昔は酵素標品といっても由来生物から直接精製していたものだから、保存中の失活はプロテアーゼなどのキャリーオーバーによって分解が進んでたんじゃないかなあと思います。
今はほとんどの酵素がリコンビで、高発現させるのでS/Nが高い上に、タグなんかを使って高度に精製されていますからね。室温で放置してもびくともしなくなったものが多くなった感がありますね。制限酵素一般がそうだし、CIAPなんかも(かつては本当に牛の腸から精製されていて、すぐに分解されてしまうので硫安沈殿で流通していたそう)。
研究開発中ではあるみたいですが、HRPはまだリコンビが実用化されていないみたいですけどね。精製手法や精度は日々改良されているはずですから、夾雑物の残存なんかも少なくなっていて、古い論文の記述なんかアテにならないかも。
大抵の酵素は精製を完璧に近づけてプロテアーゼなんかを徹底的に除去してやれば、言われているほど失活するもんじゃないんじゃないかと思う今日このごろ。
そういえば、かつて分子生物学で使われるいろいろな酵素反応系をガラス化して室温で保存できるシリーズが販売されていましたけどね(ファルマシア?)。
流行らないうちに会社がなくなっちゃった。 |
|