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GST融合タンパク質の精製後の夾雑物 トピック削除
No.6322-TOPIC - 2017/09/17 (日) 10:04:22 - コンブ
 いつも勉強させて頂いております。

 最終的には、ヒトの膜タンパク質のExtracellular Domainに対するモノクローナル抗体の作製を目指しております。抗体作製は専門会社に相談しているところです。

 GSTタグを付けて大腸菌ArcticExpressで発現させて、Gulutathione Sepharose 4Bで精製を行いました。もともと溶出効率が非常に悪く、ほぼビーズに残っている状態であったのを、溶出バッファーはビーズ容積に対して2倍量、組成は50mM Tris, 300mM NaCl, 50mM reduced Gulutathione, 3mM DTT, 0.1% Tween-20, 20% Glycerol, pH8.8で、複数回に分けて少しずつ回収してAmicon Ultra-15 Centrifugal Filter Units(with Ultracel-10 membrane 10 kDa )で濃縮を行いました。

 濃縮後のCBB染色で目的タンパク質のバンドは必要濃度(1mg/ml)得られたことは確認できたのですが、10kDaより下の5kDa周囲にスメアのような染まりがくっきりあり、これが何であるか、どうやって取り除くかを検討しております。抗体作製会社の担当者にも聞きましたが、これが何であるか分からないが、取り除いた方が良いと言われてしましました。

 GST+目的タンパク質は33kDaで、フィルターのサイズを初めから30KDaにしておけば良かったのかも知れませんが、やっと得られたタンパク質をロスするのも怖く抗体作製会社の勧めもあって10kDaで濃縮しました。
 この低分子の夾雑物を取り除く算段は、透析が確実でしょうか。よろしければ方法と使用するキット・製品等をご指南頂けますでしょうか。

 私も現在のラボに来て初めてタンパク質精製を始め、またボス含めたラボメイトにも精製に詳しい者もおらず、いつもこちらの過去ログで学ばせております。ご教授頂けると幸いです。
 
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(無題) 削除/引用
No.6322-23 - 2017/10/26 (木) 00:03:17 - コンブ
 洗浄を強化したのと溶出するグルタチオン濃度を50mM→25mMにして、不明の夾雑物はきれいに消失できました。
 目的タンパク質の収量は多少下がりましたが、洗浄が足りていなかったのと高濃度のグルタチオンで余計な有象無象が溶出していたようです。

 CBBも自作とInvitrogenの既製品を比較して、ラボの自作が染色・脱色においてもあまり良くないことも分かりました。

 皆様の御指導のお陰で次の抗体作製のステップに進めます。重ね重ねありがとうございました!ボスも喜んでくれました。

(無題) 削除/引用
No.6322-22 - 2017/10/16 (月) 06:53:14 - コンブ
>おおさん

 いつも御教授ありがとうございます。
 目的としてはFACSで使えないといけないので、スクリーニングに関しても企業と相談したいと思います。
 御意見とても参考になりました。

(無題) 削除/引用
No.6322-21 - 2017/10/15 (日) 05:15:00 - おお
FACSでつかえてもWBで使えないとか、その逆とかそういう抗体もできる可能性がありますので、使用目的にかえってどのようなスクリーニングをするのか考えてください。

(無題) 削除/引用
No.6322-20 - 2017/10/14 (土) 22:52:18 - コンブ
>抗体作製屋様

 貴重なご意見ありがとうございます。
 transfectantに関しては再度確認してみます。とても勉強になりました。

(無題) 削除/引用
No.6322-19 - 2017/10/14 (土) 09:23:38 - 抗体作製屋
> anti-GSTクローンは単独GSTあるいはほかのGST融合タンパクに対する反応性で区別できるのでGST融合のままで良いと言われていましたが、
もしかするとそこの会社でいくつかのGST融合タンパクを持っていて、先に書いた論文のように混合物に対する反応で判定するのかもしれませんね。複数あれば、完ぺきではないにしてもそれなりにanti-GSTを排除できるのかもしれません。
screeningに関しては、ヒト膜タンパクのextracellular domainということなので、transfectantのFACS染色で行うのが理想だとは思います。お願いしている会社が対応しているならばですが。

(無題) 削除/引用
No.6322-18 - 2017/10/14 (土) 07:31:54 - コンブ
>抗体作製屋さん

 詳細にご教授ありがとうございます。
 現在相談している会社からは、anti-GSTクローンは単独GSTあるいはほかのGST融合タンパクに対する反応性で区別できるのでGST融合のままで良いと言われていましたが、そうも簡単にはいかないのですね。
 スクリーニング時には免疫時と同じGST融合タンパクを用いないようにするというとても重要なことを伺えて良かったです。

