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細胞内オルガネラマーカーと共局在しない場合の解釈について。 トピック削除
No.5817-TOPIC - 2017/03/07 (火) 09:47:43 - 免疫染色
線維芽細胞に薬剤処理後にあるタンパク質が細胞内に蓄積することがわかりました。その蓄積する場所を同定するため、細胞内オルガネラマーカーとの共染色を約一月ほど行なっていますが、未だに同定できておりません。

具体的には、GM130、カルネキシン、GM130、Lamp2、Sec31a、ユビキチン、p62、LC3、TGN46との共染色です。いずれのマーカーも綺麗に染まっており、興味あるタンパク質も抗体染色により特異的に染まっているようです。

恣意的ですが、epifluorescent scopeではLamp2やLC3と共染色しているように見えたのですが、共焦点顕微鏡で見る限り、そのような一致は確認されませんでした。共焦点顕微鏡から、興味あるタンパク質の蓄積は細胞内であることが確認されています。

画像を外部サイトに一時的にアップロードさせていただきました。(緑がユビキチン、赤が興味あるタンパク質、青が核です)
fastpic.jp/images.php?file=2770789663.jpg

非常に大きな構造物が染まっているように見えます。当初、凝集体が染まっているのでは無いかと考え、ライソゾームやオートファゴソーム、p62などで染めてはみたのですが、一致はしていないようです。他にはミトコンドリアやペルオキシソームなど染めていないオルガネラはあるのですが、ここで一度ご意見ご指摘いただけないかと思い、質問させていただきました。

薬剤は細胞にはマイルドに効いているようで、死細胞による非特異的な抗体吸着ではないと思っています。
大変稚拙な質問で恐縮していますが、細胞染色の経験があまりないので局在を示すチップス等がありましたらご教授いただけますと嬉しいです。どうぞよろしくおねがいいたします。
 
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(無題) 削除/引用
No.5817-22 - 2017/03/09 (木) 11:01:48 - 免疫染色
おお様、有難うございます。

昨日、サンタクルズ社に抗体のフリーサンプルを出してもらってストレス顆粒を染めて見ました。
具体的な抗体としては、RCK, TIA-1, G3BP1, PABPです。固定を4%PFAか冷methanolかで比べてみましたが、G3BP1以外は少なくとも私が使っている線維芽細胞ではなにも染色されていませんでした。

G3BP1もゴルジが染まっていそうな気がしていましたので、もしかしたらフリーサンプルのいずれも使えないものかもしれません。。フリーサンプルではなくきちんとしたものを買うべきですね。。

昨日からStress granuleの文献を読みあさっていますが、やはり細胞質タンパク質がメインになるようですね。分泌タンパク質となるとおおさんが仰られるように考えにくいかもしれません。

> 分泌されるとありますが、Rough ERで合成されると考えられますか?

Rough ERでの合成だと思います。シグナルペプチドを持っております。

> もしEndogenousの発現を見ているなら薬剤刺激でAlternative splicingがおこりN末のシグナルペプチドがない蛋白が合成される何ていうことももしかしたらあるかもしれません(まあ万が一ぐらいの確率かもしれませんが、実際にあるカテプシンのSplicing isoformはミトコンドリアにターゲッティングされることが示されています(ほかのIsoformはERをへてLysosomeへ行きますが)。

個人的にとても興味深いです。論文を漁って見ます。

> SDSPAGEでサイズが変わっているかなどヒントになるかもしれませんね。Alternative slicingでなくても糖鎖の変化でサイズが変わりますから、糖修飾の過程のどこで変わっているかなども局在のヒントになるかもしれません。

ウエスタンではサイズが非常に大きく、みるのにも困難です。
分泌タンパク質は基本的にクロスリンクを細胞内でされているようで、その架橋を酵素学的に切断して、透析して。。。と煩雑な作業のあとにウエスタンを行うというのが常法のようです。

なので、わたしは今は免疫染色で局在だけでも明らかにできないかと考えていました。
Stress granuleではないのでしょうか、、もう少し論文を漁って見ます。ありがとうございます。

ただ染まり方が気持ち悪いんですよね。大きなドットのように染まっていることもあれば最初に添付されていただいたような気持ち悪いおかしな構造物のような染まり方をするんです。あまり経済的に恵まれたラボではないので、フリーサンプルに依存しがちですが、決めるところは決めないと進みませんね。。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.5817-21 - 2017/03/09 (木) 10:51:06 - 免疫染色
moz様、ありがとうございます。

