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形質転換効率を上げる トピック削除
No.6327-TOPIC - 2017/09/20 (水) 12:22:21 - tf
至って平凡な大腸菌の形質転換についてです。

何の変哲もないGFPプラスミド (kan) に変異を導入しているのですが、どうも形質転換効率が著しく悪い感じです(かなり多めに、100 ngとかのプラスミドで点変異導入を行っても、DpnI (-) のサンプルから一切何も生えてこない)。

変異導入に用いた親プラスミドが減ってきたのでその親プラスミドを用いて直接形質転換をしたところ、一応コロニーは得られましたが、通常のプラスミドを用いた形質転換より効率はかなり悪い印象でした。
親プラスミドはGFP近傍のシークエンスが問題ないことは確認済み、濃度や260/280比、制限酵素パターン等も全て問題なしです。

基本的に普段はAmpプラスミドしか使っていないのですが、Ampプラスミドではライゲーション産物でもびっしりコロニーが生えてくるぐらいなので、コンピの効率も全く問題ないと思います(客観的な数値じゃなくて、主観的な説明ばかりで恐縮ですが)。

そうなるとカナマイシンプレートが怪しい点ではありますが、プレートを作り直しても特に状況は変わらない感じです。もちろん作り直したカナマイシンプレートもおかしい可能性はあるのですが、上記のコロニーをピックして液体培養での生育は問題ない印象なので、抗生物質濃度は問題ないように思うのですが…。

とりあえず問題は他にもありそうなものの、表題の通り形質転換効率を上げたいと思っているのですが、どのステップがクリティカルに作用し得るでしょうか?

1. 100 uLのコンピ+変異導入サンプル10 uL→On ice 30分
2. 42度45秒
3. On ice 2分
4. 回復培養、300 uLのLBを加え、シェーカーはかなり遠い所にあるので、手間を惜しんで近場にある37度ウォーターバスで30分
5. 遠心 5 krpm、2分
6. 上清のLBをデカントで捨て、これまた手間を惜しんで残ったLB 100 uLぐらいをそのままプレーティング

書いてて思ったのは、回復培養をSOC培地にして、きちんと振盪培養をするのは確実に効果がありそうですね。
あとは、コンピの量を2倍に増やすと、2倍とはいかないまでも一般的に形質転換体は増えるものでしょうか…?
最初の氷上時間も延ばすと効率アップ…?回復培養の時間は、意外と延ばしても効率は改善しないと見た記憶があります。

現状形質転換以外に問題がある可能性も高いのですが、それはともかく一般的な知識としてちょっと知っておきたくなったので、質問させていただきました。
何か経験則として情報がありましたら、ご教示いただけると大変ありがたく思います。まぁ、自分で試せよという話でもあるのですが…。
 
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(無題) 削除/引用
No.6327-17 - 2017/09/23 (土) 08:26:55 - tf
APさん、わざわざありがとうございます。高校化学の話でしたね。我ながら、少し考えれば分かることを全く自分で考えようともせず丸投げというのは本当に悪い癖なので、反省しきりです。

コロニーが生えてきたと喜んでいましたが、言われてみればおおさんのおっしゃる通り、形質転換効率はちょっと低すぎるレベルですね。サンプルによっては一面びっしり生えてくるので、コンピが悪いわけではないと思うのですが…。ちょうどフリーザーの故障→買い替えをしたので、ひょっとするとコンピがへたってきているのかもしれません(しかし、−50度程度で別のフリーザーに避難したので、そんなに問題とも思えませんが…)。このプラスミドで今後の実験で気になる点が出てこないか、注意して進めようと思います。

いずれにせよ効率が悪いなりに改善はできたので、書き込んでいただけた皆さまには重ねてお礼申し上げます。どうもありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.6327-16 - 2017/09/23 (土) 02:47:44 - おお
>結果、DpnI (-) で0だったのが3桁のコロニー
100ngで3桁ってコンピテンシーが低すぎるような気がします。それも影響を受けている可能性がありそうです。従来KM濃度をそんなに下げなくてもしっかりコロニーができるプラスミドなので。

(無題) 削除/引用
No.6327-15 - 2017/09/23 (土) 01:08:16 - AP
TBはリン酸塩を含みますね。リン酸はカルシムなどアルカリ土類金属と難容性の塩を作りますからコンピと混ぜたら析出物ができて当然かと。