 実は現在海外で研究しておりまして、抗体作製屋さんにお願いすることはできないのですが、今のラボで習得した技術を帰国後に別のものに応用しようと考えております。日本では抗体作製依頼すらしたことなかったので、その際はよろしくお願いいたします。

(無題) 削除/引用
No.6322-17 - 2017/10/13 (金) 15:39:23 - 抗体作製屋
本題から離れますけど、おおさんAPさんが書いているように確かにモノクロ作る時の免疫源には必ずしもpurityは要求されません。ただ、スクリーニング時に同じものを使うのならば、また少し話しは変わってきます。もし、夾雑物の免疫源性が強いならば、それに対するハイブリドーマクローンもたくさんできてくるので、すぐに区別するような検定を入れる必要があるということです。
そして私が注意を促したいのは、GST自身がその「夾雑物」にあたるということです。anti-GSTクローンは単独GSTあるいはほかのGST融合タンパクに対する反応性で区別できると思うかもしれませんが、実はそうはいかないのです。融合タンパクとしてのGSTのコンフォメーションというのは抗体応答性からみると、個々の融合タンパクによって異なり、別のGST融合タンパクに反応しないからといってanti-GSTではないと言えないのです。これは単に理屈を言っているのではなくて、多くの人の経験として本当にあてにならないのです。とある論文では、10種類近くのGSTタンパクを混合したものに反応するかどうかでanti-GSTクローンを排除していました。しかし、これでも外すこともあるでしょう。一番いいのは、スクリーニング時には免疫時と同じGST融合タンパクを用いないようにすることです。タグなしか、別のタグをつけたものを使うということですね。
抗体作製受託会社は、基本価格では何クローンまで確保、以降追加料金で取得クローンを増やせるとするところが普通かと思います。その場合はたくさんのクローンを取っといてあとからゆっくりキャラクタライズする、とはいきません。真の目的タンパクに対するクローンの選択、さらに目的の用途に使えるクローンの選択の手順を受託会社のシステムに合わせてあらかじめ考えておく必要があります。

私の所はモノクロの受託作製はしていませんが、タネを探しています。もし今の受託抗体作製でうまくいかなければ、共同研究みたいなことはできますので、よければ声をかけてくださいね。

(無題) 削除/引用
No.6322-16 - 2017/10/13 (金) 02:17:30 - コンブ
>おおさん

 そうですね。現在、並行しておおさんの仰ったもう一回GSTカラムに掛けるのをやっています。まだ濃縮前ですが、正体不明のスメアはないように見えます。濃縮後に流したゲルで見えないことを祈っています。
 それとゲル濾過もトライして、どちらも厳しそうなら、そのまま抗原として使えるか再度会社に聞いてみます。

 御指南ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6322-15 - 2017/10/12 (木) 01:43:48 - おお
>一から全ての条件を検討し直しですね。

いや、さっさともうワンステップ精製をかますか、そのまま抗原として使うかだと思います。抗体を作るのは確かに慎重にやったほうがいい面はありますが、研究ではなく研究の準備と思うとそこで時間をかけてもどうかと。。。

(無題) 削除/引用
No.6322-14 - 2017/10/11 (水) 21:28:48 - コンブ
>WInter-8さん
 お返事ありがとうございます。
 確かにグルタチオンが染まるって言うのはおかしい話なんですよね。
 もうちょっと検討してみたいと思います

>774Rさん
 お返事ありがとうございます。
 その可能性はあるかと思います。一応、同じ条件でウェスタンを行ってみたのですが、その低分子のスメア部分には何もバンドがありませんでした。
 もちろんウェスタン抗体の認識部位がなくなっている可能性はあると思うのですが。。。
 スメア状のバンドはフラミンゴ・ゲル染色でも確認はできたので、タンパク/ペプチドなのかなぁと思っております。

>APさん
 お返事ありがとうございます。
 有象無象の可能性はありますよね。低温10℃で48時間大腸菌培養しているので、ヒートショックプロテインの類もあるかと思ってATP洗浄はかなり行っているのですが。。。サイズ的にGroESとかですかねぇ。
 CBB染色でスメア状に見えるのが、有象無象って感じします。


 一から全ての条件を検討し直しですね。

(無題) 削除/引用
No.6322-13 - 2017/10/11 (水) 16:12:59 - AP
内因性の有象無象の低分子量タンパク質が、自発的ジスルフィド結合で担体のグルタチオン結合していたところ、高濃度の遊離グルタチオンに置きかえられて溶出されてきた?