> 他の分泌タンパクではどうなのでしょうか。分泌タンパク・TypeI・TypeII膜タンパク等で群特異性がある
と興味深いですが。

コントロールとして、MMP2や9の活性をジェラチンザイモグラフィで見たことがありますが、あまり変わってはいないようでした。ただこの薬剤は細胞にドラスティックに何か作用しているような気がしています。特にトラフィッキングに関してですが。今のところ、そのようなデータはでておらず、細胞内蓄積像だけのデータです。

今使っている分泌タンパク質は非常に分子量が大きく、一筋縄にはいかないような印象を持っていますが、TMドメインとのキメラを作成することでなにができるか考えてみることにします。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.5817-20 - 2017/03/09 (木) 10:46:09 - 免疫染色
KIO様、ありがとうございます。

なるほど、膜透過処理の不完全性によって染まり方にムラが生じるのですね。勉強になります。
これまでに4%パラホルムアルデヒド10分固定後に0.025%TritonX-100で膜透過か、もしくは、100%メタノール5分-20℃固定(膜透過処理も併せて)を試していました。どちらも染まる細胞もいれば染まらない細胞もいました。

フィルターのズレで画像がズレてしまうこともあるのですね。わたしの見ている赤い染色物はオルガネラマーカーで染めた際のオルガネラに比べて、非常にサイズが大きいです。なので、フィルターのズレがあったとしてもサイズが明らかに違うので局在は異なるだろうと予想していますし、共焦点だけでなく別の顕微鏡のエピ蛍光顕微鏡でも同様の結果になっています。

ですが顕微鏡初心者の私にとってとても有益で今後のためにも記憶に刻みたいと思います。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.5817-19 - 2017/03/08 (水) 17:56:19 - moz
おおさんに触発されて、以下を紹介しておきます。
Four splice variants of the IL-1ra gene have been identified; one secreted (sIL-1ra) and three intracellular (icIL-1ra1-3).

(無題) 削除/引用
No.5817-18 - 2017/03/08 (水) 17:35:23 - おお
あ、あと分泌蛋白として知られているFGFが核内に見つかったというのがあったと思う。酵母ではスプライシング活性をもつコンプレックスに分泌蛋白として知られているものが見つかったりもしてます。

(無題) 削除/引用
No.5817-17 - 2017/03/08 (水) 17:14:45 - おお
>他の分泌タンパクではどうなのでしょうか。
質問者じゃ無いんですが、各種膜タンパクをマーカーとして使ってますので、それを見る限り以上がないと思ってらっしゃるかもしれません。発現が弱いとか、顆粒が少ないとか質問者が気がついていればもしかしたらという気もしますけど。

(無題) 削除/引用
No.5817-16 - 2017/03/08 (水) 17:09:49 - おお
面白い現象なので色々意見が集まっていますね。分泌蛋白がStress granuleと言うのは、確かにサイトゾルの膜構造とは関係ないところにStress granuleが形成されるので違うような気もしましたが、逆にそういうことが起きていたら面白いわけでわざと指摘をしないでいました。

分泌されるとありますが、Rough ERで合成されると考えられますか?たとえばIL-1はCytosolで合成されてCaspase 1でプロセッシングされたあとどうやらその後に膜を通過するようです。このような蛋白はかなりマイナーかもしれませんけど。

もしEndogenousの発現を見ているなら薬剤刺激でAlternative splicingがおこりN末のシグナルペプチドがない蛋白が合成される何ていうことももしかしたらあるかもしれません(まあ万が一ぐらいの確率かもしれませんが、実際にあるカテプシンのSplicing isoformはミトコンドリアにターゲッティングされることが示されています(ほかのIsoformはERをへてLysosomeへ行きますが)。SDSPAGEでサイズが変わっているかなどヒントになるかもしれませんね。Alternative slicingでなくても糖鎖の変化でサイズが変わりますから、糖修飾の過程のどこで変わっているかなども局在のヒントになるかもしれません。

(無題) 削除/引用
No.5817-15 - 2017/03/08 (水) 10:03:54 - moz
>薬剤がLysosomeの機能を傷害する。>メカニズムはまだ詳しくは分かっていない。
もしかして、ERへの移行(トランスロコンと膜結合リボソームの機能)を阻害している可能性はありませんか。Lysosome酵素も含めて、分泌タンパクだけでなく膜タンパクの合成とかも抑えているとか。
他の分泌タンパクではどうなのでしょうか。分泌タンパク・TypeI・TypeII膜タンパク等で群特異性があると興味深いですが。あるいは今使っている分泌タンパクに人工的にTMドメインを融合させるとか。
阪口雅郎;膜タンパク質のトポロジー形成:小胞体系と小胞体標的化回避. 生化学 (2003), No.6, 1–8.を読んでて思いました。

