トピックの通りです.
MC3T3-E1というマウス頭蓋冠細胞を用いて実験を行っています.
細胞分画法を行い,細胞質と細胞核を分画し,それぞれに含まれるたんぱく質をウェスタンブロットによって同定してます.
そこで,細胞核タンパク質として,Histone H3をみているのですが,細胞質サンプルにHistoneの大きなバンドができてしまっています.
操作の過程で核が壊れ,核内のタンパク質成分が,細胞質サンプルに出てしまっているのが原因と考えられるのですが,どこを改善すればよいかわからずに困っています.
アドバイスを頂けると幸いです.
以下が私が行っているプロトコルです.(細胞は24wellプレートに巻いたものを使用)
1, 培地をマイクロピペットで吸い取って,PBS溶液でWashする.
2, 各wellにBuffer Aを400μLずつ加える.
3, セルスクレイパーで細胞を擦り取り,マイクロピペットでエッペンチューブに移す
4, 氷上で10分間冷やす
5, ボルテックスで10秒間,かき混ぜる.
6, 4℃,3000 rpmで10分間,遠心分離を行う
7, 上澄み液を細胞質として採取する.
8, 採取したものから,100μL取り出し,6×SBを20μL加えて-30℃保存.
ここまでが細胞質サンプルを取得した手技ですが,核の手技も以下に載せておきます.
9, チューブに残った溶液は,ペレット状のものを残して,吸いとって捨てる
10, Buffer Aを400μLずつ加える
11, ボルテックスで10秒間,かき混ぜる.
12, 4℃,3000 rpmで2分間,遠心分離を行う.
13, 上澄み液を吸い取って捨てる.
14, 工程10〜13を2回,繰り返す.
15, 核のペレットにBuffer Cを100μLずついれ,5分間,氷上に静置する.
16, ボルテックスで10秒間,かき混ぜる.
17, 工程15と16を4回,繰り返す.(計20分)
18, 4℃,3000 rpmで2分間,遠心分離を行う
19, 上澄み液を細胞核として採取する.
以下がBufferAとBufferCの成分です.
Buffer A (50 mL)の成分
10mM HEPES-KOH (pH 7.9)
1.5mM MgCl2
10mM KCl
0.5mM DTT
0.2mM PMSF
Buffer C (50 mL)の作成
20mM HEPES-KOH (pH 7.9)
25% Glycerol
420mM NaCl
1.5mM MgCl2
0.5mM DTT
0.2mM PMSF |
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