参照のこと)して、レーン全体を囲む形で定量して、レーン全体のシグナル強度/レーン全体の蛋白質染色の強度(あるいは内部標準蛋白質で評価してみたらどうでしょうか。

もし余裕があれば4-HHEの蛋白質修飾も調べて(抗体は市販されてます)、4-HNEの結果と比較してみる実験を提案します。
また4-HNEで差異がありそうならより脂質過酸化精製物ではより一般的なマロンジアルデヒド(MDA)の修飾蛋白質なども、違いが見られる可能性があるとおもいます。抗体は市販されてます。

(無題) 削除/引用
No.6879-4 - 2018/05/01 (火) 07:13:38 - MP
8OHdG抗体染色はだめでしょうか?間接的な評価になってしまいますが。

(無題) 削除/引用
No.6879-3 - 2018/04/30 (月) 15:35:33 - おお
DNPを使ったやつはどうでしょうか?

>どの4-HNE修飾タンパク質のバンドに注目して評価すればよろしいのでしょうか?
注目という曖昧ないいかたなら、期待通りに動いたものが優先される(ただし期待と反対の動きをするものがより多くあれば全体の的な評価か、具体的な根拠が必要)のだろうと思いますが、、、

ROSなどによるNHE化だとするなら抗酸化剤やスカベンジャーなどを使った場合減ることが確認できれば、酸化ストレスの指標になるといえると言うこと以上に何か望んでいることがありますか?

組織での酸化ストレスの評価法 削除/引用
No.6879-1 - 2018/04/30 (月) 02:58:40 - 悩める大学院生
いつも参考にさせていただいております。
長文で申し訳ございません。

現在大学院で心臓に関する研究を行っているのですが、抗酸化作用を持つとされているタンパク質を標的にしている関係で、心臓組織での酸化ストレスを評価しなければなりません。

同じ研究室で酸化ストレスに詳しい人がおらず、論文などを参考にいくつかの方法を試してみましたが、なかなかしっくりくる(再現性やポジコン(心筋虚血/再灌流障害モデルの組織を使用)がキチンと陽性になるか、などの観点)ものがなく、正直途方に暮れております。個人的には、酸化ストレスが亢進することで組織中に酸化物が有意に蓄積している状態を評価できれば一番しっくりくるのですが・・・

以下に小生が試した方法と感触や疑問点を列挙いたしますので、それぞれに関するTipsやその他の客観的に評価できる有望な方法などを教えていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

@DHE染色
OCT凍結切片(心臓切片をPBSで洗浄後OCTコンパウンドに沈め、エタノール+ドライアイスで凍結)をcryostatで切り出し(12μmスライス)、10μM DHEで染色(37℃、25分)後に蛍光顕微鏡で観察。

今のところ、この方法に一番見込みがありそうだと感じているのですが、OCT凍結切片を作製してから観察までは時間を置かずに(同日中に)行った方がよろしいのでしょうか?また、Cryostatによる切り出し自体がROSを誘導するので、切り出し前にDHEで染めるというプロトコールも見かけたのですが、実際の影響はどれ位なのでしょうか?

AAmplex red
心臓組織からリン酸バッファー+1mM EGTA+protease inhibitorsを用いてlysateを作製(ホモジナイズ+ソニケーション)し、タンパク濃度を揃えた後に、Amplex red kitを用いて測定。

この方法だと、時間経過とともにサンプルの蛍光測定値が上昇(定量の過酸化水素を用いたスタンダードの蛍光測定値は時間経過によらずほぼ一定)していくことから、元々サンプルに含まれていた過酸化水素+incubation中に生成された過酸化水素、を評価しているものと思われ、測定値が過酸化水素を生成するための酵素反応に依存しているのではないかと危惧しております。ポジコンとして準備した心筋虚血/再灌流障害モデルのサンプルがコントロールよりも低い測定値(再灌流障害によって酵素反応が低下?)となってしまいました。組織のLysateを用いるのであれば、deproteinizationは必要でしょうか?

時折論文で見かける、組織から抽出したLysateではなく、組織自体をAmplex redを含んだリンゲル液などに漬けてincubationする方法(測定値を組織重量で補正)ですが、測定値が同一サンプルで全く重量に比例せず(リンゲル液に接触している表面積に依存?)、正確な評価方法ではない印象を持ちました。ただ、同じ重量(10rなど)に揃えたサンプルを用いたときは、負荷(ROSが増えるとされている)を加えたサンプルで測定値が高い傾向にあり、ある程度信用できるかもしれないと思っています。

B4-HNE(4-hydoxy-2-nonenal)
Abcamから抗体を購入してWBをやっております。WBではいくつかのバンドが認められるのですが、どの4-HNE修飾タンパク質のバンドに注目して評価すればよろしいのでしょうか?負荷あり・なしで比較してみるとある高さのバンドに明らかな差がありそうだったのですが、そのバンドは4-HNE抗体でのWBで比較的良く示されている60kDa付近のバンドではありませんでした。

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