pET-28b vectorは、細胞(菌体)内発現ベクターですね。
scFvですとフォールディングに正しいタンパク内S-S結合が必要です。
おそらく可溶性タンパクは、正常にフォールディングしていない可能性が高く、triton等が抜けると膜等に吸着してしまうのだと思います。
以下の4つの方法があります。確実なのは(4)。
(1)沈殿画分をグアニジンで可溶化し変性状態のままHisタグで精製し、段階的な透析によってフォールディングさせる手法が報告されています。
(2)NEBで販売されているSHuffle T7Express Competent E.coliで可溶性scFvを調製する。
(3)収量は減りますが、ペリプラズム発現用pETベクターを利用して、低温(25度)で一晩発現誘導してください。
(4)scFv-Fc融合タンパクとしてCHO細胞で一過性遺伝子導入で分泌、proteinAカラムで精製してください。293細胞でも可能。
高価ですが収量が高い無血清培地と遺伝子導入試薬のKitが発売されています。ただし8%CO2で回転培養できる機器が必要。 |
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