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栄養要求マーカーをセレクションに用いたい トピック削除
No.6415-TOPIC - 2017/10/25 (水) 10:24:33 - 酵母
非常に基本的な話かもしれず恐縮なのですが、酵母の染色体上の遺伝子に小さいタグ(FLAGとかMycとか)をつけようと思っています。

例えば市販されているTAPタグ化ストレインですと、HIS3MX6なるものをセレクションマーカーとして用いているようです。
dharmacon.gelifesciences.com/cdnas-and-orfs/non-mammalian-cdnas-and-orfs/yeast/yeast-tap-tagged-orfs/

今回これを真似して「タグ+HIS3」を染色体上(特定の遺伝子のC末端)に導入しようと思うのですが、このHIS3というのは、pRS313などの「HIS3」とラベルされた配列を用いてもいいものなのでしょうか?
addgene.org/browse/sequence_vdb/3972/

ベクターマップを見ると、「HIS3」の部分はATGから始まっており、プロモーターとか諸々がないよな、と思えるのですが、この部分だけでは機能するマーカーとして使えないということでしょうか?
しかし、該当のプラスミドではHIS3マーカーとして用いられている訳で、マップ上のラベルされている部分より少し上流(200bpぐらい?)から増やせばよいのか、しかしその場合も、タグ化したい遺伝子のストップコドン直後からそれをつなげてもよいものなのかなど、疑問がつきません。

さしあたっての疑問点として、栄養要求マーカーのプロモーターはどうなっているのか、アドバイスいただけると大変助かります。

よろしくお願いいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.6415-13 - 2017/10/26 (木) 10:22:27 - 酵母
投稿が入れ違いになってしまいました。

なるほど、Mat aとかって何のために存在するんだ、ただ物事をややこしくているだけの嫌がらせか?…とか思っていたのですが、そういう用途があったんですね。(もちろん究極的には、「なぜ男女が存在するのか?」というのと同じで、存在するから存在するんだという話ではあると思いますが)

どうしても困ったら四分子解析の行えるラボを訪問してみようと思います。


酵母を扱っているラボは、弘法さんのようにgenerousな所・人が多いと思っていましたが、伝統としてそういう気風があるんですね。助言をいただいた立場として、本当にありがたかったので、いつか自分もその輪をつないでいけるようになりたいと心から思いました。
繰り返しですが、どうもありがとうございました。また何かあったら投稿させていただくかもしれませんが、その節はよろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.6415-12 - 2017/10/26 (木) 09:59:02 - 酵母
弘法さん

懇切丁寧なご説明、心より感謝します。
URA3を使うことにしたのでhis3delta1は調べていなかったのですが、完全長欠失ではないんですね。勉強になりました。一方ura3delta0は-223から+880のKOのようで、これは問題なく使えそうです。

ターミネーターに関しては、やはり無視してはいけないんですね…!実は見切り発車で1つめの遺伝子の後ろにタグ+URA3を挿入するためのプライマーセットを既に注文してしまったのですが(タグの後、即URA3の5'UTRをつなげるという形で)、幸い前述の通りURA3はタグ導入後取り除く予定だったので、URA3のKOのついでに、その場所を置換する形でターミネーター配列を導入する感じにしようかと思います。
…と思いきや、染色体上に存在するターミネーターを用いた場合、そこも組み換えされてしまう可能性がありますね。染色体上に無い人工ターミネーター配列ってあるんでしょうか…?
…と思いきやと思いきや、もう一歩よく考えたら、単純にURA3をKOすれば、元の遺伝子の3'UTRがそのままタグの後ろに復帰する形になりますね。ということで、単純にURA3をKOすれば良さそうですね。2本の長めのオリゴを使うだけでいけそうかな、という気がしていますが(タグ配列を丸々含む、対象遺伝子の3'側と3'UTRの相同配列でリコンビネーション)、後ほどよく考えてみます。

同じタグの挿入は、不可能ではなさそうだという感じのようですね。できれば同じタグの方が検出等が便利なので、同じタグで挑戦してみようと思います。苦し紛れに、DNA配列を、タンパク配列が変わらない形でちょっといじろうかと思います(もちろん酵母のレアコドンは避けて)。

酵母の遺伝学も、こんな表層レベル程度の話でも意外と奥が深いですね。ご提示いただいた他の情報含め、しっかり学んで身につけていこうと思います。本当にどうもありがとうございました!!

