名梨様
毎回アドバイスありがとうございます。プロテアーゼ消化は非常に興味深い方法です。
>まず、条件検討でnativeなものが完全に分解されアミロイド化したものが残るような、プロテアーゼ(Proteinase KやTrypsin, Chymotrypsinなど)濃度と消化時間を決める(これはWesternで)。
上記ですが、泳動した時に2量体、3量体、4量体、、、からゲルに入らないものをアミロイド型と考えるのでしょうか。現在手持ちの抗体ではアミロイドは検出できません。また、今追っているタンパク質のアミロイドに対する抗体は販売していません。凝集過程のものとアミロイドをどのように判別するかが問題です。凝集の場合はゲルに入る多量体は少ないですが、かといってアミロイドと判断することも出来ません。ゲルに入らないものはアミロイドなのか凝集したものなのか判別がつかないかと。
私のラボにある抗体は
1.患者血清(おそらく立体構造認識抗体のみ)
2.一次構造認識mAb
3.立体構造認識mAb
です。そこでアミロイドがそこまで成長しておらず、水溶性を示すアミロイドの検出に的を絞るのであれば、下記の方法はいかがでしょうか。
アミロイドを経時的に形成させて固相化。その際、精製タンパク質を1 ug/ml程度に限定しておき、ThTの蛍光がプラトーに達する時間を調べておく。なお、プレートはアミノプレートとする(後でGuHClを使うため)。
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プラトーになる時間で固相化し、固相化アミロイドのプロテアーゼによる消化の時間の濃度を調べる(ウェル内で行うことで固相が量をモニターできる)。ThTで検出。これにより蛍光強度が大きく低下する直前の消化時間および濃度を決定。
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経時的に伸長させたアミロイドを固相化後、ウェル内で上記の条件で消化する。これに手持ちの患者血清または立体構造認識mAbを反応させる。また、同様の条件でGuHClをウェルに添加して変性させたものに一次構造認識mAbを反応させる。プレートに共有結合させているので剥がれない。
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上記のプレートをTMBを用いて、停止せずに650 nmのAbsで検出。そのプレートをそのままThTで反応させ、アミロイドを蛍光で検出。
この方法なら
1.アミロイドが存在することを確認
2.一次構造認識抗体の反応性から変性状態のものがないことを確認
3.ネイティブ型のものがないことを確認
4.患者血清がアミロイドを認識するかがわかる
と思います。
この方法を用いればネイティブ、変性、アミロイドの3種の固相化が確認できると思います。予備検討でネイティブおよび変性状態のいずれも検出できない消化条件にしておけば良いと思います。固相化量を「未変性とアミロイドで同等にしなければならない」という必要がなく、未変性、変性タンパクがない状態でアミロイドの反応性を検討することができるかも。
名梨さんのアイデアはなかなか興味深かったので、深く考えてみました。 |
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