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cDNAライブラリの市販品について。 トピック削除
No.6744-TOPIC - 2018/03/06 (火) 08:31:30 - YK
いつも勉強させていただいております。

cDNAライブラリを用いた発現クローニングの勉強をしている者です。
発現クローニングの原理は理解したつもりです。
ですが、cDNAライブラリというのが実際にはどういったものか、タカラバイオ社の説明文書は読んではいたのですが、しっかり認識できていないです。

たとえば、タカラバイオ社で売られているライブラリの説明文書には、「Number of independent clones (before amplication): 4.7 x 10^6」とかかれています。これはつまり組織に発現しているmRNAクローンが、プラスミドにクローニングされた形で4.7 x 10^6個含まれている、ということだと理解しています。

そこで数点、疑問が湧くのですが、ヒトの総遺伝子数が3万程度だとすると、4.7 x 10^6もあればほぼ全ての遺伝子が含まれていると考えてもいいのか、それとも4.7 x 10^6のほとんどがbeta-actinなどのハウスキーピング遺伝子なのかが知りたいです。つまり、ローコピーな発現を示す遺伝子はこのライブラリーに含まれていない可能性はあるのでしょうか?あるいはハウスキーピング遺伝子のクローンが選択的に除かれているようなライブラリーは存在しますでしょうか?原理的にそれは難しそうな気がします。。

もう一つは、私自身、基礎研究歴が10年を超えており、手先も器用だとは思いますが、ライブラリは自作してもなんとかなるものでしょうか?あるいは市販品の質を自作で得ることは難しいでしょうか?当方、海外に所属しており、経済的に困窮しているわけではないのですが、もし自作できるのであれば経験を増やすためにも行ってみたいと考えています。

長くなり大変恐縮していますが、皆様からのご意見をお待ちしています。
 
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(無題) 削除/引用
No.6744-10 - 2018/03/21 (水) 21:17:31 - P
市販のものは、増幅していると、聞いたことがあります。
ファージライブラリーは比較的安全と聞いてますが、、、
できれば、自作が良いのでは。

(無題) 削除/引用
No.6744-9 - 2018/03/06 (火) 17:47:36 - 小言幸兵衛
normalized cDNA libraryは、二本鎖にしたcDNAの混合物に変性→アニーリングの操作を行なうと、相同な配列を持つクローンが沢山含まれているほど(つまり発現量の高いmRNAに対するクローンほど)アニーリングしやすいことを利用して、二本鎖DNAを特異的に吸着、もしくは分解することでレアな配列を濃縮しようとするもので、いわゆるサブトラクションとはちょっと違うと思う。

でも、目的にも依るだろうけど、そこまで凝ったことをしなくて良いのでは?

(無題) 削除/引用
No.6744-8 - 2018/03/06 (火) 15:32:18 - YK
トピ主です。おお様、ありがとうございます!

> サブトラクション法はたとえばがん細胞と正常細胞の間で行って、がん細胞に発現が強いものとかそういうものをクローニングする手法です。この場合はその遺伝子の活性や役割に関係なくがん細胞で発現が強いものがランダムに拾えると言っていいでしょう。

なるほど、ではそのようにして癌抗原が拾えるのですね。勉強になります。
ライブラリーの標準化というのも同じ手段で行われているのでしょうかね。

> 4.7 x 10^6とか言う数字は一分子のmRNAがcDNAとなってライブラリーの中に含まれているのを1とカウントします。アクチンはだから多コピーあります。

宝バイオのページにもライブラリーにはアクチンは多コピーあると書かれてありました。それに負けじとも劣らない発現を示すものでどうにか受容体Xのリガンドが取れたらと期待しています・・・。

おお様、ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6744-7 - 2018/03/06 (火) 15:29:33 - YK
トピ主です。mon様、大変詳しく書いてくださり、ありがとうございます!

> YKさんの「サブトラクション」を施したものは、均一化cDNAライブラリーと言います。

知りませんでした。normalizedとかかれてある理由が漸くわかりました。そうだったのですね。

> また、通常cDNAライブラリーは、plasmid等にクローン化していないもののほうが多く販売されていると思います。

ということは自分で適切なプラスミドにクローン化することを前提としているのでしょうか?

> 発現クローニングには、面倒(時間が掛かる)なので今や購入する方が多いと思います。
> cDNAライブラリーの品質は、ライブラリーに含まれる遺伝子の種類とその長さのバリエーションです。

なるほど、ライブラリーの出来不出来というのはこういうことを指しているんですね。

全くの門外漢の私でもライブラリーについて少し理解に近づけたと思います。しっかり勉強をして、自作をするか、購入するかを決めたいと思います。また、目ぼしい組織は今の所見つけられていませんので、その時には精巣や胎児脳をソースとしたライブラリーを考えたいと思います。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6744-6 - 2018/03/06 (火) 15:24:18 - YK
トピ主です。AP様、ありがとうございます。

Web版のモレキュロを持っていました!
確かにチャプター11にcDNAライブラリーについてかかれてありました。
このモレキュロが最新のものではないと思いますが、まずきちんと原理や歴史的背景を理解することにします。ありがとうございます。

> それでも哺乳類で数十万のオーダーのクローン数があれば大抵取れる計算だったか? amplifyしたライブラリーだとその数倍。

それでしたら10^6あれば大丈夫そうですね。


> cDNAライブラリーは自作が普通でした。研究対象のライブラリーが必ずしも市販されているとは限らないし。お金があれば外注とかはあったにしても。

自作が普通、という感覚的なことが聞けてとても参考になりました。
アメリカでは(?)まだ普通にライブラリー構築キットは売られているようですが、まずは自作で考えてみようと思います。