(無題) 削除/引用
No.6415-11 - 2017/10/26 (木) 09:48:01 - 弘法
また、複数の遺伝子に同じマーカーでタグを入れたいなら、別々の株でタグを入れておいて、掛け合わせをして子孫から両方のタグを持つ株を得る方法がありますが、酵母のラボの助力が得られないと難しいかもしれません。

酵母のコミュニティーにはマテリアルや助言を快く分け与える文化が昔からあるので(今のように何でもPCRで作れるようになる前は、そうやってお互さまの精神でやらないと仕事が進まなかったからだと元ボスは言っていました)、同じ大学や研究所に酵母のラボがあったらまずは相談してみればいかがでしょうか。

(無題) 削除/引用
No.6415-10 - 2017/10/26 (木) 08:44:22 - 弘法
では順に。

his3delta1は「187 bp HindIII-HindIII internal deletion」なので、その目的にはまず使えません。

タグの後ろにはもちろんターミネーター配列が必要です。マップでは省略されている場合があるかもしれませんが。No.6415-7にも全て入っています。

URA3を繰り返し利用して複数のタグを導入することはもちろん可能です。そのためのベクターも(これまた)いくつも報告されています。あるものはURA3をタンデムな配列で挟んだだけ、あるものはloxP配列で挟んだもの、あるものはタンデムな2つのタグで挟んで、抜けた後にタグが一つ残るようにしたもの、などです。

また、マーカーの数が問題であれば、今は種々の薬剤耐性マーカーが開発されているので、それを用いるのが手っ取り早いと思います。

複数の遺伝子に同じタグを導入する場合は、確かに最初のタグや最初のマーカー(MX6シリーズは同じプロモーター+ターミネーターを持つ)が相同組換えの標的になる可能性があります。十分な数をスクリーニングすることで望む株を得ることができる場合もあるし、難しい場合もあるでしょう。難しい場合には、相同領域が長ければそちらで組換わる確率が上がりますから、PCR sewingで長いhomologous armsを持たせれば解決すると思います。

いずれにせよ、自分で新たにプラスミドを構築するより、既存のものを利用することを強くお勧めします。時間はタダではありませんので。

(無題) 削除/引用
No.6415-9 - 2017/10/26 (木) 02:16:19 - 酵母
ターミネーターに関する質問に加えて1つ気になる点が出てきたのですが、URA3マーカーを用いた場合、タグの導入後、さらにもう一度ホモロガスリコンビネーションでURA3をKOし、5FOAで選択することで、株をUra3要求性に戻すことは可能なのでしょうか?
「理論上可能で、できると思うならできるんだろ、いちいち聞くなよ」という感じかもしれませんが、何か見落としがちな落とし穴がないか確認させていただければ幸いです。

複数の遺伝子に複数のタグを導入できればと思っていたものの選択マーカーの数の制限で悩んでいたんですが、これが可能ならばURA3マーカーを出したり入れたりすることでいくらでも導入できそうですね。
しかし、例えば同じFLAGタグを複数導入しようとする場合、24塩基が完全一致するので2回目以降の導入はそこで置換が起こる可能性もありやや危険でしょうか…?なるべくならタグは変えた方が良かったりする感じですかね…?

酵母素人で、周りに上手く質問できる人もいないためレベルの低い質問を何度も恐縮ですが、よろしくお願いします。

(無題) 削除/引用
No.6415-8 - 2017/10/25 (水) 22:28:48 - 酵母
弘法さん
情報大変ありがとうございます。なるほど、HIS3MX6というのはそういうものだったんですね!
使う予定の株はBY4741で、his3delta1なので…大丈夫かどうか調べてみようと思います。

タグとHIS3カセットの間については、これは特に気にせずストップコドン→直でHIS3カセットという構造で問題ないのでしょうか…?ターミネーターがないので、対象遺伝子+タグのmRNAがきちんと発現するのかどうかが気がかりです。

(無題) 削除/引用
No.6415-7 - 2017/10/25 (水) 18:05:26 - 弘法
Addgeneの該当するプラスミドでしたら、

FLAG
https://www.addgene.org/20750/
/20753/

myc
/41602/

HIS3でなくG418選択で良いなら、

/20751/
20754/
/15983/

など、検索すれば沢山出てきます。

(無題) 削除/引用
No.6415-6 - 2017/10/25 (水) 17:56:28 - 弘法
また、AddgeneのpRS313のマップ情報は、HIS3遺伝子のORF部分にHIS3と表記しているだけで、実際にはその上流と下流を含んだ、発現し機能するHIS3遺伝子(ゲノム領域)を含んでいます。