(無題) 削除/引用
No.6327-14 - 2017/09/23 (土) 00:05:30 - tf
前述の通りkan濃度を15 ug/mlに下げ、さらに回復培養をリッチな培地(通常SOCなのでしょうが、たまたまTerrific brothのプレミックス粉末があるのを見かけたので、それを使うことにしました。こういうちょっとした勝手な自己流アレンジが事故の元な気もしますが、まぁ理論上大丈夫だろうと高を括ってみました)で行ってみました。

結果、DpnI (-) で0だったのが3桁のコロニー、DpnI (+) の変異導入ポジティブ候補が10-20コロニーと、素晴らしい結果になりました。
質問して本当に良かったです。恐らくよりクリティカルに働いたのはカナマイシン濃度ですね。ストックが若干濃かった可能性もありますし、とにかくカナマイシンや恐らくクロラムフェニコールなんかの抗生物質でも、濃度はあまり高くあげすぎない方が良いということを身をもって学べました。


ただ、最後にもう一点だけ質問したいのですが、実は42度ヒートショック後にTerrific brothを加えたら液が白濁して、遠心後は通常の5倍ぐらい大きいペレットが形成されました。これは、塩が析出した形なんでしょうかね…?ヤバイかなと思いつつ、ここまで来たのでもう退けまいと気にせず進めて、結果大問題ではない形にはなりましたが、あれは何だったのか、回復培養やその後の培養に問題はなかったのか、若干気になりました。
分かる方がいらっしゃいましたら情報いただけると大変幸いです。

(無題) 削除/引用
No.6327-13 - 2017/09/21 (木) 15:38:19 - おお
pEGFP-C1はそんなに難しいプラスミドではなかったと記憶しています。

コンピも他でワークしているとかなら、どうだろうプラスミド自身かプレートか問題なのかな、、、プレート作り直しとかしてなかったら、抗生物質の濃度など間違えがないか確認しながら作り直してもいいのかも、、、

あと変なファージがこんたみしてたらやだな。。。

(無題) 削除/引用
No.6327-12 - 2017/09/21 (木) 07:02:11 - tf
monさん、情報ありがとうございます。

qqさんの挙げられたプラスミドと同じoriだったので適当に「ローコピーですね」などと書いちゃいましたが、そんな因子もあったんですね。完全に勉強不足で恥ずかしい限りですが、実際ミニプレップでは数ugのDNAが余裕で得られているので、もっとよく考えて言葉を発すべきでした。

そうするとこれはハイコピーに分類されうるプラスミドということですが、それでも50 ug/mLのカナマイシンは少し厳しすぎたのかもしれませんね。いずれにせよkan濃度を下げて試してみます。

回復培養の培地も、それなりにクリティカルに効いてくるようですね。まぁ、だからこそ、どのプロトコルでもLBではない培地が推奨されているのかもしれませんが。

抗生物質と培地とどちらがより効果的なのかが曖昧になるので実験として悪手かもしれませんが、目的はモノを取ることなので、この際両方改善させてどうなるか見てみようと思います。

有用なアドバイスどうもありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.6327-11 - 2017/09/21 (木) 05:50:01 - mon
>使用プラスミドはpEGFP-C1です。pBR322 ori…これはローコピー数ですね。
いえ、rop遺伝子領域を含んでいないのでhigh copyです。
miniprep(1mL培養)で数ugのplasmidが得られませんか?

なお、回復培養にSOCではなくLBにすると形質転換効率は1/2-1/5程度になります。
LB+glucoseだとやや良い。

(無題) 削除/引用
No.6327-10 - 2017/09/21 (木) 00:02:13 - tf
APさん、qqさん、引き続き情報ありがとうございます。

なるほど、液体培養では生育したのでkan濃度は全く問題ないと思っていたのですが、プレートでのセレクション段階では高すぎたという可能性がありますね!

使用プラスミドはpEGFP-C1です。pBR322 ori…これはローコピー数ですね。盲点でした。使用カナマイシン濃度は50 ug/mLでしたが、これを下げるのが現状形質転換うんぬんより何より重要な点に思えてきました。

次回kanを下げて試した結果を、一応備忘録としてまた書き込ませていただこうかと思います。
質問の核がどこなのか分からず漫然と書きなぐってしまいましたが、核心に気付かせていただけ質問してみてよかったです。ちょっと気が早いですが、どうもありがとうございました…!

