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ノーザンブロットにおけるメンブレンへの転写について トピック削除
No.6254-TOPIC - 2017/08/29 (火) 14:52:49 - R
いつも勉強させて頂いております。

現在Northern blot法にてマウス組織におけるmRNAの発現解析を行っています。

RocheのDIG systemをベースにプロトコールを作製し数回実験を行ってみたのですが、全くシグナルを検出できませんでした。
(分子量マーカーとして泳動したDIG標識RNA Ladder【Roche】のシグナルも全く検出されませんでした。)

原因として、「RNAの分解」、及び「メンブレンへの転写が不十分」の2点が考えられましたので、転写前後でEtBrを用いてRNAの状態を確認しました。
その結果、転写後のagarose gelにRNAが殆ど残ってしまっていることが分かりました。


下記、電気泳動条件等書かせて頂きます。
↓↓

泳動バッファー : 1x MOPS buffer (pH7.0)

泳動ゲル    : 1% agarose, 2%(0.76M) Formaldehyde in 1x MOPS

RNA(マウス組織より抽出):total RNA 1ug を泳動

3x Loading buffer : 50% Formaide, 6.14% Formaldehyde, 1x MOPS, 10%
Glycerol, 0.05% BPB, 50ug/mL EtBr

2 volumeのRNA(10uL)に1 volumeの3x Loading buffer (5uL)を加えて65℃で10min熱変性し、on iceにて急冷後電気泳動を行いました。

18S & 28SをUV下で確認した後、20x SSCにて15min, 2回ゲルを洗浄し(ゲルのホルムアルデヒドを除くため)、その後転写をover nightにて行いました。

転写装置にはGEヘルスケアのTurboBlotter Systemを用いました。
メンブレンはAmersham Hybond-N+(ポアサイズ 0.45um)を使用しています。


試薬、プロトコールは基本的にRoche DIGアプリケーションマニュアルに従っています。


どなたかRNAのゲルからメンブレンへ転写時のコツやポイント等御教授頂ければ幸いです。
よろしくお願いします。
 
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14件 ( 1 〜 14 )  前 | 次  1/ 1. /1


(無題) 削除/引用
No.6254-18 - 2017/08/29 (火) 20:39:18 - AA
私は「下から上」の液流でやっていましたが、
キムタオルを1束半くらい置いて、NEBの制限酵素カタログを重しにしていました。
おいたキムタオルの半分くらいのところまで液は来ていましたので
5枚だと全然足らないのだと思います。

(無題) 削除/引用
No.6254-17 - 2017/08/29 (火) 18:48:19 - AP
>濾紙のsize等はかなり適当で、ゲルだけにSSCが吸い込まれる様な工夫もしておりませんでした。

ショートカットが出来ないようにすればいいわけで。
downwardの場合、ゲル上のろ紙をゲルよりバカでかくして縁が垂れ下がるようなアホなことしない限り起こらないはず。

(無題) 削除/引用
No.6254-16 - 2017/08/29 (火) 18:29:14 - R
>SYBR master様

濾紙のsize等はかなり適当で、ゲルだけにSSCが吸い込まれる様な工夫もしておりませんでした。
アドバイスありがとうございます。

>AP様

ご指摘ありがとうございます。
キムタオル5枚はやはり少ないですね。。。O/N後も最下層までビチャビチャでしたので、そこで液流が止まっていると考えるべきでした。
Absorbentをもっと増やしてみます。

ホルムアルデヒドも液流によって置換されることを考えると、そこまで神経質にならなくてもよさそうですね。

貴重なアドバイスありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.6254-14 - 2017/08/29 (火) 18:22:50 - AP
>洗浄やバッファー置換をあまりされないとの事ですが、ホルムアルデヒドの変性ゲルの場合、ホルムアルデヒドの残存は転写を阻害すると書かれている資料が多いのですがあまり関係ないのでしょうか?