(無題) 削除/引用
No.6415-5 - 2017/10/25 (水) 17:52:28 - 弘法
誤解をされているようですが、His3MX6というマーカーはホストのSaccharomyces cerevisiae自身が持っているHIS3と相同組換えを起こすことを避けるために人工的に構築されたものです。A. gossypiiのTEFプロモーターとターミネーター(どちらもS. cerevisiae中で機能することが確認されている)の間にSchizosaccharomyces pombeのhis5遺伝子(S. cerevisiaeのHIS3に相当)のORFを挿入したもので、S. cerevisiaeのHIS3の機能を相補することができます。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9290211

pRS313のHIS3を同じ目的に使うなら、ホストに使う株は相当する領域が完全に欠失したhis3欠損株を使わないと、形質転換体のほとんどはHIS3座位が野生型に戻ったものになります。

また、自前で作成しなくともHis3MX6を使って種々のタグを挿入するためのプラスミドはEUROSCARFやAddgeneなどからhandling fee程度の料金で入手できますし、また、多くのものは広く出回っていますので近所の酵母のラボから分けて貰えると思いますよ。

例えば
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/9717241

(無題) 削除/引用
No.6415-4 - 2017/10/25 (水) 11:08:36 - 酵母
おおさん
返信ありがとうございます。挿入された時の状態を考えると、

[対象遺伝子(ストップコドンの前まで)]-[タグ]-[Stop]-[5'UTR〜HIS3]-[対象遺伝子の3'UTR]

…となりまして、タグとHIS3カセットの間にターミネーター的なものは不要なのかというのが目下の疑問点になります。
HIS3の5'UTRがターミネーター的な役割も果たしてくれるものなのでしょうか…?

(無題) 削除/引用
No.6415-3 - 2017/10/25 (水) 10:58:04 - おお
ホモろがスリコンビネーションを利用するんでしょ、、、ならばそれで挿入された時の状態を考えればいいのでは、、、

(無題) 削除/引用
No.6415-2 - 2017/10/25 (水) 10:33:51 - 酵母
即レスの自己レスで申し訳ないのですが、先ほどのAddgeneの配列をよく調べたら、「HIS3」とラベルしてある所の上流は、まさに酵母のHIS3遺伝子の5'UTR部が使われていました。312塩基ほどが一致していますね。

ということは、プラスミドの、この312塩基上流からHIS3部分までをテンプレートにしてPCRで増やして用いればOK、という感じでしょうか。

対象遺伝子(ストップコドンの前まで)とタグの間、そしてタグとHIS3(+5'UTR)の間には、特に配列は不要ですかね…?

栄養要求マーカーをセレクションに用いたい 削除/引用
No.6415-1 - 2017/10/25 (水) 10:24:33 - 酵母
非常に基本的な話かもしれず恐縮なのですが、酵母の染色体上の遺伝子に小さいタグ(FLAGとかMycとか)をつけようと思っています。

例えば市販されているTAPタグ化ストレインですと、HIS3MX6なるものをセレクションマーカーとして用いているようです。
dharmacon.gelifesciences.com/cdnas-and-orfs/non-mammalian-cdnas-and-orfs/yeast/yeast-tap-tagged-orfs/

今回これを真似して「タグ+HIS3」を染色体上(特定の遺伝子のC末端)に導入しようと思うのですが、このHIS3というのは、pRS313などの「HIS3」とラベルされた配列を用いてもいいものなのでしょうか?
addgene.org/browse/sequence_vdb/3972/

ベクターマップを見ると、「HIS3」の部分はATGから始まっており、プロモーターとか諸々がないよな、と思えるのですが、この部分だけでは機能するマーカーとして使えないということでしょうか?
しかし、該当のプラスミドではHIS3マーカーとして用いられている訳で、マップ上のラベルされている部分より少し上流(200bpぐらい?)から増やせばよいのか、しかしその場合も、タグ化したい遺伝子のストップコドン直後からそれをつなげてもよいものなのかなど、疑問がつきません。

さしあたっての疑問点として、栄養要求マーカーのプロモーターはどうなっているのか、アドバイスいただけると大変助かります。

よろしくお願いいたします。

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