(無題) 削除/引用
No.6327-9 - 2017/09/20 (水) 17:39:58 - AP
>stratageneのpCMV-tag3とnova-geneのpET35を使ったことがありますが

どちらもローコピーのようですから、ハイコピーと同じつもりで抗生物質を加えないように注意した方がいいですね。逆にハイコピーとを使う時にその濃度だと力価不足になるかもしれないし。

>2時間とか、長すぎないですか、分裂を数回してそうで、、、
私もそう思います。

(無題) 削除/引用
No.6327-8 - 2017/09/20 (水) 16:01:19 - qq
カナマイシンの濃度が高すぎるということは無いですか?15ug/ml程度で選択したような気がします。Ampよりはかなり薄い感じです。
大腸菌で使ったKan付きのベクタは、stratageneのpCMV-tag3とnova-geneのpET35を使ったことがありますが、恥ずかしながら、Kanamycinの濃度を間違えて100ug/mlで全滅させたことがあります。
何の変哲もないGFPベクタであれば、必ずうまく行くはずですから、どこかに変哲があるのです。可能な範囲で構造なり出処なりを明かすほうが良いんじゃない?使ったことのあるひともいるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.6327-7 - 2017/09/20 (水) 14:51:13 - tf
APさん、おおさん、重ね重ねありがとうございます。

30分は、このフォーラムではなくこのサイトでした。
lablogue.dreamlog.jp/archives/1029295130.html

…が、30分でいいと思ったのは、恐らくこれもおおさんの以前のどこかでの書き込み、「長すぎるのも良くないと思う」というのを見たのがきっかけだったように思います。

生き残っているプロトコールが基本的に最適化されているものなのはまさにそう思っているのですが、たまに古い伝統が生き残っていることもあるので(エタ沈前の-20度保存とか)、「経験則として実はこれは」的なTIPSを聞いてみたかった形です。
またこれもおおさんのおっしゃる通り、恐らく形質転換の多少の効率で今回の系が劇的に変わるわけでもないと思いますが、これも最初の投稿の最後に書いた通り一般論としてちょっと形質転換の最適化が気になった、という形です。

話が二転三転して恐縮ですが、自分の実験のトラブルに関して、プラスミドについては、全く何の変哲もないGFPベクターです。特に何の遺伝子を入れている訳でもなく、むしろちょっとGFPの部分を削っている形です。
変異導入には新しくミニプレップし直したプラスミドも用いてみましたが、何も生えませんでした(前述の通り、100 ngのプラスミドを鋳型として始めて、半分をDpnI(-)にもっていっても1コロニーも生えません)。

やっぱりプラスミドが何かおかしいんですかね。形質転換辺りでできそうなことをもう少し色々いじくって、ダメだったらもっと上流に遡って考えてみようかと思います。

(無題) 削除/引用
No.6327-6 - 2017/09/20 (水) 13:43:47 - おお
>2-3時間置け
2時間とか、長すぎないですか、分裂を数回してそうで、、、

(無題) 削除/引用
No.6327-5 - 2017/09/20 (水) 13:40:23 - おお
まず、TFの条件ですが、通常こういう方法を樹立するときに複数の条件(時間とか)を振りながらベストな条件を絞り込むものなので、プロトコールの条件はそうやって見つけられたベストの条件であろうと思えるわけです。逆に言うといじると悪くなる可能性のほうが高い。とはいってもどこまで綿密に条件検討したか、見落としがあるかなども考えられなくはないので、全く可能性がないとは言いませんけど、、、

また、効率が若干変わったとして、あなたの実験の解決になりますか?変異体を作っているようですが、Dpn+で取れるものはDnp-で取れるもの以上に効率が良くないといけないということはありませんか?(ただし方法論によるかもしれませんけど)。

個人的にはそのプラスミド自身を疑います。ヌクレアーゼが入っていて保存中に分解されてしまった(精製後のUV, 電気泳動などでは大丈夫に見えても)とか、あまり吸収に影響を与えないがなにか混じっているとか、、、そういう場合は一応ストックからTFしてコロニーができているようなので、そこから精製し直すと改善される可能性はあります。

