1.ade2かade1の変異株以外で赤いコロニーが生じた経験は私にはありません。赤い色素はアデニン代謝の中間産物であるP-ribosylamino imidazole(AIR)が蓄積して重合したものですので、そういう状況が生じればこれらの変異株以外でも赤くなることはあり得なくはないのかなと思いますが。お使いの株のgenotypeと培養条件はどのようになっていますか?
2.これも私自身は意識したことがありませんでしたが、色素がAIRのヘテロな重合物であることから考えると、重合の核となるような色素があると重合反応が進みやすいというようかことはあるかもしれません。
3.この色素が微小管の重合を邪魔すると聞いたことがあります。生合成経路のさらに上流に変異を生じて白いコロニーを作るようになった株は、赤い親株より元気なコロニーを作ることはよく経験します。それ以前に、アデニンの生合成に不具合があるわけですから、そちらの理由からも生育には影響があるでしょうね。
4.高分子なのでエタノール沈殿されます。また、ヘテロな重合物なのできれいに分画するのは難しいと思います。DNAならば精製用のカラムなどで除けるかもしれません。還元剤を入れてインキュベートすると脱重合したりするかもしれません(しないかもしれません)。
ご覧になっているのが本当にAIRの重合物である赤い色素なのかどうかで対応は全く違ってくると思います。もし、本当にAIR重合物であるならば、培地に十分量(もしくは過剰量)のアデニンを加えておけば、アデニン生合成経路は発現のレベルでも活性のレベルでも抑制されるでしょうから、色素の蓄積は起こらなくなるはずだと思います。 |
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