ウィルス由来のIRESに限定して説明します。
IRES本来の翻訳開始ATG辺りはパリンドローム構造を取りその高次構造は翻訳効率に重要です。kozak配列(cap依存性翻訳)とはまた別の機構で翻訳開始を行います。
最大の翻訳効率を求めるなら高次構造を維持するATG以降数base(~30base:IRESによる)が必須です(従って余分なアミノ酸が付加される)。
ただし、IRES本来のATGは必須ではなく、TTG等に変異させて、その下流のATGから翻訳開始させることも可能です(翻訳効率は1/2以下になるようです)。この場合、翻訳効率はIRES本来のATGの位置からの距離が大きくなるに従って低くなります。30baseほど離れていても翻訳が開始されます。離れている場合はkozak配列があった方が翻訳開始効率は良い例もありますが確定的ではありません。
IRESで薬剤耐性遺伝を共発現させる場合、上流の目的遺伝子の発現が強いクローンを得るために、IRESの翻訳効率がわざと低いものを使う事が多いです。
以上の理由でkozak配列は不要ですが、多少の翻訳効率向上効果はあるかも知れません。 |
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