やってみました。
・変異チェックプライマー(Reverse、末端はA、導入変異はG→T)、Tm=40.67'C
・ForwardプライマーはTm=43.81'C
・PromegaのGoTaq G2 Green mix使用
イマイチどんなPCR条件がいいのか分からなかったので、以前確かこのフォーラムで見た、「2 step PCRは万能、68'Cの会合・伸長で何でも増える」という情報を頼りに、まずは2 stepで25 cycles回してみました。
→結果、10コロニーのテストで一切何も増えず…。
…が、プライマーのTmが低いこともあり、やはり68'Cは高すぎるのではないかと思ったので、もう1ゲル分だけやってみようと思い立ち、42'Cのアニーリング条件で、同じく25 cycles、さらに12コロニーをピックしてみました。
また、コロニーが若干古く、ひょっとするとコロニーPCR自体がワークしていないかもしれないという可能性も思い浮かんだため、1コロニーだけSite-directed mutagenesisで使ったReverse方向のプライマー(1塩基ミスマッチはあるけれど、かなり5'寄りの部分なので未変異のテンプレートでも増えるはず)を使ってポジコンも設置しました。
→結果、まずポジコンは無事に増えてくれました。そして肝心の変異プライマーでの12コロニーの方ですが、なんと!わずか1コロニーでしたが、サンプル#8が、見事なまでに完璧なバンドを叩き出してくれました(当然、ポジコンより若干大きいサイズ)。シークエンスを読むまで確実なことは言えませんが、ほぼ間違いなく、この#8は、変異の入った当たりクローンだと思います。
あまりにも清々しいまでの美しすぎる結果に、とても気分が良くなりました。諦めずにやって良かったなぁと思いました。
…と、興奮で小学生並の感想が出てしまうような、夏休みの自由研究みたいな報告になりましたが、少なくとも今回試した系では、3'末端1塩基のミスマッチが、PCR効率に甚大な影響(0か1かの違いで)を及ぼす、ということが判明しました。
しかし、なぜそこまでmutagenesisの確率が低かったのか(結局合計30コロニー弱調べて、当たりはわずか1。もっとも最初のコロニーPCRは、系が機能していなかった可能性もありますが)は不明のままなのですが、少しでも安く済むようにと、ちょっと変異導入用プライマーを短くケチりすぎたのが原因の一つなのかもしれません(5'側から、[3塩基・変異塩基・15塩基]というプライマーセットです。でも改めて見るとそんなに短くもないですね。そもそもこれまで同じ設計でほぼ問題なくワークしていたのですが、配列や取りうる構造によっては、難しくなることもあるのかもしれないですね)。
長くなりましたが報告でした。繰り返しですが、色々な情報をいただいた皆さま方には心よりお礼申し上げます。 |
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