それで困ったことはないです。しかも古典的な2 Mフォルムアルデヒドゲルでです。ホルムアルデヒドが邪魔をするとしても、液流によって置換されますから。

EtBrで後染するというのはいろいろ問題があるが(フォルムアルデヒドを除かないと染まらない、感度が低い、処理に時間がかかるなど)、適当な濃度でRNAにクロスリンクする方法だと移動度や検出感度などに影響がないとされています。

キムタオル5枚とは少ない印象。しかも濡れきってるんじゃ、その時点で液流は止まってるだろうな。absorbentをもっと増やしたらどうだ。
downward transferでもゲルは薄くなります。潰れるというより脱水ですね。

(無題) 削除/引用
No.6254-13 - 2017/08/29 (火) 18:20:57 - SYBR master
今思い出しました。

SSCがゲルだけを通って、濾紙やタオルにに吸い込まれるように、ゲルの周りの余分なところはラップしておいていました。

(無題) 削除/引用
No.6254-11 - 2017/08/29 (火) 18:15:25 - R
> AP 様

私もAP様が書いて下さった様な、「上から下」へトランスファーする方法でメンブレンへのblottingを行いました。
再度「TurboBlotter system」の添付書も読み返しましたが、特にまずそうなところは見当たりませんでした。

ご指摘頂いております通り、リザーバーがゲルよりも高くなるような高さでの実施です。

一晩置けば「ゲルはペチャンコ」との事ですが、あまり潰れていないような感じでしたので、何かおかしい個所がありそうです。
もう一度setting等見直してみます。

追伸にてご指摘頂きました様に、EtBrはLoading bufferの中に入れRNAを熱変性させました。
電気泳動後のgelでは、rRNAが綺麗に見えています。

洗浄やバッファー置換をあまりされないとの事ですが、ホルムアルデヒドの変性ゲルの場合、ホルムアルデヒドの残存は転写を阻害すると書かれている資料が多いのですがあまり関係ないのでしょうか?

(無題) 削除/引用
No.6254-9 - 2017/08/29 (火) 18:07:11 - R
>mon 様

今回使用したgelのsizeは 5cm x 6cm x 1.5cmです。
上から下へ転写する方法を用いましたので、gelの潰れはあまり無かったですが、転写buffer(20x SSC)は150mL程をリザーバーに注ぎ約100mL弱ほど吸われた状態でした。

(無題) 削除/引用
No.6254-8 - 2017/08/29 (火) 18:02:42 - R
>SYBR master 様

大変丁寧なアドバイスありがとうございます。
Hybond N+の材質変更については存じておりませんでした。

EtBrの染色はやはりhybridizationのシグナルを落とすのですね。
今回行いました検証では、Loading bufferにEtBrを加えて熱変性をかけたsampleを泳動するgelと、EtBrを加えず染色しないgelを用意し同条件でDIGの検出を行いました。

DIGラベルRNA Ladderも全く検出されませんでしたので、トランスファーの部分がトラブルポイントだろうと言う判断です。

トランスファー後のメンブレンはトランスイルミネーターで確認をしておりませんでしたので、確認してみます。
(転写後のgelは確認したのですが、18S&28S rRNAのバンドが確認されましたので、やはりメンブレンへの転写不良かと...)

Blottingについては「TurboBlotter System(上から下へRNAをトランスファーする)」のプロトコールにある通り、最下層にキムタオル(5枚程度)→3MM Chr paper(4枚)→3MM Chr paper(1枚:20xSSCにて湿らせたもの)→Hybond N+メンブレン→ゲル→3MM Chr paper(3枚:20xSSCにて湿らせたもの)→リザーバーを橋渡しできるサイズの3MM Chr paper
としています。

また、乾燥を防ぐためラップをかけO/Nで転写しています(16時間程度)。
翌日、最下層のキムタオルは転写バッファーで濡れているのですが、ゲルからRNAがメンブレンへ移動していません。


転写トラブルが解決しましたら、以降の操作におけるアドバイスも参考にさせて頂きます。

(無題) 削除/引用
No.6254-7 - 2017/08/29 (火) 17:40:16 - AP
DIGを使うならロシュで出しているポジティブチャージナイロンをおすすめします。
PallのBiodyne PlusのOEM製品ということらしいのでこちらでもいいでしょう。

