DoxでOnになるほうのシステムでstable cell lineの樹立を試みているのですが、発現レベルが満足いくものでなく、改善方法を模索しています。
まず最初はクローンテックの3rd generation Tet on system (PTRE3G とpCMV-Tet3G)を用いる方法で、いきました。まずpCMV-Tet3GをtfxnしNeoでセレクションをかけ、コロニーをひろいそのうちtop3のクローンを用いて目的の遺伝子をクローニングしたPTRE3GをまずはtfxnしtransientにDoxでの誘導を見ました(WB)。発現は満足いく結果は得られたものの、まずpCMV-Tet3Gのstable cell lineを樹立した時点で細胞の形態やトリプシンではがれる時間が親細胞と比べ多く異なってきており、しかも目的遺伝子を入れたPTRE3Gをtfxnしてstable cell lineを樹立しようとするとPuroでセレクションをかける前に細胞がほとんど死んでしまいます(tfxnから48時間後)。これは目的遺伝子を入れてないPTRE3Gのtfxnでも同様のことが起こるので、2度にわたるtfxnによるストレスが関係してるのではないかと推測しています。
次にクローンテックの同様のシステムでレンチウイルスを使う方法で再挑戦しました。まずレンチベースでTet3Gを発現するstable cell lineを樹立(この場合コロニーは拾わずにバルクです)しました。先に述べたtfxnでコロニーから樹立した細胞でのケースで見られたような細胞の性質の変化もなく、その後のTfxnで死んでしまうこともありません。またDoxによる発現の誘導も目的の遺伝子をクローニングしたPTRE3Gのtfxnの場合は非常に納得できるレベルでした。この結果には満足なのですが、レンチベースのシステムでTRE3Gによって制御される目的遺伝子の発現を十分にPuroでセレクションをかけた場合、今度は目的とする遺伝子の発現が非常に弱いといった結果でした。レンチの場合発現が低くなってしまうなどという傾向ってあるものなのでしょうか?もちろんtransient transfectionと長期にわたってけいだいしたstable cell lineでの発現レベルの比較はできないことは理解していますが、Puroでのselectionは数日で完了したので長期のけいだいというバイアスでどこまで意味があるかは疑問です。
目的遺伝子は低レベルの発現では細胞毒性はないのですが高レベルだと多少ROSを産生する事が知られているので、on/offできるシステムを構築したいのです。
もしクローンテックのシステムではなく他社の者などで、よい経験をお持ちの方などいらっしゃいましたら些細なことでも結構ですのでsuggestionいただけると幸いです。 |
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