(無題) 削除/引用
No.6322-12 - 2017/10/11 (水) 13:28:31 - 774R
GST融合タンパク質のどこかにニックが起きていて、精製の段階では一緒に挙動するけど、SDS-PAGEでは離れるので、低分子領域にバンドが出てるということはないですか?

(無題) 削除/引用
No.6322-11 - 2017/10/11 (水) 10:50:49 - WInter-8
グルタチオンはGlu-Cys-Glyだから、CBBとは結合しないのでは?

(無題) 削除/引用
No.6322-10 - 2017/10/11 (水) 07:48:49 - コンブ
>おおさん

 いつも御教授ありがとうございます。

 私もラボメイトに「グルタチオンはトリペプチドだから濃い濃度で溶出するとCBBでも染まるのでは?」と指摘されたとき、「うーんどうかなぁ?」と思いました。使用したキットのMWCOを考えても透析や限外濾過で除去されないのもおかしいし。

 溶出バッファーにグルタチオン濃度を0-250mMで振ってゲルに流すと0-低濃度では認められないスメア状のバンドが濃度上昇と共に出現して濃くなることは見られました。

 目的タンパク質を付けていないGST溶出する際やコントロールのBSAを流す際の溶液を溶出バッファーにすると、グルタチオン濃度が高い(50mM)とスメア状のバンドが出現しました。

 ただ、おおさんの仰る通り、私も「本当にグルタチオンか?」という疑念は晴れていないので、自分の使っているゲル濃度(現在は15%)やサンプルバッファーももうちょっと検討しようと思っております。

(無題) 削除/引用
No.6322-9 - 2017/10/11 (水) 05:07:16 - おお
ほんとにグルタチオンかな?どうやって検証したんだろう?ほんとにグルタチオンなら除去する必要もなさそうだけど、、、

(無題) 削除/引用
No.6322-8 - 2017/10/10 (火) 21:42:48 - コンブ
 皆様、以前に御指南頂きありがとうございました。

 経過として、ラボが持っていた透析キット(D-tube Dialyzer Maxi, MWCO 12-14kDa)で透析を行いました(精製タンパク質は32-33kDa、夾雑物は10kDa未満)。
 2.5時間後、5時間後、24時間後、48時間後のタイムポイントで内液採取しつつ合計72時間まで透析をかなりの量の夾雑物が残存していました。

 洗浄条件の強化や溶出バッファー成分の検討を行ったところ、夾雑物はどうやらグルタチオンの残存でCBBで染まっていると判断いたしました。
 最初の段階でビーズからの溶出がわるく、グルタチオン濃度を50mMまで上げていましたが、最初の濃縮段階での限外濾過や透析でグルタチオンは除外できているだろうと思っていたのが甘かったようです。

 限外濾過の希釈や透析の外液のPBSのpH を8.8にしたままだったのが悪かったのか。
 グルタチオンが除外できないことなどあるのでしょうか。もし皆様のご経験があればご教授よろしくお願いいたします。

 また、並行して皆様からのご提案のゲル濾過の準備を進めております。

ありがとうございます 削除/引用
No.6322-7 - 2017/09/19 (火) 06:46:11 - コンブ
〉うさん、momさん、おおさん、APさん

 貴重なアドバイスありがとうございます。とても勉強になりました。
 皆様のご意見を参考にして業者と相談しております。
 またご相談することもあるかと存じますが、その際はよろしくお願い申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.6322-6 - 2017/09/17 (日) 18:30:56 - AP
SDS-PAGE で当該バンドを切り出したっていいんじゃないか。
ゲルごと免疫することもできる。
そもそもモノクロなら夾雑物があってもいけるもんだし。
業者はリスクを嫌って色々注文つけてくるかもしれないが。

(無題) 削除/引用
No.6322-5 - 2017/09/17 (日) 12:11:48 - おお
抗体作るんだったら夾雑物はあまり気にしないという人もいるけど(もちろんマジョリティーがあなたの蛋白でないといけないけど)。

(無題) 削除/引用
No.6322-4 - 2017/09/17 (日) 12:09:48 - おお
>GST+目的タンパク質は33kDaで、フィルターのサイズを初めから30KDaにしておけば良かった

いや、これはちょっと冒険だと思う。30kDaといっても目安で蛋白の折りたたみ具合などによってはそれより大きくても通過してしまう可能性もあるから。

もしその10k以下のものがあなたの蛋白と相互作用がないのであれば、ゲルろ過がいいかもなと思うけど、、、
もっと単純な方法はもう一度GSTカラムにかけて、1%TRITONとか洗いの条件を厳しくする。ただしまくいく保証はないけど、、、

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