Amersham (現GE)がナイロンの組成を変えたのは性能の向上とか使用者の利便性(とアナウンスしていたが)とかではなく、
特許権に引っかかるかなんかで変えざるを得なかったかららしい。
現Hybond-N+の性能、使い心地は推して知るべし。

(無題) 削除/引用
No.6254-5 - 2017/08/29 (火) 17:23:29 - AP
では、見立てとしてはトランスファ不良ってことですね。

市販のブロット装置を使っているなら、説明書通りにやれば大丈夫なはず。
ちなみに私はトレーの上に手拭き用のペーパータオルを5 cmくらい厚さでガバっととったのを乗せ、
濡らしたろ紙2,3枚、メンブレン、ゲルを重ねた状態でペーパータオルの上に置き、
ゲルぴったりの大きさのろ紙を濡らして上に置き、
転写バッファ(20x SSC)をいれたリザーバ(ピペットチップの空き箱など)とゲル上のろ紙との間をろ紙でブリッジするという方法でやります。液の移動がスムーズになるように、またブリッジがショートカットしないように、リザーバがゲルより高くなるようにします。乾燥よけとフォルムアルデヒドの臭いを防ぐために全体をカバーで覆い(プラスチック水槽とか食器カゴのフタとか)、できればドラフト内に置きます。

一晩置けば、ゲルはペチャンコになり、下のペーパータオルは底の1-2割のみ濡れずに残っているくらい。これでトランスファーはうまくいっています。

ご参考までに、

追伸
EtBrはローディングバッファーの中に少量入れておくと、熱変性の時にRNAとクロスリンクするのでゲル染色や脱染色の必要なく、鮮明に見えます。
私は、必要性を感じないので、トランスファ前にゲルをそんなに丁寧に洗浄やバッファー置換しません。

(無題) 削除/引用
No.6254-4 - 2017/08/29 (火) 17:09:56 - mon
15cmx15cmx5mm程度のゲルの場合transfer bufferは2-300mL吸い上がった記憶があります(もっとだったかな??)。ゲルも半分以下の厚みまで圧縮されていた記憶があります。

(無題) 削除/引用
No.6254-3 - 2017/08/29 (火) 17:03:38 - SYBR master
スイマセン、文字化けしました。"&#181"の部分はマイクロです。

あと、Northern blottingに使用するゲルは、EtBr染色、特に後染めしていない方が、その後のハイブリの効率が高く、シグナルが強くなる傾向があります。これはHybond N+のmanualにも書かれていたと思います。Manualには、transferし難いと書かれていますが、上記のようにtransferはできますが、hybridizationを理由は良く解らないですが阻害します。今は、SYBR green IIが使えるようですが、試したことが無いので良く解りません。当時は、ゲル2枚用意して、片方は染色してRNAの確認。片方をblotに使用していました。

Blotting後の固定(Hybondのmanualでは、この部分が連続して書かれていないため、不要に思って行わないと失敗します)は、アルカリ固定>ベーキング>transilluminatorの順にシグナル強かったと記憶していますが、材質が2006年に変更になり、今はアルカリ固定ができないと書かれています。UV crosslinkerが無い場合、UV transilluminator での最適化セッティングは結構面倒ですので、ベーキングをお勧めします。

使えないと書いてありますが、アルカリ固定( for RNA)の手順を書いておきます。たぶんもうどこにも資料が無いと思いますので。
1. blotting後のmembraneをゲルから取り外す(手袋もしくはピンセットで)
2. 0.05 M NaOHで浸したWhatman No.1濾紙の上に、blot面を上にして5分間静置(時間厳守)。NaOH濃度がDNAの時と異なるので注意。
3. 2×SSCが入ったトレイに移し、10〜60秒振盪(中和)、このとき余分なゲル片を洗い流す。
4. 乾ききらないようにサランラップで包む。
5. 確かこのまま、4℃で短期間なら保存できたはずですが、Northernの時は直ぐにhybridizationに移っていたような気もします。