(無題) 削除/引用
No.6744-5 - 2018/03/06 (火) 13:24:56 - おお
サブトラクション法はたとえばがん細胞と正常細胞の間で行って、がん細胞に発現が強いものとかそういうものをクローニングする手法です。この場合はその遺伝子の活性や役割に関係なくがん細胞で発現が強いものがランダムに拾えると言っていいでしょう。

4.7 x 10^6とか言う数字は一分子のmRNAがcDNAとなってライブラリーの中に含まれているのを1とカウントします。アクチンはだから多コピーあります。

(無題) 削除/引用
No.6744-4 - 2018/03/06 (火) 12:59:39 - mon
YKさんの「サブトラクション」を施したものは、均一化cDNAライブラリーと言います。
また、通常cDNAライブラリーは、plasmid等にクローン化していないもののほうが多く販売されていると思います。
発現クローニングには、PCR等で増幅(かつ制限酵素部位などを連結して、あるいは直接、さらにはサイズ分画して)その系にあったベクターにクローニング>形質転換する必要があります。Y2Hなどではそれなりのクローン数を得るのは面倒(時間が掛かる)なので今や購入する方が多いと思います。
cDNAライブラリーの品質は、ライブラリーに含まれる遺伝子の種類とその長さのバリエーションです。長さはコード領域全長が含まれているか、あるいはmRNAの5’UTR全長までが含まれている(いわゆる完全長cDNA)か、を意味していてcDNAライブラリーの使用目的に応じてどちらが良いか変わります。
完全長cDNAライブラリーを作るkitも販売されています(自作も出来ます)。
ライブラリーに含まれる遺伝子の種類は、材料のmRNAの由来によって変化します。
臓器ごとや胎児由来とかで、変化します。もちろんそれらのcDNAをミックスしたものも売っています。ヒト由来だとmRNA(total RNA)が貴重・高価なのでRNAの扱いに慣れていなければcDNAになったものを購入するのも一法です。

(無題) 削除/引用
No.6744-3 - 2018/03/06 (火) 12:19:27 - AP
Molecular Cloningでも読んだらいいと思う。
必要なクローン数の見積とか、そういう理論的な記載も豊富。
ひょっとしたら4thじゃなくて2ndか3rd editionがいいかも。
たしか、全mRNA中でabundant speciesが90%くらいを占めて、残りにrare speciesがひしめいているんだったかな。それでも哺乳類で数十万のオーダーのクローン数があれば大抵取れる計算だったか? amplifyしたライブラリーだとその数倍。

cDNAライブラリーは自作が普通でした。研究対象のライブラリーが必ずしも市販されているとは限らないし。お金があれば外注とかはあったにしても。

なので、その頃は各社からcDNAライブラリー作成キットが出ていたのだけれど、いまだと、自前で試薬等をそろえなきゃならないかも。プロトコールや最適化も自力で。

(無題) 削除/引用
No.6744-2 - 2018/03/06 (火) 08:44:25 - YK
トピ主です。

>あるいはハウスキーピング遺伝子のクローンが選択的に除かれているようなライブラリーは存在しますでしょうか?

自分で質問しておいて、自分で回答を見つけたのですが、サブトラクション法と呼ばれるものがあるのですね。たとえば除去したり遺伝子のmRNAプローブをビオチン化しておき、それとハイブリダイズしたものをビオチンアビジン相互作用で除去するというものですね。なるほど。

cDNAライブラリの市販品について。 削除/引用
No.6744-1 - 2018/03/06 (火) 08:31:30 - YK
いつも勉強させていただいております。

cDNAライブラリを用いた発現クローニングの勉強をしている者です。
発現クローニングの原理は理解したつもりです。
ですが、cDNAライブラリというのが実際にはどういったものか、タカラバイオ社の説明文書は読んではいたのですが、しっかり認識できていないです。

たとえば、タカラバイオ社で売られているライブラリの説明文書には、「Number of independent clones (before amplication): 4.7 x 10^6」とかかれています。これはつまり組織に発現しているmRNAクローンが、プラスミドにクローニングされた形で4.7 x 10^6個含まれている、ということだと理解しています。

そこで数点、疑問が湧くのですが、ヒトの総遺伝子数が3万程度だとすると、4.7 x 10^6もあればほぼ全ての遺伝子が含まれていると考えてもいいのか、それとも4.7 x 10^6のほとんどがbeta-actinなどのハウスキーピング遺伝子なのかが知りたいです。つまり、ローコピーな発現を示す遺伝子はこのライブラリーに含まれていない可能性はあるのでしょうか?あるいはハウスキーピング遺伝子のクローンが選択的に除かれているようなライブラリーは存在しますでしょうか?原理的にそれは難しそうな気がします。。

もう一つは、私自身、基礎研究歴が10年を超えており、手先も器用だとは思いますが、ライブラリは自作してもなんとかなるものでしょうか?あるいは市販品の質を自作で得ることは難しいでしょうか?当方、海外に所属しており、経済的に困窮しているわけではないのですが、もし自作できるのであれば経験を増やすためにも行ってみたいと考えています。

長くなり大変恐縮していますが、皆様からのご意見をお待ちしています。

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