そのプラスミドになにか特別な物がついていませんか?自殺遺伝子とか、、、

(無題) 削除/引用
No.6327-4 - 2017/09/20 (水) 13:33:54 - AP
30分でいいって話あったかしら。むしろ2-3時間置けという意見は見たことがあるが。

(無題) 削除/引用
No.6327-3 - 2017/09/20 (水) 13:29:07 - tf
APさん、アドバイスありがとうございます。

なるほど、30分がちょっと短すぎたんですね。確かこのフォーラムで30分で十分と見た記憶があったのですが、記憶違いだったのかもしれません。
Ampに関しては、当然のごとく手間を惜しんで回復培養は省略しています。今まで問題になったことはない気がしますが、一度外部の人と話をしていて「大腸菌いじめますね…!」と驚かれたことはあります。

次回はしっかり回復培養時間を延ばしてみようと思います。情報ありがとうございました。

(無題) 削除/引用
No.6327-2 - 2017/09/20 (水) 13:13:32 - AP
Kanなど、タンパク質合成阻害系の選択の場合、回復培養30分は短すぎ。
教科書どおりなら1時間は欲しい(最近のMolecular Cloningだと、45分になってたかな?)。
そこが細胞壁の合成阻害のampとちがうところ。ラクタマーゼが発現する前にプレーティングしても、後から発現するからいい。
タンパク質合成阻害系だと、あらかじめ回復培養で十分発現しておかなかれば、プレーティングしてからは発現が止まっちゃう。

形質転換効率を上げる 削除/引用
No.6327-1 - 2017/09/20 (水) 12:22:21 - tf
至って平凡な大腸菌の形質転換についてです。

何の変哲もないGFPプラスミド (kan) に変異を導入しているのですが、どうも形質転換効率が著しく悪い感じです(かなり多めに、100 ngとかのプラスミドで点変異導入を行っても、DpnI (-) のサンプルから一切何も生えてこない)。

変異導入に用いた親プラスミドが減ってきたのでその親プラスミドを用いて直接形質転換をしたところ、一応コロニーは得られましたが、通常のプラスミドを用いた形質転換より効率はかなり悪い印象でした。
親プラスミドはGFP近傍のシークエンスが問題ないことは確認済み、濃度や260/280比、制限酵素パターン等も全て問題なしです。

基本的に普段はAmpプラスミドしか使っていないのですが、Ampプラスミドではライゲーション産物でもびっしりコロニーが生えてくるぐらいなので、コンピの効率も全く問題ないと思います(客観的な数値じゃなくて、主観的な説明ばかりで恐縮ですが)。

そうなるとカナマイシンプレートが怪しい点ではありますが、プレートを作り直しても特に状況は変わらない感じです。もちろん作り直したカナマイシンプレートもおかしい可能性はあるのですが、上記のコロニーをピックして液体培養での生育は問題ない印象なので、抗生物質濃度は問題ないように思うのですが…。

とりあえず問題は他にもありそうなものの、表題の通り形質転換効率を上げたいと思っているのですが、どのステップがクリティカルに作用し得るでしょうか?

1. 100 uLのコンピ+変異導入サンプル10 uL→On ice 30分
2. 42度45秒
3. On ice 2分
4. 回復培養、300 uLのLBを加え、シェーカーはかなり遠い所にあるので、手間を惜しんで近場にある37度ウォーターバスで30分
5. 遠心 5 krpm、2分
6. 上清のLBをデカントで捨て、これまた手間を惜しんで残ったLB 100 uLぐらいをそのままプレーティング

書いてて思ったのは、回復培養をSOC培地にして、きちんと振盪培養をするのは確実に効果がありそうですね。
あとは、コンピの量を2倍に増やすと、2倍とはいかないまでも一般的に形質転換体は増えるものでしょうか…?
最初の氷上時間も延ばすと効率アップ…?回復培養の時間は、意外と延ばしても効率は改善しないと見た記憶があります。

現状形質転換以外に問題がある可能性も高いのですが、それはともかく一般的な知識としてちょっと知っておきたくなったので、質問させていただきました。
何か経験則として情報がありましたら、ご教示いただけると大変ありがたく思います。まぁ、自分で試せよという話でもあるのですが…。

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