(無題) 削除/引用
No.6254-2 - 2017/08/29 (火) 17:00:18 - SYBR master
Hybond N+は2006年に材質が変更されて、前に使用していたprotocolがそのまま使えませんので、参考までに(私がやっていたのは前世紀w)。

取りあえず、EtBr染色したゲルを用いてblotting後に、membraneをトランスイルミネーターで確認してください。blotされていれば、membraneにrRNAのバンドが2つはっきり見えます。これが見えないのであれば、blottingの手順がどこかおかしいです。予想ですが、membraneの上に載せる濾紙(確か3MM×3枚)は、20×SSCで事前に濡らしておくことが肝要です。そこに乾いたキムタオルのような物を乗っけてblottingします。Capillary blottingなのでゲル上部にセットした濾紙・タオルがblotting後にSSCで濡れていなければ上手くいっていません。まずはそこを改善してみてください。

経験上、使用するtotal RNA量は5 µg/wellが適当か思います。1 µgだとrRNAの二つのバンド、特に比率(28S:18S=2:1)が確認しにくかったと記憶しています。RNAの取り方で泳動する最適量を変化させていました。グアニジン+カラム系だと、5S rRNAやtRNAなど小分子のRNAが回収できないキットがありますが、フェノール系+エタチンで取る方法だと、total RNAの中のRNA種が増えるので、target RNAが少ないと思われる場合には、なるべく多めに泳動してください。

また、Northern blottingに使用するゲルは、EtBr染色、特に後染めしていない方が、その後のハイブリの効率が高く、シグナルが強くなる傾向があります。これはHybond N+のmanualにも書かれていたと思います。Manualには、transferし難いと書かれていますが、上記のようにtransferはできますが、hybridizationを理由は良く解らないですが阻害します。今は、SYBR green IIが使えるようですが、試したことが無いので良く解りません。当時は、ゲル2枚用意して、片方は染色してRNAの確認。片方をblotに使用していました。

ノーザンブロットにおけるメンブレンへの転写について 削除/引用
No.6254-1 - 2017/08/29 (火) 14:52:49 - R
いつも勉強させて頂いております。

現在Northern blot法にてマウス組織におけるmRNAの発現解析を行っています。

RocheのDIG systemをベースにプロトコールを作製し数回実験を行ってみたのですが、全くシグナルを検出できませんでした。
(分子量マーカーとして泳動したDIG標識RNA Ladder【Roche】のシグナルも全く検出されませんでした。)

原因として、「RNAの分解」、及び「メンブレンへの転写が不十分」の2点が考えられましたので、転写前後でEtBrを用いてRNAの状態を確認しました。
その結果、転写後のagarose gelにRNAが殆ど残ってしまっていることが分かりました。


下記、電気泳動条件等書かせて頂きます。
↓↓

泳動バッファー : 1x MOPS buffer (pH7.0)

泳動ゲル    : 1% agarose, 2%(0.76M) Formaldehyde in 1x MOPS

RNA(マウス組織より抽出):total RNA 1ug を泳動

3x Loading buffer : 50% Formaide, 6.14% Formaldehyde, 1x MOPS, 10%
Glycerol, 0.05% BPB, 50ug/mL EtBr

2 volumeのRNA(10uL)に1 volumeの3x Loading buffer (5uL)を加えて65℃で10min熱変性し、on iceにて急冷後電気泳動を行いました。

18S & 28SをUV下で確認した後、20x SSCにて15min, 2回ゲルを洗浄し(ゲルのホルムアルデヒドを除くため)、その後転写をover nightにて行いました。

転写装置にはGEヘルスケアのTurboBlotter Systemを用いました。
メンブレンはAmersham Hybond-N+(ポアサイズ 0.45um)を使用しています。


試薬、プロトコールは基本的にRoche DIGアプリケーションマニュアルに従っています。


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