杞憂だとは思いますが、念のため 削除/引用
No.5817-14 - 2017/03/08 (水) 10:02:02 - KIO
0さんが指摘されているように
明らかに染色されている細胞と全く染色されていない細胞が混在している
点が少し気にかかります。下記のページでも指摘されていますが
https://www.cosmobio.co.jp/support/technology/a/immunofluorescence-tips-pgi.asp
細胞膜の透過性よる非特異的染色も一応、考慮して損はないでしょう。
対応としては細胞透過条件を変えてみることが有用な時もあります。
それから、confocalではない蛍光顕微鏡でしたが、異なる蛍光フィルターで画像が若干ずれる不具合に遭遇したことがあります。その時はオルガネラマーカーと常に若干ずれていたので顕微鏡の点検を専門家に依頼したところ、上記の不具合が発見され、修正後はオルガネラマーカーと完全に一致する結果が得られました。

(無題) 削除/引用
No.5817-13 - 2017/03/08 (水) 09:21:53 - 免疫染色
0様、
> まだ続けて書き込んでも大丈夫でしょうか…?

もちろんです。みなさまのご親切に心から感謝しております。ありがとうございます。

> 薬剤未処理の細胞を染色したり、処理後の時間経過を追ってみたことはありますか?

薬剤未処理の細胞では、写真のような染まり方はしないです。染まったとしても分泌経路が染まっていそうだったりと、パターンが明らかに違うようです。

処理後の時間経過ですが、24時間で見られはじめ、48時間でほぼ全ての細胞で蓄積像が認められます。

> 染色対象は分泌タンパクということですが、これはコントロールでは染まらないのが正解なタイプのものなのでしょうか?

そうなんですよねえ。そこがちょっと気になるところではあるんです。
蓄積しているタンパク質は細胞外マトリックスの一つです。
コントロールではバンバン分泌しているので、染まらないか、蓄積していないので分泌経路がわずかに染まるのだろうと考えています。実際薬剤で未処理ではほとんど染まっていないか弱く染まっています。

> 正常な状態のこのタンパクについて、イメージングを行った文献はありませんか?
イメージングを行なった文献はたくさんあります。
通常の線維芽細胞だとPDIと一致したりGM130と一致したりしていますが、基本的に分泌経路が染まるという認識です。今回のように分泌経路とも染まらずというデータは報告されていませんでした。(私が探した限りですが。。)

ありがとうございます。一度もう少し頭を動かして見ます。

(無題) 削除/引用
No.5817-12 - 2017/03/08 (水) 08:52:28 - 0
まだ続けて書き込んでも大丈夫でしょうか…?


薬剤未処理の細胞を染色したり、処理後の時間経過を追ってみたことはありますか?
個人的には、コントロールがどのようになるのか気になりました。
染色対象は分泌タンパクということですが、これはコントロールでは染まらないのが正解なタイプのものなのでしょうか?

正常な状態のこのタンパクについて、イメージングを行った文献はありませんか?

(無題) 削除/引用
No.5817-11 - 2017/03/08 (水) 02:12:54 - 免疫染色
Tracker様、有難うございます。

Lamp2以外では、Lamp1でも染めて見ましたが、共局在しませんでした。
M6P受容体(エンドソームマーカー)でも染めたことが一度だけありますが、全くと言っていいほど一致しませんでした。

> post-TGNの小胞とかかな?
TGN46とは一致しませんでした。

> 薬剤がLysosomeの機能を傷害するとのことですが、その分泌タンパク質が元からある程度が分解経路を辿っている可能性はありませんか。

示唆に富むコメントを頂き有難うございます。
分泌タンパク質なのですが、TGFb処理などして目的タンパク質の発現量をあげると、ミスフォールドしたタンパク質ができるようですが、それらは小胞体特異的オートファジーなどが生じて、ライソゾームで分解されるようです。

> 個人的にはLysosomeや浅めのendosomeのような印象を持ちました。

免疫染色にそれほど経験がない私がいうのは説得力がないのですが、膜に包まれたオルガネラには見えないのですよね。

> 後はその薬剤がどのようにLysosomeを傷害するのかが気になりますが、クロロキンや塩化アンモニウムのようなWeak baseの場合は順行輸送が遅延して蓄積が見えたりしますね。

薬剤のメカニズムはまだ詳しくは分かっていないようです。
クロロキンや塩化アンモニウムはライソゾームかエンドゾームのpHをあげるんですよね。
それと似たような機能を持っているのかもしれませんが、報告はなさそうです。

(無題) 削除/引用
No.5817-10 - 2017/03/08 (水) 02:05:39 - 免疫染色
中年様、引き続きコメントをくださり、有難うございます。
> そのような構造体に取り込まれる(共局在する)タンパク質は、low complexity region(LCR)を持つことが多いようです。ご覧になっているタンパク質のアミノ酸配列にそういった領域があるかどうかを確かめてみてはどうでしょうか?

