FBSに関して、少ない方が良いです。
理由1:非特異的吸着およびウシIgGの混入を減らす(proteinAには結合しづらいので問題にならないときも多い)
理由2: 粘性
細胞が増える必要が無い遺伝子導入後に2%(事前にcheck)に減らすのも有効です。
Advanced DMEM等なら1%でも大丈夫だと思います。低IgG FBSも市販されています。ITSを添加しても使用FBS量を減らせますが、脂肪酸を添加した方が良いかもしれません。
回収量に関して、遺伝子・ベクター・培地組成(培養条件)によってまちまちです。
通常のDMEM+2%FBSなら0.01~20ug/mL程度でしょうか。分泌タンパクなので2~3日ではなく、5~6日の培養(死滅し始める程度)まで培養した方が収量が増えます(misfolded proteinも増える可能性もあるので注意)。
発現量を上げる工夫は、培地をprotein(アミノ酸)-richする(非必須アミノ酸+Glucose、TC-Yeastlate, Yeast Extractsの添加、pHを維持するためのHEPESの添加、市販培地の利用)、CMV系のpromoterならforskolinやバルプロ酸ナトリウム(VPA)の添加あたりが簡便です。
CHO細胞系なら32℃に培養温度を下げるのも有効です(増殖速度が落ちる)が、293細胞系では効果はないようです。
市販の高発現用ベクターや高密度浮遊培養系は高価ですが、条件検討の手間が少ない(〜ない)ため生産性は高いです。悪くても20ug/mL〜数100ug/mLは見込めます。
なお、293細胞よりCHO細胞の方が分泌タンパクの生産能力は高いです。コンフルエントになっても死滅しづらいのも有利です。 |
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