LCRというのは初めて耳にしました。一度私の興味あるタンパク質がこれに該当するのか調べて見ます。

あと、私のタンパク質は分泌タンパク質なのですが、もし、薬剤処理等によりミスフォールドしたタンパク質が出来てしまえば、小胞体から細胞質側へ送り出す(小胞体関連分解、ERAD)が起きると思われるので、中年様からご指摘いただいたあストレス顆粒に私の分泌タンパク質が来てもいいのではないかと今考えていますが、ストレス顆粒に取り込まれるタンパク質が細胞質タンパク質であるというのはコンセンサスになっているのでしょうか?一度調べて見ます。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.5817-9 - 2017/03/07 (火) 18:18:31 - Tracker
個人的にはLysosomeや浅めのendosomeのような印象を持ちました。

薬剤がLysosomeの機能を傷害するとのことですが、その分泌タンパク質が元からある程度が分解経路を辿っている可能性はありませんか。
その他のLAMP-1や、Acidic compartmentを染めるようなものも試してみてはと思います。

後はその薬剤がどのようにLysosomeを傷害するのかが気になりますが、クロロキンや塩化アンモニウムのようなWeak baseの場合は順行輸送が遅延して蓄積が見えたりしますね。
post-TGNの小胞とかかな?

(無題) 削除/引用
No.5817-8 - 2017/03/07 (火) 16:39:42 - 中年
読み落としていましたが、分泌タンパク質なんですね。だとすると、stress granuleとは違うかな。

(無題) 削除/引用
No.5817-7 - 2017/03/07 (火) 16:36:16 - 中年
そのような構造体に取り込まれる(共局在する)タンパク質は、low complexity region(LCR)を持つことが多いようです。ご覧になっているタンパク質のアミノ酸配列にそういった領域があるかどうかを確かめてみてはどうでしょうか?

LCRを予測してくれるwebsiteもあるようです。Googleで調べてみたらこんなのがありました(これが標準かどうかは知りません)。

https://omictools.com/lcr-detection-category

(無題) 削除/引用
No.5817-6 - 2017/03/07 (火) 12:43:43 - 免疫染色
中年様、おお様、コメントいただき、有難うございます。

ストレス顆粒、Pボディに関しては考えたこともありませんでした。
グーグルで画像検索すると、まさにこれではないか、と驚きを禁じ得ませんでした。
早速TIA-1, G3BP1, RCKとPABPの抗体をチェックしてみました。今週中には結果を出せるといいのですが。

まだこれらのオルガネラに関しては私は知識がありませんので、まずそこもしっかり勉強したいと思います。
私の薬剤は確かに細胞にストレスを与えます。ストレス顆粒、、、もう今はそれしか考えられなくなりました。本当に行き詰まっておりました。ありがとうございます。またアップデートさせていただこうと思っております。取り急ぎお礼申し上げます。

(無題) 削除/引用
No.5817-5 - 2017/03/07 (火) 12:40:04 - 免疫染色
0様、コメントいただきまして、有難うございます。

染まっている細胞と染まっていない細胞が現れる理由はわかりませんが、線維芽細胞がヘテロな集団であることに起因しているとしか今は言えないです。無処理の細胞でのこのタンパク質の挙動に関してですが、このタンパク質は分泌タンパク質です。小胞体、ゴルジ、そして細胞外へと分泌されます。そのため分泌経路のマーカーを染めていたのですが、一緒には染まらずでした。

その薬剤はライソゾームの機能を傷害させるものです。そのため細胞内に有害なものが蓄積されやすい状況が作られていると思います。

とても示唆に富むコメントをいただきまして、ありがとうございます。
特に赤い細胞とそうでない細胞間で何かが違うかもしれませんので、少し進みましたら、この点に戻り違いを探ることにします。ありがとうございます。

(無題) 削除/引用
No.5817-4 - 2017/03/07 (火) 12:03:22 - おお
Stress granuleかなぁ。。。TIAー1とかマーカーとして使ってたりするけど。刺激を与えないときはどこに局在してますか?
ミトコンドリアっぽくはないですけど。特に特定の場所のミトコンドリアに移行するとか言うことがなければ。

(無題) 削除/引用
No.5817-3 - 2017/03/07 (火) 11:16:50 - 中年
stress granuleやP-bodyか、流行りのliquid phase separationかも。

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